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芳香族ケトン

私たちは分子中のカルボニル基と二つの炭化水素基が互いに連結してなる化合物がケトンと呼ばされると知っている。その中に一つの芳香族炭化水素基を連結するケトンは,混合芳香族ケトンと見なされ,その中の二つとも芳香族炭化水素基であれば,単純な芳香族ケトンと見なされる。例えば通常のベンゾフェノン、アセトフェノンはいずれも芳香族ケトンであり,芳香族ケトンにおける混合アルキルアリールケトンは一般的に液体であり,それに対して単純な芳香族ケトンは固体である。水に溶けないが,有機溶剤に溶解することができる。化学分野と医学分野においていずれも重要な工業原料である。
芳香族ケトンの多くは塩化アルミニウムの作用下で酸塩化物又は無水物と芳香族化合物と反応することができる(Friedel-Crafts反応と呼ばされる)。
ケトンの沸点は対応するアルコールより低く,有機溶剤に溶解しやすく,4個以下の炭素原子を含有するケトンは水に溶解しやすい。ケトンのカルボニル炭素原子はsp2ハイブリダイゼーションを呈し,二重結合(一つはσ結合で,もう一つはπ結合である)をもって酸素原子と結合し,酸素原子の電気陰性度が炭素より強く,電子雲が酸素原子に偏り,炭素原子の電子密度が低く,一部の正帯電性を呈し,求核付加反応が発生しやすい。しかしカルボニル基が二つの炭化水素基を連結するため,ケトンの求核活性がアルデヒドより低い。
ケトンは自然界に広く存在する重要な有機化合物であり,通常動植物の体内から抽出されると同時に,アルコールと炭化水素の酸化、芳香族炭化水素のフリーデル・クラフツ反応、カルボン酸とカルボン酸塩の熱分解等の方法によって調製される。