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シクロデキストリン

シクロデキストリンは環状オリゴ糖とも呼ばされ,グルコシルトランスフェラーゼがデンプンに作用して生成したオリゴ糖であり,6〜8個のD-グルコース分子がα-1,4結合を利用して環状連結を行って生成した化合物である。6個のグルコース分子によって構成されるものはα-シクロデキストリン(α-CD)と呼ばされ,7個のグルコース分子によって構成されるものはβ-シクロデキストリン(β-CD)と呼ばされ,8個のグルコース分子によって構成されるものはγ-シクロデキストリン(γ-CD)と呼ばされる。また9~10個のグルコース分子によって構成されるものもある。シクロデキストリンは結晶の一種であり,円筒状の構造を有し,円筒の上部(広口側)に-OH基を連結し,円筒の下部(狭口側)に—CH2OH基を連結し,そのため,全体からみればシクロデキストリン分子は親水性を有し,水に溶解できる;それに対して,シクロデキストリンの内部(円筒の内側)は疎水性を有する。環形のため,還元末端を備えない。酸に対して一定の安定性を有し,一般的なデンプンは加水分解されにくい。シクロデキストリンが異なってヨウ素と反応して呈した色も異なる。またそれらの比旋光度と溶解度もそれぞれ異なる。そのうちβ-シクロデキストリンの溶解度が最も小さく,結晶が最も簡単であり,かつ分離も最も簡単である。 その分子中で一つの空洞部があり,その内径が7~10A°であるため,分子間力の吸引作用下であるガス状分子、液体状分子又は固形状分子を空洞部に入りさせ,包接化合物を形成する。そのため,それは漢方薬の分子とともに包接化合物を形成する時に,薬物の性質を改善し、薬物の安定性を向上させ、薬物の毒性と副作用を低減し、生物学的利用率を向上させる等の役割を果たすことができる。例えばNaoliqing錠剤中のボルネオール、ミントの使用量が多く,かつ互いに溶融して粘調な液体を形成するため,錠剤を不合格にする。β-CYD包接を使ってから溶融状況がなくなり,これにより錠剤の品質が要件を満たす。  シクロデキストリンはさらに一種の界面活性剤であり,食品分野に用いられ,安定剤として,特殊な臭いを除去し又は覆い隠すことができる;食品の組織構造を強化し又は改善する;苦味を低減し又は除去する;酸化を防止する;食用香料を包接し,その揮発性を低減し,香りの持続時間を延長する;食用色素を包接し,それを安定させる。タンパク質の起泡性を補強する等;それに水産物、畜産物、アイスクリーム、ソース、乳製品にも用いることもできる。シクロデキストリンの空洞部の大きさによって,イオン半径に相当するカチオンを錯化でき,この性質のため相間移動触媒、分析用試薬及び医薬に用いられる。シクロデキストリンは包接作用を有するため農薬にも用いることができ,農薬の分解を低減し,農薬の効果を向上させる。また化粧品の乳化剤、消臭剤と防腐剤、洗剤の消泡剤として用いることもでき,それと同時ににきびに対して一定の治療効果を有する。