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直接染料

直接染料は水に溶けて着色アニオンにイオン化され,媒染剤を使わないで,直接にセルロース繊維又はタンパク質繊維を染色することができる染料である。
この種類の染料は1884年コンゴレッドを発見した後に発展してきている。コンゴレッドはジアミドと1-ナフチルアミン-4-スルホン酸を結合してなるものである。19世紀末まで様々なアミノナフトールスルホン酸の工業化的生産を実現した後に,該染料の種類はますます豊かになり,緑色系、黒色系直接染料が次々と現れる。
直接染料はセルロース繊維への親和性が高く,中性又は弱アルカリ性媒体中で染色を行うことができる。タンパク質繊維の染色は一般的に中性又は弱酸性媒体で行われる。
直接染料の多くは芳香族化合物のスルホン酸ナトリウム塩であり,水に溶けやすく,水中でその溶解度は温度の上昇とともに増加し,水中でアニオンに解離することができる。直接染料は分子量が多く,浸透性が低く,一般的に皮革の内部に入りにくく,皮革の表面に着色しやすい。染色の前に多くの場合に少量のアンモニアを加えて浸透を促進し,それと皮革の結合を緩める。
直接染料は酸に非常に敏感であり,酸を加えてそれを沈殿させる。直接染料を使って染色した後に,定着剤、有機酸で処理すれば,その堅牢度を向上させることができる。
直接染料は生産方法がシンプルであり,クロマトグラムが完全であり,コストが低く,使用しやすい。しかし該染料の耐光性とソープ洗濯堅牢度が低い。直接染料はその前にセルロース繊維、タンパク質繊維、合成繊維及びそれらの混紡織物の染色に広く応用される。しかし多くの直接染料が使用される主な中間体はベンジジン及びその誘導体であり,70年代初期該種類の物質が発癌性を有するということは明らかであるため,その生産と使用を停止する。これまで世界で直接染料を生産する各大手企業もその種類の染料の生産と応用を停止した。
それらの応用によって直接染料を以下の四つの種類に分類する:一般的な直接染料、耐光性直接染料、銅塩系直接染料及びジアゾ系直接染料。化学構造タイプによってアゾ系、スチルベン系、フタロシアニン系及びジオキサジン系に分類し,そのうちアゾ系が最も重要である。一般的に直接染料の構造タイプは主にアゾ系(モノアゾとポリアゾを含む)であり,その多くの品種はいずれもベンジジン及びその誘導体をジアゾ成分とする。例えば1884年N. Bottigerが合成した第一の直接染料コンゴレッド(C. I.ダイレクトレッド28)は,耐光性が低いため,すでに繊維の染色に用いられず,生物学的材料と紙の着色に用いることができ,また酸塩基指示薬としても用いられる。
耐光性直接染料は耐光堅牢度が4級以上の直接染料である。分子構造は一般的に直接染料より複雑である。例えばブリリアントブルー色系耐光性直接染料(C.I.ダイレクトブルー106)。
銅塩系直接染料の分子中で銅塩とともに錯体を形成することができるヒドロキシ基、カルボキシ基又はアルコキシ基等のような基群を含有する。それらは互いにアゾ基のオルト位にある。染料は銅塩で処理された後に,染料銅塩錯体を形成し,耐光堅牢度を向上させることができる。例えばダイレクトブルー色系銅塩系直接染料2R(C. I.ダイレクトブルー151)。
 ジアゾ系直接染料の分子中でアミノ基を含有し,染料を繊維に着色した後に,該アミノ基はジアゾ化を再び行い,カップリング成分とともに繊維で再結合し,これにより繊維上の染料の色深度を深くし,かつ染料の耐光堅牢度を向上させる。この種類の染料の色味の変化が大きく,制御しにくいため,現在一般的に使わない。例えばブラック色系ジアゾ系直接染料2R(C. I.ダイレクトブルー2)。