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外観
青色の粉末
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種類
岩群青と呼ばれるものもあり、こちらも顔料として使用されています。天然では藍銅鉱 (アズライト) として産出します。塩基性炭酸銅が主成分で、化学式は2CuCO3・Cu(OH)2です。比重は3.88の青色粉末で、希酸や水には溶けますが、水には溶けません。
同じく塩基性炭酸銅である孔雀石 (マカライト) との混合物として採掘されることが多いため、精製の困難さから比較的高価な顔料です。孔雀石は、化学式CuCO3・Cu(OH)2で表され、緑色を呈する、比重3.85、単斜晶系の粉末です。酸やアンモニア水には溶けますが、水やには溶けません。
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性質
群青は青色の粉末で、水やアルコールにはほとんど溶けません。空気中では、約300℃まで安定です。酸に対して不安定で、が発生して分解して退色しますが、塩基や硫化ガスに対しては比較的安定です。
アルミノシリケートの格子内に、ナトリウムイオンと硫黄のラジカル陰イオンが対として存在する構造を取ります。群青の深い青色は、結晶格子内に存在する酸化数の異なるラジカル陰イオン、S3-やS2-の光吸収に起因します。
人工の群青は、ケイ酸アルミニウムナトリウムとの複塩であり、その組成式は、Na10Al6Si6O24・Na4S2です。天然のものと比べ、やや赤みを感じる青色を呈します。色は焼成条件により変化しますが、結晶構造は常に立方晶を示します。なお、消防法や毒物及び劇物取締法などの国内法令には該当しません。
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定義
本品は、複合スルホケイ酸アルミニウムナトリウムであり、組成により様々な色調を呈する。
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溶解性
水、アルコールには溶けない。アルカリには安定であるが酸には非常に弱い。
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解説
ウルトラマリン, 絵具の色名の一つ。中世頃から,天然鉱石のラピス・ラズリを粉砕してつくった青色顔料。天然のものは中央アジア,中近東に産し,ヨーロッパではきわめて高価であった。 1824年フランス政府はこれに代る人工顔料の発明を奨励し,26年 J.ギメーが,続いて L.グメリンらが合成法を案出した。人工のものの組成はケイ酸アルミニウムナトリウムと硫化ナトリウムの複塩 Na10Al6Si6O24・Na4S2 で,やや赤みを感じる青色を呈する。同じ組成でも処理法によって色相のやや異なるものもつくりうる。油絵具としては普通ライトとディープがある。透明性も被覆力もあり,酸には弱いがアルカリや硫化ガスに対しては安定している。群青(ぐんじよう)ともいい,紺青(こんじよう)(プルシアンブルー)とともに代表的な青色無機顔料である。光,熱,溶媒,アルカリに対して強いが,紺青と対照的に酸に対して弱くH2Sを発生して分解退色する。カオリン,ソーダ灰,硫黄,木炭または石炭(還元剤)をるつぼに入れ,密閉して750~850℃に40~50時間加熱して製造する。
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用途
水性塗料, 印刷インキ, 絵の具などに使用される。
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化粧品の成分用途
着色剤
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主な用途/役割
青色用無機系着色剤。
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化学的特性
solid
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使用
Pigment Blue 29 can be used in colorant for machinery and toy enamels, white baking enamels, printing inks, rubber products, soaps and laundry blues, cosmetics, textile printing.
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使用用途
群青は高彩度の美しい青色を活かし、顔料として使用されることが一般的です。紺青と共に、水性塗料や印刷インキ、絵の具などに配合される青色無機顔料として多用されてきました。天然の群青はとても高価であったため、ルネッサンス期のヨーロッパの芸術家たちは、聖マリアやキリストのローブでのみこの顔料を使用していました。
現在では、天然顔料はほとんど生産されておらず、合成顔料が大半です。純粋なウルトラマリンの他に、ウルトラマリンバイオレットやウルトラマリンレッド、ウルトラマリンピンクなど、さまざまな色調のウルトラマリンが販売されています。
合成製造物は非常に安価なため、紙やゴム、プラスチックの着色・青みづけ、または壁紙や更紗の染色など、様々な分野の量産製品に使われます。群青は安全性も高く、化粧品にも使用できる塗料です。また、合成ウルトラマリン溶液であるランドリーブルーは、白い服の洗濯洗剤として用いられます。
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取り扱い及び保管上の注意
取り扱い時の対策
強酸化剤は混触危険物質です。取り扱い時や保管時に、近づけないでください。
火災の場合
熱分解で、一酸化炭素や二酸化炭素、硫黄酸化物 (SOx) 、金属酸化物を放出するおそれがあります。消火には、水噴霧や二酸化炭素、泡、粉末消火剤、消火砂を使用してください。
保管する場合
ポリエチレン製容器に密閉し、直射日光を避け、換気の良いなるべく涼しい場所に保管してください。
参考文献
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製造方法
中世ごろから、ラピスラズリという天然鉱石を粉砕して作られていました。天然のものは、中央アジアや中近東で産出されます。
群青は、合成によっても製造可能です。カオリンと珪藻土、ソーダ灰、硫黄に、還元剤として木炭または石灰を加え、るつぼに密閉します。750〜850℃の高温で40〜50時間加熱した後、副生成物のを水洗いにより取り除くことで得られます。