体液は一般的に細胞膜を境に，細胞内液と細胞外液に分けられ，細胞外液は毛細血管を境に，血漿と細胞間液に分けられる。成人の正常な体液の総量は体重の６０％を占め，そのうち細胞内液は４０％を占め，血漿は５％を占め，細胞間液は１５％を占める。
体液中の溶質は電解質と非電解質という二種類に分けられる。非電解質はグルコースと尿素等を含有し，電解質は主にNa+、K+、Ca2+、Mg2+等の陽イオン，及びCl-、HCO3-、HPO42-等の陰イオンを有する。細胞内外部の電解質の分布は大きな差異があり，細胞外液は血漿を代表とし，そのうち主な陽イオンがNa+であり，主な陰イオンがCl-であり，次にHCO3-であり，細胞内液の陽イオンはK+を主とし，次にMg2+であり，それに対して陰イオンはHPO42-とタンパク質を主とし，細胞膜におけるNa+—K+ATP酵素は，Na+を引き続き細胞外部へ排出し，K+を細胞内部に吸い込み，同時にATPによってエネルギーを提供する。
Na+が体液内に入った後に１時間をかけて細胞内外部でバランスを実現することができ，全身において２４時間をかけてバランスを実現する；それに対してK+は１５時間をかけなければ細胞内外部でバランスを実現することができず，患者はそのバランスを実現する時間がさらに長い：例えば心臓病患者は４５時間以上をかけてバランスを実現することができる。またK+はグリコーゲン及びタンパク質の合成に伴って細胞に入り，逆に細胞から逃がす。そのため，臨床で一回測定したカリウム値は体内のその時の含有量を正確に反応することができない。カリウムは細胞内で回復が遅く，一般的に４～６日でバランスを実現することができ，重症患者は１０～２０日さらにそれ以上かかないと，細胞内のカリウム不足を改善することができず，そのためカリウムを補充する時に遅い、薄い、少ないという原則に従わなければならない。
　体液中の水分の分布を決定する主な要因は体液の浸透圧である。浸透圧は溶液中の電解質及び非電解質等の溶質粒子が水分への吸引力である。正常な血漿と細胞の浸透圧はほぼ等しく，280～320mmol/Lであり，一般的に浸透圧と血漿の浸透圧が等しい溶液は等張溶液と呼ばされ，この範囲より少ない又は多い溶液は，低張又は高張液と呼ばされる。水分は細胞膜を貫通して低張から高張へ流れる。水分と電解質の乱れはまず細胞外液の浸透圧と容積に影響を及ばし，そのため臨床において一般的にカリウムの濃度によって体液の浸透圧と体積を変化させ且つそれらの変化を計算する。例えば等張性脱水（脱水）とはカリウムと水分のバランスが崩れるということである；低張性脱水とはカリウムの流失量が水分より多いということである。高張性脱水とは水分の流失量がカリウムより多いということである。

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