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β-ラクタマーゼ阻害剤

β-ラクタマーゼ阻害剤であって,β-ラクタマーゼの活性を抑制し,β-ラクタマーゼを加水分解から回避し又は低減する物質であり,β-ラクタム系抗生物質とともに使用すれば,耐性菌を抑制し,抗菌スペクトルを広めかつ抗菌活性を補強することができる。β-ラクタマーゼ阻害剤はその役割によって,競合阻害剤及び非競合阻害剤に分けられる。 競合阻害剤は可逆的な競合阻害剤と不可逆的な競合阻害剤に分けられる。①可逆的な競合阻害剤:阻害剤とβ-ラクタマーゼはβ-ラクタマーゼの活性部位を競い合うが,化学的相互作用が発生せず,阻害剤を除去すれば,酵素は再び役割を果たし,例えばCL-オキサシリン(cl-oxacillin)とジクロキサシリン(dicloxacillin)等。②不可逆的な競合阻害剤:阻害剤と酵素との間に不可逆的な化学反応が発生し,酵素の活性を失わさせ,残した阻害剤を除去しても、新しい酵素を生成することができず,例えばクラブラン酸とスルバクタム等。  非競合阻害剤は基質としての競合酵素の触媒部位ではなく,触媒部位から離れる部位で酵素と結合し,酵素異常が生じてその役割を果たさなくなり,例えばメチシリン(methicillin)。濃度が低い場合に非競合阻害剤であり,濃度が高い場合に非競合阻害剤である。