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多糖

加水分解して複数の単糖分子又はその誘導体を生成する糖はいずれも多糖である。それは20個から1万個以上の単糖分子が縮合、脱水を経て生成した高分子化合物である。多糖は一種の単糖の縮合によって生成することができ,例えばデンプン、セルロース等はホモ多糖と呼ばされる;異なる単糖又はその誘導体の縮合によって生成することもでき,例えばヘミセルロース等はヘテロ多糖と呼ばされる。自然界中の植物、動物、微生物はいずれも多糖を含有する。多糖は遊離状態で存在する以外に,タンパク質と結合して存在することもできる。植物多糖の共通点は天然性、健康価値及び独特な水溶性コロイドの特性を有するため,食品に高い栄養価値、穏やかかつおいしい組織構造、精緻な外観及び特殊な食感を与え,それに貯蔵寿命を延長するということである。天然の植物多糖は人体にとって安全であり,その吸収率、利用率がより高い。水溶性植物多糖は,極めて良好な健康価値を有し,例えばこんにゃく中のグルコマンナンは,これまで見出された水和粘度が最も高い可溶性食物繊維であり,満腹、血中脂質を低下させ、血糖を低減しかつ便通を良くする等の健康機能を備える。植物多糖はカロリーを提供しないが,高カロリー、高脂肪、高タンパクの食事構造に対して,営業をバランスする役割を有する。親水性の植物多糖は,一般的に植物ガムと呼ばされる。それらは親水性コロイドの特性を有するため,食品生産と加工に増粘剤、ゲル剤(賦形剤)、被膜剤、乳化剤等の多くの食品用安定剤を提供する。多糖を効果的に開発し、利用するのは,人間の生活の質を向上させ,健康レベルを改善し,食料資源を豊かにするということに役立ち,また世界の食品産業に経済的な価値を創造する。 デンプンは植物体内に貯留される多糖であり,二つの部分によって構成され,即ちアミロースとアミロペクチン。デンプン粒子中で,アミロースは一般的に20~28%のみを占め,残りはアミロペクチンである。アミロースは250から300個のDグルコース分子がα 1,4グルコシド結合で連結して線状になり,そして巻回して螺旋状になり,それは一つの非還元末端及び一つの還元末端を有する。アミロースの分子量は数千から150 000まで,大きく異なる;ヨウ素と反応して青色を呈し,これはアミロースが水に懸濁する時に,その螺旋状の巻回し部の内部がヨウ素分子(I2)に占められるからである。 アミロペクチンは24から30個のDグルコース分子がα1,4グルコシド結合で短鎖を形成するだけでなく,α1,6グルコシド結合で短鎖を連結してブッシュ状のような構造を形成する。動物の消化管中のαアミラーゼ(唾液と膵液に存在する)は自由にα1,4グルコシド結合に作用することができ,線状のアミロースを加水分解し,マルトースとブドウ糖を生成する。植物中のβアミラーゼはアミロースの非還元末端に作用し,マルトースを生成する。アミロペクチンもαとβアミラーゼに作用できるが,分岐点に近いα1,4グルコシド結合及びα1,6グルコシド結合自身はこれらの酵素によって加水分解されない。αアミラーゼ及び1,6グルコシダーゼの協働作用で,アミロペクチンは完全に加水分解されてブドウ糖とマルトースを生成することができる。 アガロースは寒天の重要な構成要素であり,Dガラクトースと3,6脱水ガラクトースによって形成される単位であり,繰り返し縮合してなるリニア多糖である。アガロースは多量に沸騰水に溶解することができるが,温度が40℃以下に下がる時に,不溶性ゲルになる。この種類のアガロースゲルもクロマトグラフィーを行う時によく用いられる担持体の一種であり,しかしそれは配位結合ではなく水素結合でガラクトースの多糖鎖を連結して構成され,そのため過酸性又はアルカリ性環境で不安定である。