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外観
緑色~暗緑色、粉末
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性質
酸化ニッケルの分子量は74.69で、融点は1,960℃、密度は6.67g/cm3です。室温で反強磁性を示し、1.3BMほどの磁気モーメントを持っています。
酸化ニッケルは塩基性酸化物です。水にはほとんど不溶ですが、酸には溶解して、緑色の水和ニッケルイオンを生成します。しかし、加熱によって結晶化した酸化ニッケルは、酸に溶解しにくいです。
その一方で、酸化ニッケルはアルカリ水溶液にはほとんど溶解しません。ただし、アンモニア水には徐々に溶解して、淡青紫色のアンミン錯体が生成されます。また、酸化ニッケルを水素ガス中で加熱すると、還元されて金属ニッケルが生成します。
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溶解性
水に不溶。塩酸に微溶。水に不溶。強酸に溶けて、ニッケル塩溶液となる。塩酸、硫酸及び硝酸に溶けにくく、水及び水酸化ナトリウム溶液にほとんど溶けない。
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解説
酸化ニッケルとは、暗緑色の粉末の無機化合物です。
酸化ニッケルはに溶けますが、水には溶けません。酸化ニッケルのCAS登録番号は1313-99-1で、国内法規上の適用として安衛法で「名称等を表示すべき危険物および有害物」「名称等を通知すべき危険物および有害物」「特定化学物質第2類物質」、「作業環境評価基準」(法第65条の2第1項)の指定がされています。
PRTR法で「特定第1種指定化学物質・特定第1種-No. 309」、水濁法で「指定物質」、大気汚染防止法で「有害大気汚染物質 (優先取組物質) 」にも指定されています。
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用途
触媒、ガラス及び陶磁器の着色材料。
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用途
酸化ニッケル(II)(Nickel(II) oxide)は、化学式がNiOの無機化合物である。ニッケルの酸化物はこの他に酸化ニッケル(III)や二酸化ニッケルなどが報告されているが、酸化ニッケル(II)は唯一詳しい構造が判明しているニッケル酸化物である。NiOの鉱物に黄褐色のブンゼナイトがあるが非常に稀少である。ニッケルを少量含み緑色に着色した鉱物は他にクリソプレーズ(緑玉髄)がある。
鮮やかな緑色を呈することからガラス、陶磁器などの着色剤として用いられる。
また水素により還元されて生成する微粒子状のニッケルは触媒作用が高いことから、油脂およびその他有機化合物の水素添加触媒として用いられる。
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用途
鮮やかな緑色を呈することからガラス、陶磁器などの着色剤として用いられる。
また水素により還元されて生成する微粒子状のニッケルは触媒作用が高いことから、油脂およびその他有機化合物の水素添加触媒として用いられる。
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用途
高純度金属酸化物。
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構造
酸化ニッケル (II) の化学式はNiOです。ニッケルの酸化物には酸化ニッケル (II) の他に、酸化ニッケル (III) や酸化ニッケル (Ⅳ) などが報告されています。その中で酸化ニッケル (II) は、唯一詳細な構造が明らかになっているニッケル酸化物です。
酸化ニッケル (II) は、型の構造を取っています。他の多くの二成分金属酸化物と同様に、しばしば、NiとOの比が1:1から外れた不定比化合物になります。
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合成
酸化ニッケル (II) の合成方法
純度の高い酸化ニッケル (II) は、Ni(OH)2、Ni(NO3)2、NiCO3などのニッケル (II) 化合物を熱分解することで、緑色の粉末であるNiOとして得られます。
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使用上の注意
純度は金属ベースで差数法によって算出したもので、重量又は容量分析等の化学的方法によるものではありません。使用目的により、正確な含量が必要な場合は、それらの方法によって測定する必要があります。
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化学的特性
Nickel(II) oxide is Brownish black or black powder.
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使用
Nickel(II) oxide is used in the preparation of nickel alloys including nickel steel alloys, manufacture of glass and porcelain paints. Further nickel oxide is the main component in nickel-iron battery (Edison battery), nickel-cadmium rechargeable battery, and also used in ceramic industry for making frits and porcelain glazes. It also acts as a hydrogenation catalyst. NiO/CNTs (nickel oxide/carbon nanotubes) could be a potential cathode catalyst for oxygen reduction reaction (ORR) in microbial fuel cells (MFCs). It is blended with other high purity oxides and used in a variety of semiconductor applications such as thermistors and varistors.
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製造方法
Nickel oxide is prepared by heating pure nickel powder with oxygen at a temperature above 400°C. In some commercial processes, green nickel oxide is made by heating a mixture of nickel powder and water in air at 1,000°C. Adding some nickel oxide to the above mixture enhances the rate of reaction. An alternative method of preparation of the green oxide involves thermal decomposition of an oxo acid salt of nickel at elevated temperatures. Thus, nickel nitrate, nickel sulfate or, more conveniently, nickel carbonate when heated at 1,000°C, yields the green oxide. The black oxide, on the other hand, is produced at a lower temperature from incomplete calcination of the carbonate or nitrate salt at 600°C. The oxygen content of the black form is slight-ly greater than its green counterpart.
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反応性
Nickel(II) oxide is insoluble in water but soluble in acids as long as it has not been
ignited at a high temperature (under these latter conditions it is converted into grey-black
octahedra having a metallic lustre). It reacts reversibly with hydrogen, the reaction
NiO+H2 ? Ni+H20
proceeding from left to right at relatively low temperatures in a stream of hydrogen.
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一般的な説明
Nickel(II) oxide (NiO) is a metal oxide based nanomaterial with a good semiconducting property. Nanosized nickel oxide can be found in a variety of morphologies which include nanoflowers, spheres, wires, and tubes. It exhibits high performance in applications which require charge transfer and charge transport based processes. It can be prepared by a variety of physical and thermal methods such as sol-gel, hydrothermal and solvothermal techniques.
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危険性
Confirmed carcinogen.
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使用用途
ニッケルの持っている触媒としての活性を用いて、酸化ニッケルは広く利用されています。具体的には、油脂やその他有機化合物の水素添加触媒としてです。その理由として、水素によって酸化ニッケルが還元され、生成した微粒子状のニッケルの触媒作用が高いことが挙げられます。
さらに、酸化ニッケルは、電子管・特殊鋼の添加剤としての利用以外に、・P型半導体・といった電子材料の原料にも使われています。酸化ニッケルはや陶磁器などの窯業分野で、着色剤として早くから使われていました。
その他、酸化ニッケルは、などに使用されるニッケル塩の原料としても利用されています。
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安全性プロファイル
Confirmed carcinogen
with experimental carcinogenic and
tumorigenic data. Poison by intratracheal,
intravenous, and subcutaneous routes.
Mutation data reported. Can react violently
with fluorine, hydrogen peroxide, hydrogen
sulfide, iodine, barium oxide + air. See also
NICKEL COMPOUNDS.
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参考文献
C.J. Ksanda, Am. J. Sci., 22, 131 (1931), DOI: 10.2475/ajs.s5-22.128.131.