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外観
白色〜わずかにうすい褐色, 結晶性粉末〜粉末
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性質
ヒポキサンチンは、プリン塩基のうちの1つです。プリン塩基は、デオキシリボ核酸 (DNA) およびリボ核酸 (RNA) の構成要素で、遺伝情報の伝達に重要な役割を果たします。ヒポキサンチンは、アデニンとグアニンの代謝中間体でもあります。
無色の結晶性固体で、室温で安定です。水やアルコールに溶けにくいですが、弱酸性やアルカリ性の溶液にはやや溶けやすくなります。酸化還元反応に関与し、ヒポキサンチンがキサンチン酸化酵素によって酸化されることでキサンチンが、さらに酸化されることで尿酸が生成されます。
生物学的に重要な物質であり、細胞内でのエネルギー代謝や脱アミノ化反応、さらには抗がん剤の標的としての役割を果たしています。
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溶解性
熱水, 希塩酸, 希アンモニア水に微溶。冷水に難溶。 (0.07g/dl at5℃)。熱水、希塩酸及び希アンモニア水にわずかに溶け、冷水にほとんど溶けない。
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解説
ヒポキサンチン,遊離の形で動物,植物界に広く存在する.ヌクレオシド(イノシン)として筋肉や多くのtRNA中にも存在する.針状晶.分解点150 ℃.pKb 8.7.λmax 249.5(ε 10.7×103,pH 6).両性物質で温水に微溶,酸やアルカリの水溶液に可溶.化学的には,シアノ酢酸エチルとチオ尿素から出発し,6-アミノ-4-ヒドロキシ-2-メルカプトピリミジンを経て合成され,種々のプリン誘導体やそれらのヌクレオシド類の合成に用いられる.生体内ではアデニンの脱アミノやイノシンの加リン酸分解によって生成され,キサンチンオキシダーゼの作用を受け,キサンチンを経て尿酸にまで酸化される.
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用途
同調培養用試薬。
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構造
ヒポキサンチンはプリン類の1つであり、ピリミジン環とイミダゾール環が融合した二環式構造 (プリン環) を持っています。分子式はC5H4N4Oで、分子量は136.112です。
ヒポキサンチンは、アデニンとグアニンの代謝中間体であり、細胞内でのエネルギー代謝や脱アミノ化反応に関与します。また、RNA中では、チミンと塩基対を形成し、脱アミノ化アデニンとして働くことがあります。この性質は、遺伝子の編集や修復に関与する酵素に利用されます。
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使用上の注意
不活性ガス封入
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説明
Hypoxanthine is a naturally occurring purine derivative and intermediate in the synthesis of uric acid. It is elevated in the spinal fluid of patients with Lesch-Nyhan syndrome, a metabolic disorder whose symptoms include cerebral palsy, cognitive deficits, motor dysfunction, self-mutilation, and hyperuricemia. Injection of hypoxanthine (10 μM) increases succinate dehydrogenase and complex II activities and decreases cytochrome c oxidase activity, resulting in neuroenergetic impairment, ATP depletion, and cellular apoptosis in rat striatum. It is also used to induce hyperuricemia in mice for use in the development of hypouricemic agents.
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化学的特性
White to off-white powder
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使用
A naturally occurring purine derivative. Pharmaceuticals, Intermediates & Fine Chemicals
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定義
ChEBI: A purine nucleobase that consists of purine bearing an oxo substituent at position 6.
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一般的な説明
Hypoxanthine (6-hydroxypurine), a purine derivative is a naturally occurring compound. It is the deaminated form of adenine and a breakdown product of adenosine monophosphate (AMP).
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使用用途
ヒポキサンチンは、主に研究用途に用いられます。また、DNAやRNAの構造や機能の研究、細胞・組織培養にも有用です。
特定の細胞株の成長を促進するために、培地にヒポキサンチンを添加することがあります。例として、マラリア原虫の培養が挙げられ、核酸合成とエネルギー代謝のためにヒポキサンチンのを添加します。
そのほか、医薬品の研究や開発において、標的となる酵素や受容体との相互作用の研究に使用されることがあります。
抗ガン剤の研究にも用いられており、細胞の増殖を阻害する薬物の開発に役立ちます。
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生物的合成
細胞の代謝経路において、イノシン酸 (IMP) がキサンチン酸化酵素によって酸化されると、ヒポキサンチンが生成されます。
これを利用し、遺伝子を組み替えた大腸菌などを用いて培養し、適切に生成を行うことでヒポキサンチンを生産することが可能です。この方法では純度が高いヒポキサンチンを得られますが、大規模な生産にはコストがかかることが欠点です。
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化学的合成
ヒポキサンチンの化学的合成には、いくつかの方法が存在します。そのうちの1つは、グアニンを出発物質として用いる方法です。
適切な酸化剤を用いてグアニンを脱アミノ化することによりヒポキサンチンを合成することができますが、生成物の収率や純度に課題があり、現在のところ工業的には用いられていません。
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安全性プロファイル
Moderately toxic by
intraperitoneal route. An experimental
teratogen. When heated to decomposition it
emits toxic fumes of Nox
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純化方法
Crystallise it from hot water and dry it at 105o. [Beilstein 26 II 252, 26 III/IV 2081.]