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種類
クロロフィルの種類
クロロフィルには複数の種類があります。植物および藻類に一般的に含まれているクロロフィルa、植物のみに含まれているクロロフィルb、藻類のみに含まれているクロロフィルc1、c2などが代表的です。
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定義
本品は、クロロフィルのマグネシウムを銅で置換したものである。
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性質
銅クロロフィルの主な性質として、長期間にわたって緑色を発色できる点が挙げられます。銅クロロフィルは、分子の中心にある銅 (Cu) が分子外へ離脱しにくいため、天然にあるクロロフィルよりも退色が抑えられています。
換言すると、天然のクロロフィルの分子中心にあるマグネシウム (Mg) は銅 (Cu) よりも離脱しやすいことから、天然のクロロフィルは比較的短時間で退色します。つまり、マグネシウム (Mg) と銅 (Cu) を比べると、銅 (Cu) の方がクロロフィルのテトラピロール環の中に安定して存在可能です。
このような理由により、天然のクロロフィル中にあるマグネシウム (Mg) が銅 (Cu) に置き換えられて銅クロロフィルになると、安定的に緑色を発色できるようになります。よって、緑色を安定的に発色するという効果が発揮されます。
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解説
銅クロロフィルとは、クロロフィル中のマグネシウムがで置換された化合物です。
別名として、銅葉緑素が挙げられます。銅クロロフィルは、水には難溶である一方で、油に可溶という性質を有します。
銅クロロフィルの元となるクロロフィルは、植物に含まれる天然の緑色色素です。クロロフィルによって植物の葉が緑色に見えています。しかし、クロロフィルをそのまま緑色の着色剤として使用すると、時間の経過とともに退色してしまいます。
クロロフィルの代わりに着色剤として用いられる物質が、銅クロロフィルです。銅クロロフィルは、天然のクロロフィルよりも酸や光に対する安定性が高まっているため、緑色を安定的に発色できます。
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構造
銅クロロフィルの分子構造は、クロロフィル (葉緑素) と類似しています。クロロフィルは、テトラピロール環という環状構造と、疎水性の長鎖アルキル構造を有します。テトラピロール環の中心にあるマグネシウム (Mg) が銅 (Cu) に置き換わった物質が銅クロロフィルです。
銅クロロフィルは疎水性の長鎖アルキル構造を有するため、水に溶解しにくい油溶性です。油溶性の銅クロロフィルが加水分解されると水溶性になります。すなわち、銅クロロフィルの分子内にある長鎖アルキル構造が加水分解によって外れると、水溶性のクロロフィリン構造へと変化します。
クロロフィリン構造が塩となった銅クロロフィリンナトリウムは、さらに水に溶解しやすい性質を有します。
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化粧品の成分用途
着色剤
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使用
copper chlorophyll is used to provide color to a cosmetic product. It is a synthetic ingredient.
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使用用途
銅クロロフィルの使用用途は主に着色剤です。ただし、銅クロロフィルは水にほとんど溶けないため、着色剤としての用途が限定されます。
そこで、銅クロロフィルを加水分解することによって得られる水溶性の銅クロロフィリンナトリウムが、着色料として使用されています。銅クロロフィリンナトリウムは、食品や化粧品などの分野で使用されています。銅クロロフィルは、銅クロロフィリンナトリウムを得るための中間原料として使用される場合が多いです。