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外観
無色~うすい黄褐色, 澄明の液体
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性質
メタンスルホン酸は 無色で油状の液体であり、悪臭を持ちます。pKa値が-1.9と非常に低い強酸です。メタンスルホン酸は水に非常に溶けやすく、高濃度の水溶液を形成することができます。また、多くの有機溶媒にも溶解するため、工業的に広範囲での使用が可能です。
酸は熱に対しては安定であり、加熱しても分解や変質が起こりにくいです。メタンスルホン酸はプロトン源としての役割を果たすことができるため、酸触媒反応や脱水反応にも利用されます。
これらの性質により、メタンスルホン酸は有機合成や材料化学の分野で広く利用されています。また、酸化力が弱いため、感度の高い機能基を持つ化合物とも反応させることが可能で、選択性の高い合成ができます。
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溶解性
水及びエタノールと任意の割合で混和する。
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解説
メタンスルホン酸,無色の液体.融点20 ℃,沸点167 ℃(1.3 kPa).d1841.4812.水に易溶.酸性度は硝酸の17倍.K 16 mol dm-3.医薬品原料,酸性触媒,脱水剤などに用いられる.
森北出版「化学辞典(第2版)
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用途
重合反応、アルキル化反応、エステル化反応の触媒、溶媒、医薬品原料。
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用途
アミノ酸自動分析の際の前処理(たん白、ペプチドの加水分解)剤。
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用途
有機合成原料、エステル化促進剤、重合触媒、アルキル化触媒。
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構造
メタンスルホン酸は、メタンにスルホン酸(-SO3H)基が置換した構造を持つ有機化合物です。
CH3SO3Hという分子式で表され、分子量は96.1、密度は1.4812 g/cm3です。 融点は18°C、沸点 167°Cで、CAS登録番号は75-75-2です。
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製造
メタンスルホン酸,メチルメルカプタンまたはジメチルジスルフィドの酸化により得られる.
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毒性
LD50 200 mg/kg(ラット,経口).
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使用上の注意
不活性ガス封入
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化学的特性
Methanesulfonic acid is a colourless or light yellow liquid having a melting point of 20° C, is a strong acid acting corroding but not oxidizing.
Methanesulfonic acid is used in the electroplating industry and for organic syntheses, in particular as a catalyst for alkylations, esterifications, and polymerizations. Beyond that, methanesulfonic acid is used as a starting material for the preparation of methanesulfonyl chloride.
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使用
Polymerization catalyst.
Methanesulfonic acid has been developed as an esterification catalyst in place of sulfuric acid for the synthesis of resins in paints and coatings. One of the major advantages of methanesulfonic acid over sulfuric acid is that it is not an oxidizing species.
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製造方法
Methanesulfonic acid is produced predominantly by oxidizing methylthiol or dimethyl disulfide using nitric acid, hydrogen peroxide, chlorine or by employing electrochemical processes.
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定義
ChEBI: An alkanesulfonic acid in which the alkyl group directly linked to the sulfo functionality is methyl.
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一般的な説明
Methanesulfonic acid (MSA) is a strong organic acid. The chemical oxidation of dimetyl sulfide in the atmosphere leads to the formation of MSA in large quantities. MSA undergoes biodegradation by forming CO2 and sulphate. It is considered a green acid as it is less toxic and corrosive in comparison to mineral acids.1 The aqueous MSA solution has been considered a model electrolyte for electrochemical processes.
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危険性
Toxic by ingestion, skin irritant, corrosiveto tissue.
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化学性质
色の液体.沸点167℃(10 mmHg),融点20℃.水に溶け,強酸である
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使用用途
メタンスルホン酸は強力な有機酸で、医薬品原料や、化学合成、バイオ燃料合成をはじめ、工業用洗浄や電子産業の金属表面処理など、さまざまな業界で幅広い用途があります。また、容易に生分解され、非酸化性、無色・無臭といった優れた特性をもつため、環境への配慮からも、、といった他の酸の、持続可能な代替品となっています。
特にリン酸による環境汚染を削減できることなどから、洗浄剤に配合されているリン酸の代替化合物としての用途が多いです。これらの用途以外にも、染料の還元剤や、繊維製品の撥水処理剤メタンスルホン酸はさまざまな分野で利用されています。
また、本化合物から合成されるメタンスルホン酸エステルはメシラート (英: mesylate) とも言い、アルキル化試剤や脱離基として使用されます。
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安全性プロファイル
Poison by ingestion and
intraperitoneal routes. May be corrosive to
skin, eyes, and mucous membranes.
Explosive reaction with ethyl vinyl ether.
Incompatible with hydrogen fluoride. When
heated to decomposition it emits toxic
fumes of SOx. See also SULFONATES.
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製造方法
メタンスルホン酸 の製造方法
メタンスルホン酸の製造方法は、いくつかの手法が知られています。特に、ジメチルスルフィドの酸化による合成法が工業的によく用いられます。
1. ジメチルスルフィドの酸化
ジメチルスルフィドに対し、過マンガン酸カリウムや硝酸などの強力な酸化剤を使って酸化することで、ジメチルスルフィドの硫黄原子が酸化されてメタンスルホン酸を生成します。
また、メタンのスルホン化によってもメタンスルホン酸を得ることができます。
2. メタンのスルホン化
メタンに対し、三酸化硫黄を反応させることでメタンスルホン酸に変換することができます。この反応では、高温や特殊な条件が必要であるため、一般的にはあまり利用されません。
類似の反応として、硫酸とメタンを高温下で反応させる方法も報告されています。この反応は、一般的にアルミナなどの適切な触媒の存在下で行われます。
CH4 + H2SO4 → CH3SO3H + H2O
その他、実験的な手法としては以下の合成法も知られています。
3. クロロメタンと硫酸の反応
もう1つの方法は、クロロメタンと濃硫酸を反応させる方法です。この反応は、温度と圧力をコントロールした条件下で行われ、メタンスルホン酸と塩化水素が生成されます。
CH3Cl + H2SO4 → CH3SO3H + HCl
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合成方法
ジメチルジスルフィドの酸化やメタンと三酸化硫黄との反応
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純化方法
Dry the acid, either by azeotropic removal of water with *benzene or toluene, or by stirring 20g of P2O5 with 500mL of the acid at 100o for 0.5hours. Then distil it under vacuum and fractionally crystallise it by partial freezing. Sulfuric acid, if present, can be removed by prior addition of Ba(OH)2 to a dilute solution, filtering off the BaSO4 and concentrating under reduced pressure; and is sufficiently pure for most applications. [Beilstein 4 IV 10.]