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外観
黄赤色~褐色~濃い紫色粉末~結晶
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定義
本品は、次の化学式で表される芳香族化合物である。
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性質
アズレンは、エタノールおよびアセトンに良く溶けます。一方で、水にはほとんど溶けません。医薬品として使用するためには水溶性であることが重要となるため、医薬品用途では水溶性のアズレン誘導体であるアズレンスルホン酸ナトリウム水和物が良く用いられます。
また、アズレンは医薬品や日用品にも用いられる成分です。人体への危険有害性はありません。そのため、厚生労働省が公開している職場のあんぜんサイトの化合物の安全データシート (SDS) には、アズレンに関する情報はありません。
なお、アズレンの別名として、ビシクロ[5.3.0]デカペンタエン (英: Bicyclo[5.3.0]decapentaene) 、シクロペンタシクロヘプテン (英: Cyclopentacycloheptene) などが挙げられます。日本国内の大手試薬メーカーのウェブサイトでは、主に「アズレン」の名称を使用する場合が多いです。
化学式 |
C10H8 |
日本語名 |
アズレン |
英語名 |
Azulene |
CAS番号 |
275-51-4 |
分子量 |
128.17g/mol |
融点 |
100℃ |
沸点または初留点および沸騰範囲 |
242℃ |
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溶解性
エタノール及びアセトンに溶け、水にほとんど溶けない。
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解説
アズレン.シクロペンタシクロヘプテン(cyclopentacycloheptene)ともいう.天然には,カミツレMatricaria chamomile,そのほかの植物精油中に誘導体の形で含まれている芳香族炭化水素.合成法としては,シクロペンタジエニドイオンにピリジニウム塩から得られるグルタコンジアルデヒド誘導体を縮合させ,生成物を熱分解するチーグラー法が知られている.濃青色の結晶.融点99 ℃.昇華性があり,ナフタレン様の臭いをもつ.水に不溶,濃酸や多くの有機溶剤に可溶.芳香族性をもち,親電子試薬によって1,3位が置換される.270 ℃ でナフタレンに異性化し,重合物は電導性を示す.
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用途
有機合成原料。
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化粧品の成分用途
皮膚コンディショニング剤
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効能
抗炎症薬
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来源
アズレン,非ベンゼン系芳香族化合物の一つ。5員環と7員環が縮合した構造をもち、濃青色の板状結晶。ナフタレンの異性体で、特有のにおいをもち、300℃に加熱するとナフタレンに異性化する。1863年ピエスGeorge William Septimus Piesse(1820―1882)が植物油中から青または紫色の液体を取り出しアズルazul(青)からアズレンと総称した。当時これらの物質の構造は不明で、1936年プラットナーPlacidus Andreas Plattner(1904―1975)により初めて骨格が合成され、母体の構造が確立した。
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化学的特性
Azulene is a blue crystalline compound with the chemical formula C10H8 and a melting point of 99°C. It contains afive-membered ring fused to a seven-membered ring and has aromatic properties. When heated it is converted into naphthalene.
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使用
azulene is renowned as an anti-inflammatory, calming, and soothing agent. excellent for sensitive skin, azulene is a german chamomile derivative with a characteristic deep blue color. Careful, it stains!
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定義
ChEBI: Azulene is a mancude carbobicyclic parent consisting of a cycloheptatriene and cyclopentadiene rings. It has a role as a plant metabolite and a volatile oil component. It is an ortho-fused bicyclic arene, a member of azulenes and a mancude carbobicyclic parent.
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使用用途
![](/NewsImg/2023-12-19/20231219878053474564.png)
図2. アズレン誘導体の構造
アズレンは、その穏やかな抗炎症作用から主に医薬品や化粧品、有機合成材料として使われています。例えば、アズレン誘導体の1つであるアズレンスルホン酸ナトリウム水和物は「水溶性アズレン」と呼ばれ、うがい薬、鼻・のどの炎症を抑える医薬品、胃炎・胃潰瘍治療薬などの主成分です。
また、アズレン誘導体であるグアイアズレン (アズロン、1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレン) は肌の炎症を抑える軟膏薬に使用されています。皮膚への抗炎症作用から、このようなアズレン誘導体は入浴剤や化粧品など肌に直接触れる日用品にも広く使用されています。
アズレンは、カモミールやカミツレなどの精油成分の主成分です。古くからこれらのハーブは民間薬として使用されてきましたが、その効能はハーブに含まれるアズレンの抗炎症作用によるものです。現在でも、皮膚の炎症を抑える薬用入浴剤や化粧品の成分としてカモミール精油やカミツレ精油を使用した商品は多くあり、それらもまたアズレンを含有した日用品の1つです。
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注意点
1. アズレンの安全注意情報
アズレンは人体に無害な有機化合物であるため、取り扱い時は特別な安全対策は必要ありませんが、ナフタレンのような独特な臭いを持っているため、換気の良い場所で取り扱うことが大切です。
2. アズレンの注意点
アズレンは、昇華性を有する固体の有機化合物です。昇華とは、化合物が液体の状態を経由することなく、固体から気体へ、または気体から固体へと相転移する現象のことです。昇華性を有する代表的な化合物として、アズレンの構造異性体であるナフタレンが有名です。
アズレンは比較的安定な固体の化合物ですが、昇華性によって独特の臭気を有しています。また、アズレンと他の有機化合物・有機溶媒との混合物を蒸留や減圧濃縮した場合、アズレンの昇華性によって沸点の低い有機化合物・有機溶媒側にもアズレンが混入することがあります。昇華性のある化合物であるという点に留意して、取り扱いおよび保管を行ってください。
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安全性プロファイル
Poison by intraperitoneal,intravenous, and subcutaneous routes. When heated todecomposition it emits acrid smoke and irritating vapors.
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Source
Azulene is a natural product and function as pigment in living organisms like plants, fungi etc. This compound was first isolated from the German Chamomile and later from yarrow, wormwood and other plants as oily liquid.
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純化方法
Crystallise azulene from EtOH. It has UV max 270nm (log 4.72) in hexane. [Platner & Magyar Helv Chim Acta 25 581 1942, Beilstein 5 IV 1636.]