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ハロゲン化炭化水素

炭化水素系ハロゲン化物はハロゲン化炭化水素と略称し,炭化水素分子中の水素原子がハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)で置換されて生成したものである。炭化水素基によって,脂肪族ハロゲン化炭化水素(飽和と不飽和ハロゲン化炭化水素を含む)、芳香族ハロゲン化炭化水素等に分けられる。分子中に含まれるハロゲン原子の数によって,1価ハロゲン化炭化水素、2価ハロゲン化炭化水素及びポリハロゲン化炭化水素に分けられる。ハロゲン化炭化水素の多くは液体であり,ヨウ化炭化水素、臭素化炭化水素及びポリハロゲン化炭化水素の割合がいずれも1以上である。それらは水に溶けなく,任意の割合で炭化水素に溶解することができ,且つその他の多くの有機物に溶解することもできる。その割合は炭素原子の数の増加に従って低下する。炭化水素基が同じである場合に,ハロゲン化炭化水素の沸点と割合は塩素化炭化水素、臭素化炭化水素、ヨウ化炭化水素の順番に従って徐々に増加する。異性体中で,分枝鎖が多いほど,その沸点は低い。このような物質は,多くが毒性を有し,燃焼することができ,その燃焼性が化合物中のハロゲン原子の数の増加に従って低下する。貯蔵時に,火災危険指数に応じて甲、乙、丙類危険物に分けられて火災管理を行う。発火時に,気体の場合にC類火災として処理し,液体の場合にB類火災として処理し,いずれも防毒を注意すべきである。
天然に存在するハロゲン化炭化水素の数が極めて少なく,多くのハロゲン化炭化水素はアルカンをハロゲン化し,不飽和炭化水素を付加し,アルコールとハロゲン化水素酸が互いに作用する等の方法によって合成される。
ハロゲン化炭化水素の異性体の数は炭化水素より多く,炭素鎖異性体、不飽和結合の位置異性体、シス異性体とトランス異性体、及び光学異性体の他に,ハロゲン原子の位置異性体をさらに有する。ハロゲン化炭化水素に名前を付ける時に,炭化水素を前駆体とし,ハロゲン原子を置換基とし,炭化水素の名前の前にハロゲン原子の位置、数量と名称をマークする。
常温で塩化メチル、臭化メチル、塩化エチル、塩化ビニル等が気体であるが,一般的なハロゲン化炭化水素は液体であり,レベルの高いハロゲン化炭化水素は固体である。ハロゲン化炭化水素は水に溶けなく,複数種の有機溶液に溶解し,且つ複数種の弱極性及び非極性有機物に溶解することができ,一般的な溶剤である。ヨウ化炭化水素、臭素化炭化水素及びポリハロゲン化炭化水素の相対密度はいずれも1以上である。ハロゲン化炭化水素の沸点はハロゲンの原子番号の増加に従って上がる。同じ系列のハロゲン化炭化水素の沸点は炭素鎖の増加に従って上がる。異性体中で,分枝鎖が多いほど,沸点が低い(フルオロアルカンを除く)。
ハロゲン化炭化水素の化学的性質はアルカンより不安定であり,複数種の化学反応を行い,様々なタイプの化合物に変換することができ,有機合成における重要な位置を占める。ハロゲン化炭化水素は用途が広く,溶剤として用いられる以外に,冷媒、消火薬剤、麻酔薬及び防腐剤等に用いることもできる。