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スルホン、スルホキシド化合物

スルホンはスルフリル基と炭化水素基を結合して生成した化合物の総称である。その一般式はR-SO2-Rである。二つの炭化水素基は同一であっても異なっていてもよい。例えばメチルスルホンCH3•SO2•CH3、エチルフェニルスルホンC6H5•SO2•C2H5、ジエチルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン、ビスフェノールS等。スルホン系化合物中の硫黄は高価硫黄であり,化学的性質が安定である結晶状の有機化合物であり,還元されてもR2Sを生成しない。工業分野で最も重要なのはスルホラン、ビスフェノールS及びジメチルスルホンである。一般的にスルホンは化学的性質が安定である無色無臭の固体である。炭素数の少ない炭化水素誘導体は水と複数の有機溶剤に溶解でき,スルホン系化合物は一般的にチオエーテルの酸化,スルフィン酸塩のアルキル化、二酸化硫黄と共役アルカジエンの付加反応及び芳香族化合物と塩化チオニルの反応等の方法によって調製される。 スルホンは製薬、プラスチック及び基本的な有機合成等の工業分野に広く応用される。例えば,ソラプソン、ダプソンはハンセン病を治療する薬物である;ビスフェノールAポリスルホンは性能に優れたプラスチックである;スルホランは優れた溶媒である。後者は工業ガスの浄化に用いることはでき,例えばガス中の二酸化炭素、硫化水素等のガスを除去する;石油留分から抽出されて芳香族化合物を分離するために用いられる;またアクリロニトリルの重合溶媒として用いられる。あるスルホンは鎮静と催眠作用を有するが,その副作用が大きい。ビスフェノールSはスルホニル基を含有するため非常に強い電子求引性を有し,そのためそのヒドロキシ基が強い酸性を有する。それに,耐熱性、耐酸化性及び光安定性を有する。その主な用途は固定剤として用いられる。また,革のなめし剤、染料、架橋剤とエンジニアリングプラスチック(耐熱)原料としても用いられる。その他にビスフェノールAを置き換え,ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の原料として用いられる。 スルホキシドはスルフィニル基と炭化水素基Rを結合して生成した化合物の総称である。例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ベンジルフェニルスルホキシド等。スルホキシド中の酸素原子が負イオンの状態を呈し,かつ二つの基の限定を受けず,非常に強い極性を有する。その酸化性が強い。スルホキシド系化合物は光学活性を有する可能性がある。低温下で固体であり,一般的に水、エタノール、エチルエーテルに溶解することができる。還元剤によって還元されてチオエーテルを生成し,酸化剤によって酸化されてスルホンを生成し,さらに硝酸と反応して塩を生成することができる。スルホキシドは硝酸塩及び芳香族化合物と塩化チオニルのフリーデル - クラフツ反応によって調製される。 スルホキシドは多くの重要な反応を有し,主に以下の三つの種類を有する:①スルフィニル基のα位におけるカルバニオンの反応性が強く,ハロゲン化アルキル化合物、カルボニル化合物及びオレフィン等と反応しやすい;②無水物と反応してPummerer転位を引き起こすことができる;③β位で水素を含有するスルホキシドに対して,加熱分解を行ってオレフィンとスルフィン酸を生成することができる。