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外観
白色~褐色、結晶~粉末又は塊
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性質
トロポロンの融点は50〜52°C、沸点は290°Cであり、引火点は112°Cです。常温常圧で淡黄色の固体です。
有機溶媒に溶けやすく、エーテル、エタノール、ベンゼンなどに溶解します。酸素原子を2個持っているため、さまざまな金属と反応して、キレート塩を形成可能です。
トロポロンの水酸基は弱酸性であり、フェノールと似た性質を示します。酸解離定数 (pKa) は6.89です。塩化鉄により深緑色の呈色反応を示します。
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歴史
代表的な7員環系芳香族化合物の一つ。1935年ころ野副鉄男(のぞえてつお)がタイワンヒノキから発見しヒノキチオールと名づけ、1940年には構造決定もしたが、第二次世界大戦の混乱期のため、その成果が海外に伝えられなかった。その間、同種の研究を進めていたイギリスのデュワーJohn Dewar(1909―1968)が、1945年にトロポロンと命名した。1950年野副鉄男、アメリカのデーリングおよびイギリスのクックが独自に合成に成功した。
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溶解性
水, 多くの有機溶媒に可溶。
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反応
トロポロンは容易にO-アルキル化して、シクロヘプタトリエニル誘導体を生成します。このシクロヘプタトリエニル誘導体は、幅広い用途を持つ合成中間体です。
スルファミン酸、硝酸、臭素によって、トロポロンは親電子置換を受けて、スルホン酸、ニトロ化合物、ブロモ化合物を生成可能です。ジアゾニウム塩では、ジアゾカップリングを起こします。
金属陽イオンによって脱プロトン化されて、Cu(O2C7H5)2錯体のように、二座配位子を形成します。
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解説
2-hydroxytropone.C7H6O2(122.12).トロポンのヒドロキシ誘導体で,非ベンゼノイド芳香族化合物の一つ.トロポンとヒドラジンとから得られる2-アミノトロポンをアルカリで分解するか,シクロヘプタン-1,2-ジオンを臭素化して3-ブロモトロポロンとし,これを還元するなどの方法で合成される.結晶.融点50~51 ℃,沸点70 ℃(267 Pa).UV(シクロヘキサン)λmax 222,232,238,322,340,356,374 nm(log ε 4.37,4.36,4.37,3.84,3.64,3.73,3.74).エーテル,ベンゼン,エタノールなどに易溶.種々の金属と錯体をつくり特有の呈色を示す.トロポロンのカルボニル基とヒドロキシ基は区別できず,トロポロン核は種々の共鳴構造の混成により安定化されているので,七員環であるが芳香族性をもつ.たとえば,硝酸,スルファミン酸,臭素などによって親電子置換を受け,ニトロ化合物,スルホン酸,あるいはブロモ化合物を与える.ジアゾニウム塩はジアゾカップリングを起こす.ヒノキチオールは天然産のトロポロン誘導体である.森北出版「化学辞典(第2版)
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製造法
トロポロンは,無色の柱状結晶。トロポンとヒドラジンとの反応により得られる2-アミノトロポンを加水分解して合成する。ほかにシクロヘプタン-1,2-ジオンの臭素化、脱臭化水素化や、シクロペンタジエンとジクロロケテンの付加体の加水分解による合成法がある。アルカリ塩を与えるとともに、強酸により塩を与える両性物質である。各種金属とキレート塩をつくる。臭素化、ニトロ化、アゾカップリングなどフェノール類に特有な芳香族置換反応を容易に受ける。天然物として存在するコルヒチン、プルプロガリン、スチピタチン酸、ヒノキチオール類にはトロポロン構造が含まれる。スチピタチン酸は特異な抗菌性を示し、またコルヒチンは植物の細胞分裂を抑える作用をもつので、種なしスイカの生産に利用される。[向井利夫]
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用途
キレート試薬、阻害剤。
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構造
トロポロンの化学式はC7H6O2と表されます。モル質量は122.12g/mol、密度は1.1483g/mLです。
α‐トロポロン、β‐トロポロン、γ‐トロポロンの3異性体が存在し、通常はα‐トロポロンのことを指します。7員環構造ですが、芳香族性を有します。酸素原子に負電荷が偏るため、環部分が6π電子系になるためです。
トロポロンのヒドロキシ基とカルボニル基は区別できず、トロポロン核は共鳴構造の混成によって安定化されています。トロポロンの限界構造式は6種類考えられるため、ヒドロキシ基とカルボニル基の性質はほぼ同じです。
ヒノキチオール、コルヒチン、プルプロガリンなど、トロポロンを骨格として持つ天然化合物も存在します。スチピタチン酸は、特異な抗菌性を示します。
