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脂肪酸

脂肪酸は分子中でカルボキシル基を有する脂肪族有機酸の総称である。選鉱工業において,浮選に用いられる水酸基捕収剤である。その一般式はR—COOHであり,R基は直鎖又は分岐鎖のアルカニル基、アルケニル基又はシクロアルキル基である。炭素鎖の長さによって,その性質は異なり,捕収剤の他に,発泡剤、阻害剤と分散剤等として用いることもできる。 天然の動植物油脂と石油は脂肪酸の主な原料である。油脂を加水分解し又はけん化してから脂肪酸又は脂肪酸石けん(ナトリウム石けん又はカリウム石けん)を生成し,石けんをさらに酸化して脂肪酸を生成する。アルカリである原油留分を洗浄し,ナフテン酸ナトリウム石けんの副産物を取得でき,再酸化してナフテン酸を得る。精製したケロシン、パラフィン等の炭化水素系化合物に対して高度酸化、分離を行い,混合脂肪酸又はより純粋な単一の脂肪酸を取得することができる。 脂肪酸は炭素鎖の長さによって,一般的に低級脂肪酸と高級脂肪酸という二つの種類に分けられる。分子中で10個以下の炭素原子を含有する脂肪酸は低級脂肪酸であり,10個以上の炭素原子を含有する脂肪酸は高級脂肪酸である。脂肪酸の炭素鎖中で不飽和鎖(例えば二重鎖)を含有すれば不飽和脂肪酸と呼ばされ,不飽和鎖を含有しなければ飽和脂肪酸と呼ばされる。天然の不飽和脂肪酸は主にオレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びリシノール酸等を含む。天然の飽和脂肪酸は主にステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸及びカプロン酸等を含む。高級脂肪酸の泡安定性は低級脂肪酸より高い。例えばオレイン酸、リノール酸及びステアリン酸のナトリウム塩はいずれも穏やかな泡を形成することができる。また発泡層中の薬剤の濃度は鉱石パルプ中の薬剤の濃度より高い。異なる薬剤溶液の濃度がそれぞれの所定の値に達する時に,溶液はミセルを明らかに形成し,単一の分子やイオンが始めて規則的に配列した分子クラスターを凝集する時の濃度は薬剤の“臨界ミセル濃度”と呼ばされる。この濃度は浮選捕収作用と密接な関係があり,例えば磁鉄鉱がオレイン酸ナトリウムへの吸着作用は,薬剤の濃度の増加に従って増加し,浮遊度もそれとともに増加する。しかし薬剤の濃度は臨界ミセル濃度近く増加する時に,浮遊度は明らかに下がり,さらにゼロになる傾向がある。