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外観
白色の結晶
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種類
しゅう酸二水和物は、主に研究開発用試薬や工業用薬品などの製品があります。研究開発用試薬では、25g , 100g , 500g , 2.5kgなどの種類があり、実験室で取り扱いやすい容量で提供されています。室温保管可能な試薬製品です。
工業用薬品としては、20kgなどの工場で取り扱いやすい大型容量で販売されています。金属表面処理剤、医薬中間体原料などの用途が主流とされる製品です。
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溶解性
水及びエタノール(99.5)に溶けやすく,ジエチルエーテルに溶けにくい。
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解説
しゅう酸二水和物 (Oxalic Acid Dihydrate)とは、C2H2O4·2H2Oで表される有機化合物です。
ジカルボン酸である (Oxalic Acid, C2H2O4) の水和物を指します。CAS番号は6153-56-6です。分子量126.07、融点104〜106℃であり、常温では白色の結晶または結晶性粉末です。水及びに溶けやすく、に溶けにくい化合物です。
しゅう酸は吸湿性があるため、湿気を含んだ空気中に放置することで二水和物の状態になります。また、水溶液からも二水和物が析出します。
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用途
汎用試薬、還元剤、漂白剤、化合物の精製。
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用途
二酸化硫黄自動分析機中のカラム充填剤。
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用途
食品: 水飴ぶどう糖の製造、植物油の精製。
金属処理: 化学研磨?ピックリング(酸洗浄)、車両?船舶洗浄、ラジエーター洗浄(除錆?脱スケール効果)、
ステンレス鋼の冷間引抜用潤滑剤、アルマイト製造、稀土類の精製。
医薬品 :持続性サルファ剤?シュウ酸セリウム?アミノ酸製剤?α-ケト酸等の製造。
繊維?皮革: 染料?色素の製造、染色用、漂白剤、皮なめし。
環境 :メッキ混合スラッジの処理、消臭剤(対アミン?アンモニア系物質)、排水処理用脱水機フィルター洗浄。
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用途
汎用試薬、還元剤。
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化学的特性
white crystals
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使用
Oxalic acid dihydrate is a purifying agent in pharmaceutical industry, special in antibiotic medication, such as Oxytetracycline , Chloramphenicol , etc; * Precipitating agent in Rare-earth mineral processing; * Bleaching agent in the textile activities, wood pulp bleaching; * Rust-remover for Metal treatment; * Grinding agent, such as Marble polishing; * Waste water treatment, removing calcium from water.
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一般的な説明
Oxalic acid dihydrate (OAD) crystals are reported to be monoclinic with P21/n space group. The electron density of OAD has been obtained using X-ray diffraction studies under high resolution.
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反応プロフィール
At high temperatures oxalic acid decomposes, producing toxic carbon monoxide, andformic acid. Mixing with warm sulfuric acidmay produce the same products: CO2, CO,and formic acid. It reacts with many silvercompounds, forming explosive silver oxalate(NFPA 1986). An explosion occurred whenwater was added to an oxalic acid/sodiumchlorite mixture in a stainless steel beaker.There was also evolution of highly toxicchlorine dioxide gas (MCA 1962). Oxalicacid reacts violently with strong oxidizingsubstances.
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健康ハザード
Oxalic acid is a strong poison. The toxicsymptoms from ingestion include vomiting, diarrhea, and severe gastrointestinaldisorder, renal damage, shock, convulsions,and coma. Death may result from cardiovascular collapse. The toxicity arises asoxalic acid reacts with calcium in the tissuesto form calcium oxalate, thereby upsettingthe calcium/potassium ratio (ACGIH 1986).Deposition of oxalates in the kidney tubulesmay result in kidney damage (Hodgson et al.1988).
Oxalic acid may be absorbed into the bodythrough skin contact. It is corrosive to theskin and eyes, producing burns. Dilute solutions of 10% strength may be a mild irritantto human skin. However, the inhalation toxicity is low because of its low vapor pressure.Airborne dusts can produce eyeburn and irritation of the respiratory tract.
LD50 value, oral (rats): 375 mg/kg.
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製造と合成
しゅう酸二水和物の製造と合成
図2. しゅう酸二水和物の合成
しゅう酸は植物に多く含まれており、命名の由来にもなっています。工業的には、木片をアルカリ処理したのち、抽出することで製造されています。
しゅう酸は吸湿性を持ち、湿気を含んだ空気中に放置すると二水和物となる物質です。水溶液からも二水和物の状態で析出します。
代表的な合成方法は、以下の通りです。
- ギ酸ナトリウムを加熱分解してを合成し、を用いてとして単離した後、で分解する方法
- およびを二クロム酸カリウムなどで酸化する方法
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しゅう酸と健康
しゅう酸と健康
しゅう酸には、カルシウムイオンと強く結合する性質 (劇性) があります。生体の血液中に入ると、とシュウ酸塩を形成して生体が利用可能なカルシウムの量を減らしてしまい、血液の凝集凝固作用を阻害するとされます。また、過剰摂取は一部の結石の原因になると考えられている物質です。
ホウレン草や生姜など、一部の野菜にはしゅう酸が含まれていますが、水溶性であるため、調理で茹でると減少させることが可能です。また、カルシウムを同時に摂取するとシュウ酸がカルシウムと腸内で結合してシュウ酸塩となるため、体内に吸収されにくくなるとされています。
これらの作用のため、毒物及び劇物取締法では「劇物」に指定されており、労働安全衛生法では「名称等を表示すべき危険物及び有害物」に指定されている物質です。
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使用用途
しゅう酸二水和物の使用用途として、化学分野では主に試薬、金属表面処理剤、還元剤、医薬品の中間体原料が挙げられます。具体的な使用例は、持続性サルファ剤や、シュウ酸セリウム、アミノ酸製剤、α-ケト酸などの製造です。還元性があるため、還元滴定にも用いることができます。
また、食品添加物としても認められている化合物です。ただし、食品添加物として用いる場合は最終製品からしゅう酸を取り除くことが条件となっています。具体例は、水飴ぶどう糖の製造や、植物油の精製などです。
それ以外の用途には、染料原料や漂白剤などの用途があり、幅広く利用されています。
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特徴
図1. 還元剤としてのしゅう酸二水和物
しゅう酸二水和物は、五酸化二リンを入れた中に入れる、もしくは100℃ に加熱することにより無水物となります。カルボキシル基を2つ持つ2価のカルボン酸であり、水溶液中では電離して酸として作用する物質です。
酸解離定数pKaは 1.27、 4.27です。また、還元剤としての性質があるため、分析化学においては酸化還元滴定における一次標準物質として用いられます。
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純化方法
Crystallise oxalic acid from distilled water. Dry it in a vacuum over H2SO4. The anhydrous acid can be obtained by drying at 100o overnight. [Beilstein 2 IV 1819.]
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Structure and conformation
The dihydrate H2C2O 4·2H2O has space group C52h–P21/n, with lattice parameters a = 611.9 pm, b = 360.7 pm, c = 1205.7 pm, β = 106°19′, Z = 2. The main inter-atomic distances are: C-C 153 pm, C-O1 129 pm, C-O2 119 pm. In theory, oxalic acid dihydrate is one of the very few crystalline substances that exhibit negative area compressibility. Namely, when subjected to isotropic tension stress (negative pressure), the a and c lattice parameters increase as the stress decreases from -1.17? to -0.12 GPa and from -1.17 to -0.51 GPa, respectively.