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グリシン誘導体

その学名はアミノ酢酸である。最も簡単であり,かつ光学異性体を備えない唯一のα-アミノ酸である。1820年化学者H・ブラーノノットは塩酸でゼラチンを処理する時に甘い味のする物質を取得し,彼は最初に糖類化合物と考えられるが,研究により窒素とカルボキシル基を同時に含有する化合物であり,かつそれを使ってアンモニアガスを製造することができる。グリシンに名付けられる。通常四辺形柱状を呈し,無色でかつ単斜晶であり,その密度が1.1607グラム/センチ3であり,融点が232~236℃(分解)であり,水に溶解することができ,エーテルなどの有機溶媒に溶けない。甘い味があり,中性アミノ酸であり,等電点が5.97であり,pHが6である。水溶液中でニンヒドリンによって酸化されてホルムアルデヒドを生成し,強酸又は強塩基に溶解でき,両性を呈し,アルコールを利用して沈殿しかつ析出することができ,一般的にα-ハロゲン化酸を濃アンモニア水と反応させて調製する。 グリシンは動物の体内に多くの重要な化合物の合成に関与し,アンモニア、ギ酸、二酸化炭素とともにプリン系物質を生成することができる;コハク酸とともにポルフィリン系物質を合成することができる。クレアチン、グリココール酸、グルタチオン等を合成する原料の一種である。人体中で解毒の役割を果たし,例えば芳香性物質等が人体に入った後に,グリシンはそれらと合成して毒性のない物質を生成し,そして肝臓の酸化を経て体外に排出する。例えば安息香酸(防腐剤)と反応して馬尿酸を生成して体外に排出する。ヒドロキシメチル化酵素の触媒によってセリンを生成する。近年グリシンはまたアミノ酸系農薬として用いられ,1万平方メートル[15ムー(1ムー=666.67平方メートル)]当たりのサトウキビ畑は飛行機で2.5キログラムの85%グリシン溶液を散布し,これによりサトウキビの糖分を12.9%引き上げる。1973年ドイツの化学者スミスによって製造されたN-リン酸エステルグリシンは有効な除草剤であり,1万平方メートル当たりに1.5キログラムのN-リン酸エステルグリシンを使って雑草を除去することができる。それにグリシンは抗癌剤の製造に用いられ,例えばグリシンはジアゾ化合物と反応して胃がんを効果的に治療できる一連の抗癌剤を製造する。グリシンはすでに量産することができる。