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合成
トロポロンの合成法は複数あります。例えば、N-ブロモスクシンイミドを用いて、1,2-シクロヘプタンジオンを臭素化し、高温で脱ハロゲン化水素すると得られます。
また、ピメリン酸ジエチルのアシロイン縮合 (英: acyloin condensation) の後、臭素を用いたアシロインの酸化によっても合成可能です。
さらに、シクロペンタジエンとケテンの[2+2]付加環化によって、ビシクロ[3.2.0]ヘプチルが生じ、加水分解と単環の生成によってトロポロンが得られます。
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化学的特性
White to light yellow crystalline
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使用
Tropolone is a sensitive reagent for reducing sugars. A non-benzenoid aromatic compound, Reagent for the preparation of fused heterocycles and complexes of Ga(III) and In(III).
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使用用途
トロポロンの誘導体として得られるヒノキチオールは、タイワンヒノキや青森ヒバなどのヒノキ科の樹木の精油に含まれています。ヒノキチオールは、大腸菌や黄色ブドウ球菌など幅広い種類の細菌に対して抗菌性を示します。そのため、スキンケア製品やクレンジング製品などに防腐剤として添加可能です。
また、フケが発生する原因となる細菌であるマラセチア菌の生育を、ヒノキチオールが阻害する効果を持つことも報告されています。したがって、シャンプーや頭皮ケア製品に、フケ防止成分として配合されています。
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概要
トロポロンとは、トロポン (英: tropone) の2位がヒドロキシ基に置換された芳香族有機化合物です。
トロポンは2,4,6-シクロヘプタトリエン-1-オン (英: 2,4,6-cycloheptatrien-1-one) とも呼ばれます。トロポンは3つの共役アルケンとカルボニル基を有する、炭素原子7個からなる環で構成される非ベンゼノイド芳香族です。
そして、トロポロンはヒドロキシトロポンや2-ヒドロキシ-2,4,6-シクロヘプタトリエン-1-オンとも呼ばれ、カルボニル基の隣にヒドロキシ基を持っています。なお、労働基準法やPRTR法などの国内法規による指定はありません。
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純化方法
Crystallise tropolone from hexane or pet ether and sublime it at 40o/4mm. Also distil it at high vacuum. [Beilstein 8 IV 159.]
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structure and hydrogen bonding
The tropolone has a simple structure consisting of a seven-membered carbon ring. The pi electrons present in the ring are delocalised. A ketone grouped to the first carbon, and an hydroxyl group attached to the second carbon. Tropolone, C7H6O2, crystallizes in space group P21/c, with a = 7.135, b = 12.178, c = 7.122Å, β = 99.63 ° and Z = 4. The molecule is essentially planar and exhibits slight bond alternation in the seven-membered ring. The hydroxyl group makes a bifurcated hydrogen bond with carbonyl oxygen atoms, of which one branch is intramolecular and the other intermolecular. The latter intermolecular branches form a hydrogen-bonded dimer. These characteristic hydrogen bonds seem to play a role in increasing the contribution from the dipolar ionic forms to the ground state of the tropolone molecule.