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外観
白色〜ほとんど白色, 結晶〜結晶性粉末
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性質
スクシンイミドは無色で結晶性の固体であり、比重は約1.563g/cm³です。融点は122-124℃であり、この温度で加熱すると溶融しますが、さらに加熱すると加水分解が起こります。
水に溶解しやすく、アセトン、エタノール、ジメチルフォルアミドなどの極性の高い有機溶媒にも溶けやすいです。スクシンイミドは、環状イミド構造を持つため、他のカルボン酸類とは異なる特異な反応性を示すことがあります。
例えば、アミノ酸やペプチドのカルボキシル基を活性化させることが可能で、アミノ酸解析やペプチド合成において重要な役割を果たします。
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溶解性
水及びアセトンに溶けやすく、エタノールに溶ける。
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解説
スクシンイミド,コハク酸イミドともいう.コハク酸をアンモニア気流中で加熱するか,コハク酸ジアンモニウムを乾留すると得られる.融点125~127 ℃,沸点287~289 ℃(一部分解).密度1.41 g cm-3.エーテル,クロロホルムに難溶.エタノールから再結晶したものは板状結晶で1分子の水和水をもつ.イミド基NHの水素は容易に金属と置換し,N-金属塩をつくる.スクシンイミドは亜鉛末蒸留でピロールを,エタノールと金属ナトリウムで処理するとピロリジンを与える.また,スクシンイミドの銀塩にハロゲン化アルキルを作用させると,N-アルキル誘導体が得られる.
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用途
様々な有機合成、工業的には銀メッキの製造に使われる。
強塩基性条件下で臭素と混合すると、臭素化剤として多用されるN-ブロモスクシンイミドが生成する。
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構造
スクシンイミドは、カルボニル基とイミド基を有する5員環からなる環状構造をしています。隣接するカルボニル基とイミド基の間には共鳴構造が存在するため、スクシンイミドは比較的安定な化合物です。
これにより、スクシンイミドは一般的なカルボン酸とは異なる特異な反応性を示すことがあります。
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効能
尿路結石治療薬 (腎臓結石)
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化学的特性
white crystalline powder
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使用
Succinimide is used in organic syntheses and in industrial silver plating processes. It is a reagent that is used in the synthesis of Lumiflavin (L473900), which is a toxic photolysis product of vitamin B2 (R415000). Further, it is used to form covalent bonds between proteins, peptides and plastics. In addition to this, it is used as an important raw material for the synthesis of heterocyclic compounds through N-acyliminium cyclizations.
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定義
ChEBI: Succinimide is a dicarboximide that is pyrrolidine which is substituted by oxo groups at positions 2 and 5. It is a pyrrolidinone and a dicarboximide.
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製造方法
To a flask equipped with a dropping funnel, mechanical stirrer, and a 40 cm long side arm of not less than 10 mm inside diameter is added 236 gm (2.0 mole) of succinic acid. The flask is cooled and 270 ml (4.0 moles) of 28% aqueous ammonia is slowly added with stirring. The flask is rapidly heated with an oil bath until 200 ml of water distils. The temperature of the bath is rapidly raised to 275°C. Succinimide starts to distil over the range 275-289°C, to afford 168 gm of crude product which solidifies on cooling. The intermediate fraction, boiling between 102° and 275°C, is redistilled to afford 10.0 gm of crude succinimide, b.p. 275-289°C. The combined product (178 gm) is added to 178 gm of hot ethanol. The solution is cooled, the crystals filtered, washed with 25 ml of cold ethanol, and dried to afford 163-164 gm (82-83%), m.p. 123-125°C. Approximately 4-5 gm of additional product may be obtained by concentrating the mother liquor.
Recent Japanese patents suggested inert aprotic solvents such as cyclic amides (e.g., N-methylpyrrolidone, N-acetyl-2-pyrrolidone, DMF, or tet-ramethylurea) and azeotroping solvents (e.g., toluene, 0-xylene, hexane, or pentane) or other high-boiling solvents (e.g., chlorobenzene or chlo-rotoluene) as dehydrating agents for the formation of imides from dibasic acids (e.g., 3- and/or 4) hydroxyphthalic acid with a large variety of diamines including diaminosiloxanes such as bis (3-aminopropyl)-tetra-methylsiloxane.
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使用用途
スクシンイミドは、さまざまな用途で利用されています。
1. 銀メッキの製造
スクシンイミドは、銀メッキの製造に用いられます。銀メッキの製造では、スクシンイミドが銀イオンと錯体を形成し、プラスチックやガラスなどの基材に銀の薄膜を均一に成長させる役割を果たします。
2. 臭素化剤原料
スクシンイミドは、多様な有機合成反応において重要な中間体として利用されています。その顕著な例が、N-ブロモスクシンイミドの生成です。
スクシンイミドに次亜臭素酸を作用させるとイミド基の水素原子が臭素原子に置換され、N-ブロモスクシンイミド (NBS) が合成されます。N-ブロモスクシンイミドは、有機合成化学において広く用いられる臭素化剤です。
ウォーレン・チーグラー反応によってアリル位やベンジル位を臭素化することができます。この反応によって、有毒な臭素を扱わずに手軽に臭素化を行え、置換基が多く反応性に乏しいアリル位を選択的に臭素化することが可能です。
N-ブロモスクシンイミドは有機合成化学において多くの反応に適用され、合成の効率や選択性を向上させる役割を果たしています。
3. その他
そのほか、スクシンイミドは触媒や環状ポリマーの合成にも利用される事例があります。触媒合成では、スクシンイミドが金属イオンと錯体を形成し、触媒の構造や活性を調整する役割を果たします。
環状ポリマーの合成では、スクシンイミドがモノマーと反応し、環状構造を持つ高分子を生成するための中間体として利用されます。
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製造方法
スクシンイミドの製造方法には、以下のような主要な手法があります。
1. コハク酸ジアンモニウム塩の乾留
まず、コハク酸とアンモニウム塩 (塩化アンモニウムなど)を反応させて、コハク酸のジアンモニウム塩を生成します。次に、このジアンモニウム塩を乾留することで、スクシンイミドが生成されます。
この方法では、比較的簡便かつ高収率でスクシンイミドを得ることができます。
2. コハク酸をアンモニア中で加熱する方法
この方法では、コハク酸をアンモニアガス存在下で加熱します。アンモニアガスとコハク酸の反応によってイミド化が進行し、スクシンイミドが生成されます。
この方法は、比較的温和な条件でスクシンイミドを合成できる点が利点ですが、収率が低く、工業的にはあまり利用されません。
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純化方法
Crystallise the imide from EtOH (1mL/g) or water. [Beilstein 21 H 369, 21/9 V 438.]