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鎮痛剤

鎮痛薬は痛覚閾値を引き上げ且つ痛みを緩和することができる薬物であり,その作用強度によって二種類に分けられる。一つは弱い鎮痛剤であり,それは軽い鎮痛効果を有し,かつ解熱、抗炎症効果を有し,臨床麻酔分野であまり使わない。もう一つは強力な鎮痛剤であり,強い鎮痛効果を有するが,解熱、抗炎症効果がなく,麻酔分野で重要な補助薬である。両者はいずれも中枢神経系に作用するため,麻薬性鎮痛薬とも呼ばされ,即ちモルヒネ及びモルヒネ系薬物であり,天然のアヘン、半合成され又は人工的に合成されたモルヒネと類似する薬物を含む。ペンタゾシンの以外に,このような薬物はいずれも依存性を有し,そのため厳密に管理する必要がある。その作用は痛覚を選択的に抑制し,痛みの感じと反応を軽減し,痛覚閾値を引き上げると同時に,他の感覚(触覚、光覚と聴覚)に影響を及ばさない。鎮痛薬の作用部位はまだ合意を形成しなく,一般的にそれは主に視床下部、大脳辺縁系に作用し,かつ脊髄反射を抑制し,中枢と末梢けいれんを解消するという作用があると考えられる。中国の研究によりモルヒネの鎮痛作用部位は束傍核の神経元にある可能性がある。1973年以来脳内にモルヒネ受容体があり,それに体内にモルヒネ様物質を生成することもでき,それはモルヒネ受容体と結合して鎮痛作用を発生させるということは既に認められる。このような内因性物質はエンドルフィン(Endorphin)と呼ばされる。受容体の分布はほぼエンドルフィンの分布と平行するため,測定した脳内の各部位のエンドルフィンの濃度により,受容体の多くは大脳辺縁系と線条体に分布しており,白質と小脳に分布する受容体は最も少ない。長期にわたってモルヒネ様薬物を使用すればフィードバックメカニズムが発生し,すなわちモルヒネ様薬物は受容体を占有して内因性モルヒネ様合成物を抑制することができる。モルヒネ系薬物を食べないと,“エンドルフィン”不足状況が現れ,離脱症候群が生じやすく,例えば散瞳、発汗、頻脈、体温の上昇、悪心、嘔吐、下痢、脱水症、不眠及びミオクローヌス等の症状が発生するが,死亡を引き起こすおそれがない。バービタル、アルコール及び他の睡眠薬はいずれも離脱症候群を軽減することができない。異なった麻薬性鎮痛薬との間には交差耐薬品性と依存性を有する。