現在ウイルス感染症は世界で発症率が最も高い疾病であり，約６０％以上の伝染病はウイルスで引き起こされ，それに新しいウイルスは絶えず発見され，伝染性が高く、死亡率が高いという特点を有し，人間の健康に深刻な害を引き起こす。抗ウイルス療法はウイルス感染症の根本的な治療方法である。急性感染症に対して，症状の緩和と治療のコースの短縮に役立つ。慢性感染症に対して，例えばエイズ、B型肝炎、C型肝炎等，抗ウイルスは治療の本質である。ウイルスによって引き起こした疾病が異なるため，異なった抗ウイルス薬を使用して治療する必要がある。数年間に遺伝子工学及び化学合成による抗ウイルス薬の発展に従って，臨床使用されているウイルス感染を制御する薬物に多くの選択と機会を提供するが，現在すでに確認された臨床的価値のある抗ウイルス薬は数少なく，薬物適応症も非常に限られる。特にある慢性ウイルス感染症を根本的に治療することが困難である。ウイルスは偏性細胞内寄生体であり，その増殖は宿主の細胞の生合成に依存し，あるウイルスの核酸は宿主の細胞の遺伝子内に直接に統合する。そのため，ウイルスの特点に基づいて抗ウイルス薬を選択し，抗ウイルスの治療ガイドラインを作成する必要がある。抗ウイルス薬は細胞内外部のウイルスを選択的に破棄し又は阻害する薬物を選択すべきであり，細胞，少なくとも非感染細胞に致死損傷の影響を及ばすことがない。そのため細胞内のウイルスを抑制し，臨床における抗ウイルス効果に達すると同時に，宿主の細胞代謝に悪影響を与えないことは困難である。また，抗ウイルス薬は非感染細胞を保護し且つ感染の初期に明らかな病変がない時にその治療効果が良く，通常ウイルス感染症は特異性に乏しく，早期に診断されにくいため，ウイルス感染は臨床症状が生じた時に，体内のウイルスの増殖はすでにある程度に達する。例えばインフルエンザとB型脳炎は臨床症状が生じた時に，大量のウイルスはすでに感染した細胞内で増殖し且つ放出され，身体は今ウイルス血症期又はウイルス血症の後期にあり，すでに組織傷害を引き起こし，この時に効果的なウイルスを使用して抑制すべきであり，ウイルスのさらに増殖と拡散を制御する可能性があるが，往々として既に“手遅れ”であり，決定的な治療の作用を果たすことができない。ウイルスに起因する症候群は非常に一般的であり，それに良性であり又は自己制限性を有するため，治療指数（有効性と毒性の比）の極めて高い薬物のみは受け入れられる。そのため安全で効果的で，選択性が強く、使いやすい抗ウイルス薬を精力的に開発し又は研究することは今まで難作業となっている。

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