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外観
白色~うすい褐色, 結晶~結晶性粉末又は塊
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種類
シクロヘキサノンオキシムは、主に研究開発用試薬製品やファインケミカルなどの製品の種類が存在します。研究開発用試薬製品は、25g、100g、500gなどの容量の種類で提供されています。
ファインケミカルなどの化成品の情報については、製造元への問い合わせが必要です。
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性質
シクロヘキサノンオキシムは、通常の保管条件においては安定な物質です。光により変質するおそれがあるため、高温と直射日光を避けて保管することが求められます。
また、強酸化剤との混触も反応の恐れがあるため、避けることが必要です。想定される危険有害な分解生成物として、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物が挙げられます。
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反応
シクロヘキサノンオキシムを原料とする基本のε-カプロラクタムの合成は、発煙硫酸を用いた反応です。この反応では、反応に使用した硫酸をアンモニアで中和する必要があるため、カプロラクタム 1トンあたり約 1.7 トンの硫酸アンモニウムを副生します。
このため、発煙硫酸を用いない方法が企業・アカデミアで研究されており、報告されています。例えば、住友化学では、ハイシリカMFIゼオライト触媒を用いて気相ベックマン転位を行う合成法が開発され、2003年に工業化されました。
この合成法は、全く硫酸アンモニウムを副生しない触媒的合成法です。それ以外の煙硫酸を使用しない方法では、他の研究チームより、塩化シアヌル触媒によりベックマン転移させてカプロラクタムを得る方法などが報告されています。
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溶解性
水、エタノール及びアセトンに溶ける。
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用途
有機合成原料、樹脂添加剤。
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合成
シクロヘキサノンオキシムは、との縮合反応を用いて合成されています。それ以外に工業的に用いられている合成方法としては、シクロヘキサンと塩化ニトロシル (NOCl) との反応が挙げられます。
この反応ではNOClを用いた光ニトロソ化法によってシクロヘキサンをニトロソベンゼンに変換し、ニトロソベンゼンを水素化させてシクロヘキサンオキシムを得ることが可能です。原料であるシクロヘキサンはシクロヘキサノンよりもはるかに安価であるため、コスト面で優れています。東レによって開発された方法で、通称で東レ法と呼ばれることもあります。
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化学的特性
Cyclohexanone oxime, a white crystalline solid, has a molecular weight of 113.16 and a melting point of 90 C. It is soluble in water and ethanol (Lide, 1992). This colorless solid is an important intermediate in the production of nylon 6, a widely used polymer. Cyclohexanone oxime is produced by the condensation of cyclohexanone with hydroxylamine sulfate or hydroxylamine phosphate (Fisher and Cresentini, 1985).
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使用
Cyclohexanone oxime is used in a wide variety of industrial applications. Primarily, it is used as a captive intermediate in the synthesis of caprolactam, which is polymerized in the production of polycaprolactam (Nylon-6) fibers and plastics (Fisher and Cresentini, 1985; NCI, 1985). The annual U.S. caprolactam production is over 500,000 tons (NCI, 1985). Approximately 90% of the monomer is used to produce fibers for clothing, carpets, home furnishings, and tire cording. The remaining 10% is used to produce nylon resins for food packaging film, extrusion compounds for bristle filaments and wire coatings, and molded plastics for automobiles and appliances (NCI, 1985). Cyclohexanone oxime is also thought to be an intermediate in the oxidative metabolism of sodium cyclamate, an artificial sweetener (Unger and McMahon, 1981).
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一般的な説明
Prisms, liquid or light tan crystalline solid.
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空気と水の反応
Insoluble in water.
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反応プロフィール
Cyclohexanone oxime reacts violently with fuming sulfuric acid at temperatures > 302° F. . Several explosions or violent decompositions have occurred during distillation of aldooximes, which may be attributable to the formation of peroxides of various types. This is especially the case in the presence of acid, Chem. Eng. News, 1974, 52(35), 3. A nickel catalyzed aldoxime rearrangement to an amide, went out of control after changing the solvent employed, J. Loss Prev., 1993, 6(2), 69.
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健康ハザード
ACUTE/CHRONIC HAZARDS: When heated to decomposition Cyclohexanone oxime emits toxic fumes of nitrogen oxides.
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火災危険
Flash point data for Cyclohexanone oxime are not available; however, Cyclohexanone oxime is probably combustible.
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使用用途
シクロヘキサノンオキシムの主要な使用用途は、6-ナイロンの合成中間体であるε-カプロラクタムの合成です。最終目的物である6-ナイロンは、融点225℃、耐熱温度80~140℃の合成繊維です。耐摩耗性、耐衝撃性、耐油性、耐薬品性、ならびに電気特性に優れています。また、同じ合成樹脂の6,6-ナイロンと比較し、染色性に優れていることが特長です。
6-ナイロンは、衣類、カーペット、釣り糸のほか、熱可塑性のとして、機械や電気通信機器、輸送機械などの部品、雑貨、建材、フィルムなどに用いられています。
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概要
シクロヘキサノンオキシム (英: Cyclohexanone oxime) は、 有機化合物の1種で、オキシム基を持つ六員環化合物です。
化学式ではC6H11NOで表されます。CAS登録番号は100-64-1です。分子量は113.16、融点は86〜92℃、沸点は210℃であり、常温では白色から褐色の固体です。水、エタノール、アセトンに溶解します。水への溶解度は16g/kgです。
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純化方法
Crystallise the oxime from water or pet ether (b 60-80o). [Bousquet Org Synth Coll Vol II 313 1943, Beilstein 7 III 32, 7 IV 21.]