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定義
本品は、硫酸(*)のマンガン塩であり、次の化学式で表される。
参照表示名称:硫酸
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性質
硫酸マンガン(II)の見た目は薄い赤色で、結晶状または結晶性粉末の固体です。水には溶けやすく、にはほとんど溶けません。潮解性を有し、融点は700°Cで、850°Cで分解します。
温度によって硫酸マンガン(II)は、さまざまな水和物を与えます。280°C以上に熱すると無水物になり、無水物は白色の塊状です。9°C以下では7水和物が、9~26°Cでは5水和物が、26~27°Cで斜方晶系の4水和物が、27°C以上では1水和物が生成します。一般的な市販品は4水和物です。
過マンガン酸カリウムを用いて硫酸マンガン(II)を酸化すると、乾電池の材料で使用される二酸化マンガンが生成します。
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定義
硫酸マンガン(Ⅱ):MnSO4(151.00).二酸化マンガンを希硫酸に溶かして蒸発すると得られる.淡桃色の結晶.蒸発温度により次のように種々の水和物を与える.9 ℃ 以下で七水和物,9~26 ℃ で五水和物,26~27 ℃ で斜方晶系の四水和物,27 ℃ 以上で一水和物.280 ℃ 以上に加熱すると無水物となる.無水物は白色の塊状.密度3.23 g cm-3.融点700 ℃.850 ℃ で分解する.水に易溶,エタノールに可溶.市販品は四水和物が普通である.四水和物は淡桃色の結晶.密度2.11 g cm-3.水に易溶,エタノールに不溶.乾燥剤,窯業用顔料,金属のさび止め,媒染剤,ペイント,排煙脱硫剤,農薬の原料,肥料などに用いられる.[CAS 7785-87-7:MnSO4][CAS 10034-96-5:MnSO4・H2O][CAS 10101-68-5:MnSO4・4H2O][CAS 15244-36-7:MnSO4・5H2O]
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解説
マンガンの硫酸塩で,マンガンの酸化数II,III,IVの化合物が知られている。[硫酸マンガン(II)] 化学式MnSO4。無水和物および1,4,5,7水和物が知られている。1および7水和物はそれぞれ天然にスズミカイトszmikiteおよびマラーダイトmallarditeとして産する。無水和物は水和物を280℃に加熱すると得られる。白色塊,斜方晶系。融点700℃。850℃で分解する。比重3.235。水に対する溶解度53g/100g(0℃)。
株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版について 情報
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構造
硫酸マンガン(II)の化学式は、MnSO4で表されます。モル質量は無水物が151.001g/molで、1水和物が169.02g/molであり、4水和物が223.07g/molです。密度は無水物が3.25g/cm3で、1水和物が2.95g/cm3であり、4水和物が2.107g/cm3です。無水物の結晶構造は斜方晶系であり、1水和物と4水和物の結晶構造は単斜晶系を取っています。
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合成
と金属マンガンが反応すると、水素が発生して、硫酸マンガン(II)が生成します。通常マンガン鉱石を精製する場合にも、硫酸で処理して硫酸マンガン水溶液にして精製します。
硫酸と水酸化マンガンからも、水とともに硫酸マンガン(II)を合成可能です。実験室では、二酸化硫黄と二酸化マンガンの反応でも得られます。
さらに硫酸マンガン(II)は、酸化剤に二酸化マンガンを用いたヒドロキノンやアニスアルデヒドの製造などの工業プロセスで、副産物としても生じます。
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化粧品の成分用途
皮膚コンディショニング剤
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説明
A pale pink, granular, odorless powder. It is freely soluble in water
and is insoluble in alcohol.
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化学的特性
Translucent, pale-rose-red, efflorescent
prisms. Soluble in water; insoluble in
alcohol.
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使用
Supplement
(trace mineral).
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定義
ChEBI: A metal sulfate in which the metal component is manganese in the +2 oxidation state.
Also known as manganous sulfate, MnS04,4H20 is water-soluble, translucent, efflorescent rose-red prisms which melt at 30°C. It is used in medicine,textile printing,and ceramics,as a fungicide and fertilizer, and in paint manufacture.
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使用用途
硫酸マンガンは、工業分野や農業分野の製品原料として幅広く使用されています。
工業分野では、金属マンガンやマンガン化合物の原料として使われています。塗料または印刷用インクの乾燥剤の原料として用いられるほか、金属の錆を防ぐための錆止め剤、窯業用顔料 (窯業製品の着色剤) にも使用可能です。
農業分野では、が植物の生育に必要な微量元素の一つです。肥料に硫酸マンガンを添加し、植物の光合成の働きを促進させて発育を補助するために使用されています。
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安全性プロファイル
Poison by
intraperitoneal route. Questionable
carcinogen with experimental neoplas tigenic
data. An experimental teratogen.
Experimental reproductive effects. Mutation
data reported. When heated to
decomposition it emits toxic fumes of SO2,
so3, and Mn oxides. See also
MANGANESE COMPOUNDS and
SULFATES.
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合成
In the laboratory, manganese sulfate can be prepared by reacting manganese dioxide with sulfur dioxide. It can also be produced by mixing potassium permanganate with sodium bisulfate and hydrogen peroxide. Manganese sulfate is a by-product of several industrially significant oxidation reactions that utilize MnO2, including the production of hydroquinone and anisaldehyde.
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特徴
硫酸マンガン(III)の化学式は、Mn2(SO4)3で表されます。分子量は398.07g/mol、密度は3.24g/cm3で、暗緑色の粉末です。160°C以上で分解します。
濃硫酸に酸化マンガン(IV)の1水和物または過マンガン酸カリウムを溶解させると、硫酸マンガン(III)を生成可能です。Mn2(SO4)3・H2SO4・H2Oを加熱しても得られます。水に溶けると赤色の溶液になり、加水分解によってMn(OH)3が沈殿します。