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末梢血管拡張薬

末梢血管を拡張する作用のある薬物である。末梢血管拡張薬(peripheral vasodilators)とも呼ばされる。これまで臨床で使用されている末梢血管拡張薬は様々であり,まとめて2種類に分けられる。一つは直接に血管平滑筋を緩めさせる薬物であり,すなわち直接血管拡張薬であり,例えばヒドララジン、ニトロプルシドナトリウム及び硝酸エステル類等。もう一つは異なるメカニズムによって,最終的に血管拡張を実現する薬物であり,α-アドレナリン受容体遮断薬、カルシウム拮抗薬及びアンジオテンシン変換酵素阻害薬を含む。
それらは従来から高血圧等の複数の心血管疾患の治療に用いられるとともに,現在急性、慢性心不全の治療にも用いられる。何故ならこの種類の薬物が細静脈を拡張し,心臓に戻る血液量を低減し,心室充満圧を低下させて心前負荷を軽減することができる;それに小動脈を拡張し,末梢血管抵抗を低減し,心室から血液を噴出する抵抗を低下させて心後負荷を軽減することができる;また心前負荷と心後負荷を軽減することにより,心室筋の張力を低減し,心筋酸素の需給バランスを改善する等の有益な作用を有するからである。そのため血管拡張薬を利用して心筋梗塞、高血圧性心疾患又は開心術後に引き起こした急性左心不全と肺水腫を治療すれば顕著な効果を取得することができ,慢性鬱血性心不全,特にジギタリス中毒及びジギタリスと利尿薬を使っても好ましい効果を取得できない難治性心不全に対してもかなりの緩和効果を有する。臨床実践によって,適量の血管拡張薬は,動脈圧を変化せず又は軽く低下させ、心拍数の変化も小さい。しかしその用量は多すぎる場合に,重症低血圧を引き起こす可能性があるため,使用時に低用量から始め,それに心拍数と血圧を厳重に監視したほうがよく,ある場合に肺毛細血管楔入圧を監視してもよい。長期にわたって使用すればすぐに止めることができず,再発を引き起こしやすいからである。