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外観
白色~わずかにうすい黄色, 結晶~粉末
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性質
化学式はC8H5NO2で表され、分子量は147.13です。CAS番号は85-41-6で登録されています。
融点は233〜237 °Cです。昇華性を持ち、常温で固体です。溶液に溶け、水や、にはほとんど溶けません。
酸性・アルカリ性の程度を表すpHは3.8 (0.6 g/L、H₂O) 、酸解離定数 (pKa) は8.3です。酸解離定数とは、酸の強さを定量的に表すための指標の1つです。pKa が小さいほど、強い酸であることを示します。
イミド窒素は、窒素原子に求電子性のカルボニル基が2つ直接結合しているため、酸性度はアルキルアミン化合物よりも低くなり、酸性を示します。
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溶解性
水酸化ナトリウム溶液に溶け、水、エタノール及びアセトンにほとんど溶けない。
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発見
フタルイミドは,これとハロゲン化アルキルとを反応させてから加水分解すると,第一アミンが合成できる。この反応は1887年にドイツのガブリエルSiegmund Gabrielが見いだしたもので,第一アミンのガブリエル合成,またはガブリエル反応とよばれる。
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解説
1,2-benzenedicarboximide.C8H5NO2(147.13).フタルイミドは,無水フタル酸をアンモニアあるいは炭酸アンモニウムなどと加熱して,イミド化によってつくられる.また,フタルアミドやフタル酸アンモニウムから脱水によっても得られる.昇華性針状晶.融点233~235 ℃.熱酢酸,アルカリ水溶液などに可溶,ベンゼン,エタノールなどに難溶.难溶于水,但溶于热乙醇(乙醇)。它具有弱酸性,以盐的形式很好地溶解在碱性水溶液中。NHの水素はプロトン性が強く,容易にN-アルカリ金属塩をつくる.これにハロゲン化アルキルを反応させると,種々のN-アルキル誘導体をつくることができ,このことは第一級アミンの合成に利用される.酰亚胺基的氢原子在乙醇中与氢氧化钾反应,被取代生成邻苯二甲酰亚胺钾。由卤代烷作用产生的N-烷基邻苯二甲酰亚胺可水解合成伯胺(加布里埃尔合成)。また,次亜塩素酸を作用させると,ベックマン転位反応によりアントラニル酸になる.染料,顔料の原料として用いられる.森北出版「化学辞典(第2版)
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製造法
フタルイミドは、をや、水酸化アンモニウム、尿素などと加熱し、イミド化することで得られます。
また、フタルアミドやフタル酸アンモニウムの脱水でも合成可能です。水中または酢酸中で再結晶により精製できます。
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用途
フタル酸類は合成樹脂のモノマーとして利用されたり、特にエステル体の一部は、熱可塑性樹脂の可塑剤として30%?70%w/wほど添加される。
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用途
合成インジゴ、殺菌剤
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用途
有機合成原料。
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化学的特性
white to slightly yellowish crystalline flakes
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定義
ChEBI: A dicarboximide that is 2,3-dihydro-1H-isoindole substituted by oxo groups at positions 1 and 3.
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一般的な説明
White to light tan powder. Slightly acidic.
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空気と水の反応
Insoluble in water.
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反応プロフィール
O-Phthalimide is an imide. Amides/imides react with azo and diazo compounds to generate toxic gases. Flammable gases are formed by the reaction of organic amides/imides with strong reducing agents. Amides are very weak bases (weaker than water). Imides are less basic yet and in fact react with strong bases to form salts. That is, they can react as acids. Mixing amides with dehydrating agents such as P2O5 or SOCl2 generates the corresponding nitrile. The combustion of these compounds generates mixed oxides of nitrogen (NOx). O-Phthalimide forms salts with bases.
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健康ハザード
ACUTE/CHRONIC HAZARDS: When heated to decomposition O-Phthalimide emits toxic fumes of nitrogen oxides.
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火災危険
Literature sources indicate that O-Phthalimide is combustible.
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使用と保管
取り扱う場合の対策
強酸化剤との接触は避けてください。局所排気装置内で使用してください。使用の際は、個人用保護具を着用します。
火災の場合
熱分解により、一酸化炭素や二酸化炭素、窒素酸化物を放出する恐れがあります。消火には水スプレーや粉末消火剤、泡消火剤、二酸化炭素消火剤、消化砂などを使用します。
皮膚に付着した場合
必ず白衣や作業着などの保護衣や保護手袋を着用し、皮膚が暴露しないようにして、皮膚に付着しないよう注意します。
皮膚に付着してしまった場合は、石けんと大量の水で洗い流します。皮膚刺激が続く場合は、医師の診断を受けてください。
眼に入った場合
必ず保護メガネやゴーグルなどを着用してください。万が一眼に入った場合は、水でしっかりと洗います。コンタクトレンズを使用している場合、可能なら外します。直ちに、医師に相談してください。
保管する場合
フタルイミドは、光により変質する恐れがあります。遮光性のガラス製容器に入れて密閉し、直射日光を避け、換気が良好な涼しい場所に施錠して保管してください。
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使用用途
フタルイミドは、有機合成原料として用いられています。
その他、アミノ酸やフタロシアニン色素などの合成中間体として用いられたり、殺菌剤や酸化反応、光反応の阻害剤としても使用されます。
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安全性プロファイル
Moderately toxic by
intraperitoneal route. Mildly toxic by
ingestion. An experimental teratogen. Other
experimental reproductive effects. When
heated to decomposition it emits toxic
fumes of NOx.
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概要
フタルイミド (英: Phthalimide) とは、白色〜淡黄色、結晶性粉末のイミド化合物です。
IUPAC名は1H-イソインドール-1,3 (2H) -ジオン (英: 1H-Isoindole-1,3 (2H) -dione) 、別名として1,3-ジオキソイソインドリン (英: 1,3-dioxoisoindoline) とも呼ばれます。
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純化方法
Crystallise the imide from EtOH (20mL/g) (charcoal), or sublime it. For potassium phthalimide see entry in “Metal-organic Compounds”, Chapter 5. [Beilstein 21/10 V 270.]