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外観
白色~淡紅紫色、結晶~結晶性粉末
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性質
システアミンの融点は98℃、沸点は分解するため観測できません。また、システアミンは水への溶解性が高く、メタノールやエタノールに溶かすことができます。
システアミンは医薬品として、アミノ酸システインの酸化二量体であるシスチンの異常な蓄積を特徴とするリソソーム蓄積性疾患である、シスチン症を治療することが示されています。システアミンは徐放性カプセルなどの経口薬および点眼薬として入手可能で、病気を持つ人々の細胞に蓄積する過剰なシスチンを取り除くことができます。
また、生物学的機能として細胞へのL-システインの輸送を促進し、さらにグルタチオンの合成に使用可能です。グルタチオンは、最も強力な細胞内抗酸化物質のうちの1つで、様々な毒物・薬物・伝達物質等を細胞外に排出する性質もあます。
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解説
システアミン (英: Cysteamine) とは、不快臭のある白色の水溶性固体です。
アミンとチオールの両方の官能基を含む有機化合物で、化学式はHSCH2CH2NH2、分子量は77.15、CAS登録番号は60-23-1で表されます。2-アミノエタンチオールとも呼ばれるアミノチオールであり、の分解生成物です。
通常は、塩酸塩 (化学式: HSCH2CH2NH3Cl、CAS登録番号156-57-0) の形で取り扱われます。塩酸塩の外観は、白色~薄褐色の結晶であり、光により変質する恐れがあります。
システアミンは、1950年代にシスチン症に対する治療効果に関する最初の証拠となる報告がなされ、1994年に米国でシスチン症の薬として最初に承認された有機化合物です。
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用途
有機合成原料。
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用途
医薬?農薬?ゴム薬中間体、化粧品(ウエーブ剤)原料
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製法
システアミンの製造方法としては、クロロエチルアミン塩酸塩とメルカプトチアゾリンを反応させて得られた2-(2-アミノエチルチオ)チアゾリン二塩酸塩をで加水分解する方法などが知られています。
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効能
尿路結石治療薬 (システイン結石)
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説明
2-AMINOETHANETHIOL is the chemical compound with the formula HSCH2CH2NH2. It is the simplest stable aminothiol and a degradation product of the amino acid cysteine. It is often used as the hydrochloride salt, HSCH2CH2NH3Cl. The comparatively high melting point of cysteamine (95-97 °C), indicates that exists in a salt form.
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化学的特性
2-AMINOETHANETHIOL is white powder
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使用
antihyperlipidemic, HMGCoA reductase inhibitor
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定義
2-AMINOETHANETHIOL is an amine that consists of an ethane skeleton substituted with a thiol group at C-1 and an amino group at C-2.
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製造方法
Cysteamine can also be prepared by the reaction of ethylenimine with hydrogen sulfide.
(NHCH2CH2) + H2S → HSCH2CH2NH2.
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反応性
2-AMINOETHANETHIOL is used as the hydrochloride salt, as it readily oxidizes to the corresponding disulfide, in the presence of air. The amine portion of the molecule serves as a catalyst for this reaction.
4 HSCH2CH2NH2 + O2 → 2 NH2CH2CH2SSCH2CH2NH2 + 2 H2O.
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取扱いおよび保管上の注意
取扱い及び保管上の注意は、下記の通りです。
- 容器を密栓し、乾燥した冷暗所に保管する。
- 屋外や換気の良い区域のみで使用する。
- 使用時は保護手袋、保護眼鏡、保護衣、保護面を着用する。
- 粉塵を吸い込まないよう、充分注意する。吸入などして気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受ける。
- 取扱い後はよく手を洗浄する。
- 皮膚に付着した場合は、速やかに水で洗い流す。
- 眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗う。
参考文献
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法規情報
システアミンは、労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法などの主要な国内の法規制において、いずれも非該当です。ただし、システアミンは、GHS分類において急性毒性に分類されていますので、取り扱いには注意が必要です。
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使用用途
システアミンの使用用途は、医薬品、放射線治療などです。
1. 医薬品
医薬品としては、シスチン症の治療薬として知られ、これは、システアミンがシスチンのジスルフィド結合に対して作用し、開裂させることができるためです。
2. 放射線治療
放射線治療の用途では、いわゆるラジカルスカベンジャーとして働き、放射線の間接作用によって生じるラジカルの除去に寄与します。
3. パーマ液・美白用化粧品
システアミンの身近な用途として、パーマ液や美白用化粧品が挙げられます。これも毛髪などのシスチン結合に対して、システアミンが還元剤として働くためです。システアミン系の還元剤は、比較的毛髪などへのダメージが少ないといわれていますが、アレルギー性接触皮膚炎を起こしやすい可能性が指摘されており、注意が必要です。
また、システアミンには、ハイドロキノンと同等以上の脱色効果があることが古くから知られていましたが、その化学構造上の特徴から、システアミンは強い還元力を持ち、空気に接触すると直ちに酸化してしまうため、外用剤を製剤化することが困難でした。しかし、システアミン分子を安定化させ、臭気も大幅に抑える技術を開発した結果、商品化に成功しています。
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応用例(製薬)
Under the trade name Cystagon, cysteamine is used in the treatment of disorders of cystine excretion. Cysteamine cleaves the disulfide bond with cystine to produce molecules that can escape the metabolic defect in cystinosis and cystinuria.
It is also used for treatment of radiation sickness.
Cysteamine is used in the body to form the essential biochemical coenzyme A by combining with pantothenate and adenosine triphosphate.
In 2008, Raptor Pharmaceuticals started phase II clinical trials testing a delayed release (DR) preparation of cysteamine bitartrate for Huntington's disease. DR Cysteamine is also being investigated as a treatment for cystinosis, Batten disease, and non-alcoholic steatohepatitis.
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安全性プロファイル
Poison by intravenous, subcutaneous, and intraperitoneal routesModerately toxic by ingestion. Experimental reproductive effects. Mutation data reported. When heated to decomposition it emits very toxic fumes of SO, and NOx,.
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純化方法
It is soluble in H2O giving an alkaline reaction, and it has a disagreeable odour. A likely impurity is the disulfide cystamine which is not soluble in alkaline solution. Under a N2 atmosphere dissolve it in EtOH, evaporate to dryness and wash the white residue with dry pet ether, then sublime it at 0.1mm and store it under N2 at 0-10o in the dark. Its HgCl2 (2:3) complex has m 181-182o (from H2O), and its picrate has m 125-126o. [Mills & Bogert J Am Chem Soc 57 2328 1935, 62 1173 1940, Baddiley & Thain J Chem Soc 800 1952, Shirley Preparation of Organic Intermediates (J. Wiley) Vol 3 189 1951, Barkowski & Hedberg J Am Chem Soc 109 6989 1987, Beilstein 4 IV 1570.]