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外観
無色~わずかにうすい黄色, 澄明の液体
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性質
塩化オキサリルの融点は-12℃、沸点は65℃、密度は1.48g/mLです。エーテル、、に溶けますが、水とは激しく反応し、塩化水素を発生します。
加熱によりとに分解する塩素化剤でもあります。吸入による毒性がありますが、関連化合物であるホスゲンと比べると1桁以上急性毒性は低いです。
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溶解性
アセトンに極めて溶けやすく、水及びエタノールと反応して分解する。
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反応
塩化オキサリルは、水と反応して、塩化水素、二酸化炭素、および一酸化炭素などのガス状生成物のみを放出します。
(COCl)2 + H2O → 2HCl + CO2 + CO)
これは、元のカルボン酸を形成しながら加水分解する他の塩化アシルの特徴とは異なります。塩化オキサリルとDMSOを含む溶液をでクエンチすると、アルコールを対応するアルデヒドとケトンに変換可能です (Swern酸化)。
また、の存在下で芳香族化合物と反応し、対応する塩化アシルを生成します (フリーデルクラフツアシル化)。他の酸塩化物と同様、アルコールと反応するとエステルが発生します。
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解説
オキサリルクロリド無色,刺激臭のある発煙性液体.融点-12 ℃,沸点64 ℃.エーテル,ベンゼン,クロロホルムに可溶.加熱によりホスゲンと一酸化炭素に分解する.塩素化剤.
森北出版「化学辞典(第2版)
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用途
有機合成原料(塩素化剤)。
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用途
塩化オキサリル(えんかオキサリル, oxalyl chloride)は構造式 (COCl)2で表される化合物である。シュウ酸の2つのカルボン酸がカルボン酸塩化物となった構造を持つ、無色の液体である。有機合成化学においてよく用いられる[1]。シュウ酸を五塩化リンで処理すると得られる[2]。
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製法
無水シュウ酸にを処理することによって製造できます。商業的には、エチレンカーボネートを塩素化して得られる四塩化物を分解させて製造しています。
C2H4O2CO + 4Cl2 → C2Cl4O2CO + 4HCl
C2Cl4O2CO → C2O2Cl2 + COCl2
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製造
オキサリルクロリド,二塩化オキサリルともいう.無水シュウ酸に五塩化リンを作用させてつくる.
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使用上の注意
アルゴン封入
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化学的特性
colourless liquid with a pungent odour
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使用
Oxalyl Chloride is used in the preparation of cardiolipin analogs which induce peroxidase activity by Cytochrome C. It is also used in the preparation of fluorescent indicators for cytosolic calcium.
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主な応用
Oxalyl chloride is used in organic synthesis. It may be used in the following processes:
Unncatalyzed reaction of silyl ketene acetals with oxalyl chloride yeilds symmetrical pulvinic acids.
Catalytic syntheses of N-heterocyclic ynones and ynediones by in situ activation of carboxylic acids with oxalyl chloride.
Oxalyl chloride was reportedly used in the first synthesis of dioxane tetraketone.
Preparation of Mosher′s acid chloride by reacting with Mosher′s acid in the presence of DMF.
Activation of dimethyl sulfoxide for use in the oxidation of long-chain alcohols to carbonyls.
Activation of α-keto carboxylic acids and N-heterocyclic carboxylic acids for alkynylation to form ynediones and N-heterocyclic ynones, respectively.
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調製方法
Oxalyl Chloride is produced by the reaction of anhydrous oxalic acid and phosphorus pentachloride.
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反応性
Oxalyl Chloride vigorously reacts with water, alcohols, and amines, and is employed for the synthesis of agrochemicals, pharmaceuticals, and fine chemicals.
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一般的な説明
Oxalyl chloride is a commonly used chlorinating reagent that can be prepared by the reaction of oxalic acid and phosphorus pentachloride.
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法規情報
労働安全衛生法や化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)、毒物及び劇物取締法、消防法などいずれの主要な法令においても指定がありません。
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使用用途
塩化オキサリルは、と同じ様になどの揮発性の生成物を発生し、塩化チオニルなどに比べて比較的マイルドで、より選択性のある試薬です。対応するカルボン酸から塩化アシルを調製するための有機合成においては、微量のジメチルホルムアミドを触媒として加えることが多いです 。
RCOOH + (COCl)2 → RCOCl + CO2 + CO
塩化オキサリルは、酸塩化物の合成、芳香族化合物のアシル化、ジエステルの合成、アルコールの酸化に必要な薬剤です。特に、芳香族化合物のアシル化の反応は、フリーデル・クラフツ反応として知られており、得られた塩化アシルを加水分解することで、カルボン酸が得られます。また、アルコールと反応するとエステルを与えることが出来ます。
2RCH2OH + (COCl)2 → RCH2OC(O)C(O)OCH2R + 2HCl
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取扱いおよび保管上の注意
取扱い及び保管上の注意は、下記の通りです。
- 保管容器は不活性ガスを封入し、冷蔵庫 (2~10℃) で保管する。
- 耐腐食性の素材、あるいは耐腐食性の内張りのある容器に保管する。
- 屋外や換気の良い区域のみで使用する。
- 使用時は保護手袋、保護眼鏡、保護衣、保護面を着用する。
- 激しく反応するため、強酸化剤、アルコール類、金属類および水との接触を避ける。
- 取扱い後はよく手を洗浄する。
- 吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させる。
- 皮膚に付着した場合は、すぐに多量の水と石鹸で洗い流す。
- 眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗い、直ちに医師の手当てを受ける。
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安全性プロファイル
Poison. Violently decomposed by water and alcohol. Severe irritant to skin, eyes, respiratory tract. Explodeson contact with dimethyl sulfoxide. Forms shock-sensitive explosive mixtures with potassium or with K-Na alloy. Will react with water or steam to