芳香族ケトン テルペンケトン 非環式脂肪族ケトン 脂環式ケトン
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ケトンスパイス

芳香族ケトン テルペンケトン 非環式脂肪族ケトン 脂環式ケトン

カルボニル基の両端がいずれも炭化水素基に連結する有機化合物はケトンと呼ばされる。カルボニル基の両端に連結する炭化水素基が脂肪族炭化水素基であれば脂肪族ケトンと呼ばされる;カルボニル基の少なくとも一端に連結する炭化水素基が芳香族炭化水素基であれば芳香族ケトンと呼ばされる。分子に含まれるカルボニル基の数量によって,ケトンはモノケトン、ジケトン等に分けられる。同じ数の炭素原子の飽和モノアルデヒド、ケトンは互いに異性体である。
ケトン系香料は約100種あり,それらの化学的性質は一般的に安定である。しかし一定の程度でそれらの色は異なる。そのうち香りが強いため,香料を調製する時にいくつかの脂肪族ケトンを少量用いる。芳香族ケトンはいくつかの香料のみに少量用いられる。5個又は6個の炭素原子又は複数の炭素原子によって構成される環状ケトンにおいて広く応用されるものはイオノン、メチルイオノン、ダマセノンである。15個以上の炭素原子を含有する環状ケトンは天然の動物性香料中の成分であり,合成コストが高いため,高級な香水の香料のみに用いられる。
低級脂肪族ケトン(2個の炭化水素基がいずれも脂肪族炭化水素であるもの)は特別な臭いを持っている液体であり,高級ケトンの多くは香りを持ち,水、エーテルとエタノールに溶解しやすく,炭素の数の増加に伴い,溶解度が低下し,粘度が増加し,6個以上の炭素原子を含有するケトンは,一般的に水に溶けない;高級脂肪族ケトンは固体である;芳香族ケトン(2個の炭化水素基がいずれも芳香族化合物であるもの)の多くは固体である。最も簡単な一価脂肪族ケトンはアセトンである;最も簡単な一価芳香族ケトンはベンゾフェノンである。低級ケトンの沸点は相対分子量がほぼ同じアルコールの沸点よりはるかに低く,これは主にケトン分子の間で水素結合を形成することができなく,凝集作用を備えないからである。しかし高級ケトンの沸点は徐々に相対分子量がほぼ同じアルコールの沸点に近づく。ケトンの化学的性質は不安定であり,この原因は以下のとおりである:カルボニル基の炭素 - 酸素二重結合のうちの一つがα結合であり,もう一つがπ結合であり,一つの不飽和の極性結合であり,酸素原子の電気陰性度が炭素原子より強く,電子を強力に吸引し,酸素原子上の電子雲の密度を引き上げ,それに対して炭素原子上の電子雲の密度が低いため,一定の極性を発生させ,炭素原子が正の炭素原子になり,酸素原子が負の酸素イオンになり,両者を比較すれば,前者の化学的性質が後者より不安定であり,電荷又は孤立電子対を持っている求核試薬からの攻撃を受けやすく,付加反応を発生させ,そのためケトンの付加反応が一般的に求核付加反応であり,例えばケトンとHCN、NH2OH、NH2NH2等の求核試薬との間で付加反応が発生しやすく,これらの付加反応が一般的に可逆反応である。