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外観
白色~褐色, 粉末
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性質
1. 化学的性質
オキサロ酢酸はカルボキシル基とケトン基を含むジカルボン酸であり、酸性を示します。強酸性であり、水溶液中でのpHは比較的低くなります。また、オキサロ酢酸は不安定であり、空気中で酸化されることがあります。
2. 生化学的性質
オキサロ酢酸はクエン酸回路において酸素を受け取ることでクエン酸に変換されます。また、アミノ酸の分解によっても生成され、アミノ基を持つ分子と反応してを生成することがあります。
3.生物学的役割
細胞内で代謝反応において重要な役割を果たしています。クエン酸回路において、酸素を受け取りエネルギー生産の過程に関与します。また、アミノ酸の代謝や、糖質の代謝など様々な化学反応にも関与します。
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溶解性
エタノールに可溶, ベンゼン, クロロホルムに不溶。水及びエタノールに溶ける。
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解説
オキサロ酢酸,ケト酸の一種で,ケト形とエノール形の互変異性体がある.リンゴ酸を過マンガン酸カリウムあるいは硫酸鉄(Ⅱ)の存在下,過酸化水素で酸化するか,ジアセチル酒石酸無水物をピリジン酢酸塩で処理してヒドロキシマレイン酸無水物のピリジン塩をつくり,これを硫酸で加水分解すると得られる.結晶では完全にエノール形をしており,融点152 ℃ のシス形と184 ℃ のトランス形の2種類があり,いずれもエタノールに可溶.
森北出版「化学辞典(第2版)
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製造
シス形はヒドロキシマレイン酸(a),トランス形はヒドロキシフマル酸(b)に相当する.(b)は,ピリジン中50 ℃ で加温すると(a)に異性化する.生体系では,クエン酸サイクルのなかでリンゴ酸脱水素酵素によりリンゴ酸から生成し,アセチルCoAと反応してクエン酸を生成する.
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説明
Oxaloacetic acid is an α-keto acid and a key component of cellular metabolism in its conjugate base form, oxaloacetate. Oxaloacetate reacts with acetyl-coenzyme A (acetyl-CoA; ) and water to form citrate in the first step of the citric acid cycle and is regenerated by oxidation of L-malate in the final step. It is an intermediate in gluconeogenesis that is formed in mitochondria via carboxylation of pyruvate and subsequently decarboxylated and phosphorylated to form phosphoenolpyruvate. It can be converted to aspartate via addition of an amino group from glutamate. Oxaloacetate (30 μmol/min per 100 g for 30 minutes, i.v.) reduces blood glutamate levels, severity of neurological dysfunction, and brain edema in a rat model of closed head injury.
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化学的特性
off-white crystals
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使用
A four carbon dicarboxylic acid that is an intermediate in the citric acid cycle and glucogenesis. It has been shown to inhibit succinate dehydrogenase.
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定義
ChEBI: An oxodicarboxylic acid that is succinic acid bearing a single oxo group.
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一般的な説明
Oxaloacetic acid is a dicarboxylic acid. It is an intermediate in the citric acid cycle. It is highly soluble in water and is present ubiquitously. It is produced in the mitochondria by the action of pyruvate carboxylase on pyruvate. Breakdown products of oxaloacetate includes malate, pyruvate and aspartic acid.
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使用上の注意
オキサロ酢酸を取り扱う際は、危険物取扱者の安全衛生責任者が必須です。使用前には、安全衛生データシート (SDS) を確認し、眼や皮膚に万が一触れた場合は水洗いして医師の診察を受けます。
保管する際は火気や高温を避け、密閉容器に保管します。また、強い酸性を示し、アルカリ性の物質と反応すると発熱することがあるため、アルカリ性物質との混合は避けることが大切です。
オキサロ酢酸を摂取すると消化器系や腎臓に悪影響を及ぼすことがあるため、絶対に口にしないでください。過剰な吸入や摂取、皮膚への吸収などにより呼吸困難やめまい、吐き気、頭痛、意識障害などの症状を引き起こすことがあります。使用後は、手洗いをし、衣服の洗浄を行います。廃棄物は適切な方法で処理することが必要です。
参考文献
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/970
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法規情報
消防法は危険物第4類、労働安全衛生法は第2特定化学物質、毒物及び劇物取締法では劇物に分類されます。
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使用用途
1. 医薬品
医薬品の原料として広く使用され、高血圧治療薬や抗てんかん薬にオキサロ酢酸が含まれていることがあります。オキサロ酢酸を体内に補充することで、肝機能障害や腎臓病などの疾患治療に役立つことが報告されています。また、抗酸化作用や抗がん作用もあるとされ、がん治療の補助的な治療薬として研究が進んでいます。
2. 化学反応の触媒
有機合成の反応において、アルキル化やアセトアセチル化などの反応触媒として使用されます。
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純化方法
Crystallise it from boiling EtOAc, or from hot Me2CO/hot *C6H6. [Beilstein 3 IV 1808.]