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キノリン化合物

キノリンとイソキノリンはベンゾピリジンの二つの異性体であり,いずれもコールタールに存在する。それら自身及び多くの置換誘導体は,いずれもベンゼン誘導体によって環化されて調製される。キノリン系化合物の環の合成方法について,その基本的な反応はアニリンとグリセリン及び硫酸、酸化剤(ニトロベンゼン等)を混合して加熱し,これによりキノリンを合成する。グリセリンが脱水されてアクロレインとなり,アニリンと付加反応が発生する。そのため,様々なアニリン誘導体とその他のα,β-不飽和カルボニル化合物を利用し,環に置換基を有するキノリン系化合物を合成することができる。例えば4-メチルキノリン(レピジン)はアニリンとメチル - ビニルケトンによって調製される。その他のキノリン系化合物の合成方法について,O-アミノベンズアルデヒドとケトンを縮合してキノリン系化合物を合成する。例えば2-メチルキノリン(キナルジン)はo-アミノベンズアルデヒドとアセトンによって縮合されてなるものである。 キノリン系化合物はキノリン及びその同族体であり,含窒素(複素環式)二環式芳香族化合物である。キノリン系化合物はナフチリジンと俗称され,ピリジン塩基とともにタール塩基と総称され,高温コールタールによって加工されたアルカリ性製品であり,主にキノリン、イソキノリン、メチルキノリンとジメチルキノリン等を含む。キノリン系化合物はコールタールのナフタレン油留分及び洗濯油留分に存在する。コールタール中でキノリン系化合物の含有量は約0.3~0.5%である。キノリン系化合物はいずれも特別な匂いを有し,空気又は太陽光に晒す時にその色が深くなる。 キノリン系化合物は薬剤、染料、写真材料、ゴム、溶媒及び化学試薬等の調製に用いることができる。キノリンは医薬分野において主にナイアシン系、8-ヒドロキシキノリン及びキニン系という三つの種類の薬物の調製に用いられる。ナイアシン系薬物はニコチン酸アミド、強壮剤、興奮剤及び条虫症治療薬を含む;8-ヒドロキシキノリン系は赤痢アメーバ症を治療するための薬物と傷口用消毒剤,及び防カビ剤と繊維助剤等の調製に用いることができる;プリマキンキニーネ、塩化キニーネとヒドロキシルアミンキニーネはマラリアを効果的に治療する合成薬物である。イソキノリンは殺虫剤、抗マラリア薬、ゴム加硫促進剤及び希少金属を測定するための化学試薬を調製することに用いられる。メチルキノリンはカラーフィルム増感剤と染料の調製に用いることができ,さらに溶剤、含浸剤、腐食防止剤、キニン系薬物と殺虫剤等として用いることもできる。キノリン系化合物の抽出プロセスはナフチリジンの精製を参照する。