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外観
白色~ほとんど白色, 結晶性粉末~粉末
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性質
イノシンは生化学的に言うと、RNA中にまれに存在する微量塩基の一種です。しばしばtRNAに含まれ、特にアンチコドン部位に存在する場合にはmRNAに対してゆらぎ塩基としての作用が知られています。
これは、イノシンが持つヒポキサンチン部位が、複数の種類の核酸塩基 (、、) と水素結合により会合して塩基対を形成できることに由来します。イノシンでは生体内では特に筋肉に多く含まれている物質です。
また、イノシンを希硫酸中で加熱すると、加水分解を受けてヒポキサンチンとD-リボースに変わることが知られています。基本的には安定な化合物ですが、保管条件においては直射日光や高温、強酸化剤との混触は避けるべき物質です。有害な分解生成物として、、、窒素酸化物などが挙げられます。
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溶解性
水に溶ける。
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解説
イノシン,アデノシンに亜硝酸を作用させて簡単に合成することができる.無色の結晶.分解点218 ℃.[α]D-49°(水).pK1 1.5,pK2 8.85,pK3 12.5.λmax 248 nm(ε 12.2×103,pH 2).白血球減少症に用いる.
森北出版「化学辞典(第2版)
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用途
核酸関連研究用。
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用途
肉類などの中に存在する天然化合物である。
イノシンが細胞中に取り込まれると ATPサイクルを活発化させることから、臨床的根拠がないにもかかわらずスポーツ選手の持久力を高める効果が期待された。そのため、イノシンは健康食品(サプリメント)の成分として市場に流通している。
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合成
図2アデノシンからのイノシンの合成
イノシンは、に脱アミノ化酵素 (アデノシンデアミナーゼ) を作用させる発酵法により、得ることができます。また、アデノシンと亜硝酸を反応させることにより6位のアミノ基がジアゾ化され、その部位が酸素で置換されたイノシンを合成することが可能です。
また、イノシンはイノシン酸の分解合成によっても生成します。
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製造
イノシン,略称Ino.プリンヌクレオシドの一種.生体内,とくに筋肉中に多量に存在する.転移リボ核酸の微量成分としても含まれている.
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効能
免疫賦活薬
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毒性
LD50 3000 mg/kg(マウス,静注).
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化学的特性
White crystalline powder
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天然物の起源
Inosine is a synthetic
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使用
Inosine has been used:
- as a medium supplement in nucleotide rescue experiments in pancreatic cancer cell lines.
- as a component in holidic (synthetic) medium and in larval two-choice preference assay.
- as a reference standard in mass spectroscopy.
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定義
ChEBI: A purine nucleoside in which hypoxanthine is attached to ribofuranose via a beta-N9-glycosidic bond.
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一般的な説明
Inosine is a non-canonical nucleotide majorly present as monophosphate. It has ability to base pair with deoxythymidine, deoxyadenosine and deoxyguanosine. Incorporation of inosine in place of guanine modulates translational events. Inosine has antioxidant, anti-inflammatory and neuroprotective functionality. Inosine is prescribed as a therapeutic supplement for nerve injury, inflammation and oxidative stress. It modulates biological processes through adenosine receptors. Its enhances neurite outgrowth in depressive disorders via adenosine receptors. Inosine is also used for treating sepsis in infections.
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イノシンの種類
一般に販売されているイノシンの製品の種類には、前述の医薬品やサプリメントなどの他、研究開発用の試薬製品があります。
試薬製品としての容量の種類には、1g , 5g , 10g , 25g , 100g , 500gなどがあり、実験室で取り扱いやすい容量で提供されています。室温での取り扱いが可能です。研究分野では主に脂質・糖・核酸、ヌクレオシド関連研究に用いられます。
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使用用途
イノシンは、リン酸化誘導体であるイノシン酸が筋肉中に多量に存在することから医療関係への応用、さらにうま味成分の一つとされていることから飲食関連への利用も活発です。
イノシンは、放射線曝射ないし薬物による白血球減少症や、亜急性硬化性全脳炎患者における生存期間の延長、などに効能のある医薬品として承認され、使用されています。
また、他の用途の一つはサプリメントです。細胞中に取り込まれるとATPサイクルを活発化させることから持久力向上効果が期待され、製品化されています。
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概要
おもに真核細胞のtRNAのアンチコドン第一字目に存在.“wobble 塩基”としてコドンの第三字目のA,U,Cと塩基対を形成し得る.アデノシンの脱アミノ化反応で得られる
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純化方法
(-)-Inosine forms anhydrous crystals from aqueous 80% EtOH but the dihydrate from H2O. [Beilstein 31 H 25, 26 III/IV 2087.]