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外観
白色~ほとんど白色粉末~結晶
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性質
融点は89~91 ℃、沸点は156~158 ℃、白色の板状結晶で、昇華性があります。
水や、、そしてには可溶ですが、エーテルやには難溶です。窒素原子に付いた水素原子はプロトンとして外れやすいため、水溶液は酸性を示します。また、金属と置換してできるテトラゾールの金属塩は、加熱したり、強くたたいたりすると爆発します。
1位の窒素原子に結合したプロトンはpKa = 8.2で、カルボン酸と同程度の酸性を示します。このため、カルボン酸の等価体として用いられることがあります。熱や衝撃により爆発することがあります。
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解説
テトラゾール,(a),(b)の互変異性体があり,溶液で両異性体を分離することはできないが,フェニル置換体では,両異性体を単独に得ることができる.無色の板状結晶.融点156 ℃.水,エタノール,アセトン,酢酸に可溶,エーテル,ベンゼンに難溶.いくぶんの芳香族性をもち,酸化に対して比較的安定である.N原子についたH原子はプロトンとしてとれやすく,水溶液は酸性を示し,また金属と置き換わる.金属置換体は爆発性がある.
森北出版「化学辞典(第2版)
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製造法
シアン化水素 (HCN) とアジ化水素 (HN3) を反応させることにより、製造することができます。
また、テトラゾール誘導体はニトリル (R-C≡N) とアジ化化合物 (-N3を有する化合物の総称) 誘導体の付加環化反応により得られます。
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用途
医薬品構造原料、エアーバッグ用火薬
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製造
テトラゾール,N原子4個とC原子1個からなる複素五員環の名称.アジ化水素HN3と乾いたシアン化水素HCNを縮合させてつくられる.
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化学的特性
white crystals or crystalline powder
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使用
Tetrazole is a catalyst for phosphoramidite synthesis. It is also used as an intermediate for the drug cilostazol. Cilostazol is an antiplatelet drug and a vasodilator. Tetrazole derivatives are used as antibiotics and optically active tetrazole-containing antifungal preparations of azole type was reported.
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製造方法
The first tetrazole synthesis was reported in 1885.
Tetrazole Synthesis: Nano-TiCl4.SiO2 (0.1 g) was added to a mixture of benzonitrile (1 mmol), sodium azide (2 mmol) in DMF (5 mL) at reflux for 2 h. After completion of reaction (as monitored by TLC), the mixture was allowed to cool to room temperature, the catalyst was removed by filtration. Then by adding ice water and 4N HCl (5 mL) to the residue, a white solid was obtained. This was then washed with cold chloroform. This simple procedure yielded pure tetrazole with good yields.
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定義
ChEBI: 1H-tetrazole is a tetrazole tautomer where the proton is located on the 1st position. It is a tetrazole and a one-carbon compound. It is a tautomer of a 2H-tetrazole and a 5H-tetrazole.
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主な応用
1H-Tetrazole is used as a bioisostere for the carboxylate group. It is also used as coupling reagent for preparation of polynucleotides.
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一般的な説明
Tetrazole is an odorless white to light-yellow crystalline powder. Mp:1 55-157°C. When heated to decomposition Tetrazole emits toxic oxides of nitrogen fumes. Can explode if exposed to shock or heat from friction or fire. The primary hazard is from blast effect where the entire load can explode instantaneously and not from flying projectiles and fragments.
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健康ハザード
Fire may produce irritating, corrosive and/or toxic gases.
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火災危険
MAY EXPLODE AND THROW FRAGMENTS 1600 meters (1 MILE) OR MORE IF FIRE REACHES CARGO.
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取り扱い
消防法に定める、第5類アゾ化合物 第1種自己反応性物質に該当します。
湿気と熱を避ける必要があり、保管時には不活性ガスの充填が必要です。熱、火花、裸火のような着火源から遠ざけ、粉砕、衝撃、摩擦が起こる取り扱いをしないよう気を付けて下さい。大量爆発の危険性があります。皮膚と眼に対して刺激があるため、使用時は保護手袋と保護眼鏡を着用するようにします。皮膚に付着したり目に入った場合は、多量の水で注意深く洗い流すようにしましょう。
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使用用途
1. 自動車用エアバッグシステム
テトラゾールの誘導体である5-アミノテトラゾールは、熱や衝撃により多量の窒素ガスを放出することが知られています。このような性質を活かし、自動車用エアバッグシステムのガス発生剤として、毒性や爆発性等種々の問題を持つ系ガス発生剤代替として用いられることがあります。
2. 電子材料分野
電子材料分野では、エッチング用途として用いられています。エッチングとは、化学薬品などの腐食作用を利用した表面加工の技法です。
3. 創薬化学分野
テトラゾールはカルボン酸と同程度の酸性を示しながらも脂溶性が高いという特徴を有しています。そこで、カルボン酸をテトラゾールで置換すれば、同じく脂溶性の生物細胞と相性が良いと考えられ、服用した薬物が全身に循環する割合が向上すると期待できます。このようなことから、セフェム系抗生物質やサルタン系血圧降下剤の構造の一部となっています。
4. その他
その他の用途としては、核酸医薬の分野でも使用されています。核酸合成法の主流であるホスホロアミダイト法 (1980年代に開発) の中で、カップリング反応を行う工程においてテトラゾールは用いられています。
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純化方法
Crystallise the tetrazole from EtOH and sublime it under high vacuum at ca 120o (care should be taken due to possible EXPLOSION). [Beilstein 26 H 346, 26 I 108, 26 II 196, 26 III/IV 1652.]