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外観
無色~わずかにうすい黄色, 澄明の液体
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種類
シクロペンタノールは、一般的には化学試薬として販売されています。そのため、容量は25g , 5mL , 25mL , 100 mL , 500mLなど、実験室用の少量のものが主に流通しています。常温保存可能な化学薬品です。
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性質
シクロペンタノールの性質
シクロペンタノールは、引火性の液体であり、引火点は51℃です。そのため、熱、火花、裸火、高温のものから離して使用しなければなりません。
また、急性毒性もあるため、取り扱いの際は適切な保護具を必要とします。火災時にも、刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがあります。
労働安全衛生法では、危険物・引火性の物として指定を受け、消防法では第4類 第2石油類非水溶性液体に指定される化合物です。ただし、有機則とPRTR法では特に指定を受けていません。
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溶解性
水に難溶, アルコールに可溶。エタノール及びアセトンに極めて溶けやすく、水に溶ける。
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解説
シクロペンタノール (Cyclopentanol) とは、の水素が一つヒドロキシ基で置換された構造をしている有機化合物です。
環状アルコールの1種にあたります。CAS登録番号は96-41-3です。分子式C5H10O、分子量86.13、融点-19℃、沸点139-140℃です。常温では無色からわずかにうすい黄色の液体となっており、 不快臭を放つとされています。密度は0.949g/mLです。
他の名称には、「シクロペンチルアルコール (Cyclopentyl alcohol) 」「ヒドロキシシクロペンタン (Hydroxycyclopentane) 」などがあります。水には難溶ですが、アルコール、エーテルおよびには極めて容易に溶けます。
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用途
香水や医薬品の中間体溶剤、染料、医薬品などの有機物
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使用
Cyclopentanol is a versatile compound used as a building block, intermediate and solvent.
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定義
ChEBI: Cyclopentanol is the simplest member of the class of cyclopentanols bearing a single hydroxy substituent. The parent of the class of cyclopentanols.
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一般的な説明
A colorless viscous liquid with a pleasant odor. Slightly less dense than water. Flash point 124°F. Vapors heavier than air. Used to make perfumes and pharmaceuticals.
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空気と水の反応
Flammable. Soluble in water.
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反応プロフィール
Cyclopentanol is an alcohol. Flammable and/or toxic gases are generated by the combination of alcohols with alkali metals, nitrides, and strong reducing agents. They react with oxoacids and carboxylic acids to form esters plus water. Oxidizing agents convert them to aldehydes or ketones. Alcohols exhibit both weak acid and weak base behavior. They may initiate the polymerization of isocyanates and epoxides.
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健康ハザード
May cause toxic effects if inhaled or absorbed through skin. Inhalation or contact with material may irritate or burn skin and eyes. Fire will produce irritating, corrosive and/or toxic gases. Vapors may cause dizziness or suffocation. Runoff from fire control or dilution water may cause pollution.
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火災危険
HIGHLY FLAMMABLE: Will be easily ignited by heat, sparks or flames. Vapors may form explosive mixtures with air. Vapors may travel to source of ignition and flash back. Most vapors are heavier than air. They will spread along ground and collect in low or confined areas (sewers, basements, tanks). Vapor explosion hazard indoors, outdoors or in sewers. Runoff to sewer may create fire or explosion hazard. Containers may explode when heated. Many liquids are lighter than water.
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使用用途
図2. シクロペンタノールの酸化によるシクロペンタノンの合成の例
シクロペンタノールの主な用途は、一般的な溶剤、香料調剤用の溶剤、医薬・農薬原料などです。また、シクロペンタノールは、のであり、TEMPOなどの安価な触媒で極めて高選択的にシクロペンタノンを製造することができます。
シクロペンタノンは各種産業用途で利用価値が高い化合物であるため、この変換反応は非常に重要です。例えば、特定フロンや1,1,1-は、金属材料に付着する油の洗浄液として有益ですが、環境に影響があるため、新しい代替洗浄液が必要となっています。
そこで、生分解性が良好であるシクロペンタノンが、近年代替洗浄液として注目を集めています。また、シクロペンタノン (及びその前駆体のシクロペンタノール) は、各種医薬品の合成中間体であるため、合成化学的にも重要な化合物と言えます。