実験
幅 2 cm,長さ 20 cm のたんざく形ろ紙(東洋ろ紙 No.50)および混合試料(ローダミンB,メチル
オレンジ,インジゴカーミン)と純物質(メチルオレンジ又はインジゴカーミン)を用意する.ろ紙
を持つときは,展開に使用する面に指を触れないように注意する.ろ紙の先端から約2cm のところに
鉛筆で線を引き,混合試料を含んだキャピラリーの先端を線上に軽く接触させる.この時ろ紙にしみ
こんだスポットの直径は 2 mm 位の大きさになるようにする.1) さらに純物質を選択し,同様にスポ
ットをつけ乾燥させる.クロマト管の中には展開溶媒としてメタノールと水の混合液がすでに入れて
ある.クロマト管の奇数番号は水:メタノール=1:3, 偶数番号は水:メタノール=2:1 である.試
料をスポットしたろ紙をゴム栓の切り込みに挟み,下図のようにクロマト管の中に入れて密栓し展開
を開始する.2) この時,ろ紙の下端が溶媒に浸っていること,及びろ紙が壁面に触れていないことを
確かめる.3) スポットの分離が明らかになるまで展開したのち(1 時間以上かかる),ろ紙を取り出し,
ゴム栓はクロマト管にすぐに戻してふたをする.4) まず溶媒がしみ込んだ先端をていねいに鉛筆でな
ぞって線を書く.また,使用したクロマト管の番号(木枠に表示)も,ろ紙の上端に書き込んでおく.
ろ紙をドライヤーで乾燥させる.純物質のスポットの中心に印を付け,原点からスポットの中心ま
で,及び溶媒の先端までの距離を測って Rf 値を求める.純物質のスポットの位置が, 混合試料中のそ
の成分のスポット位置と一致しているはずであるが, それを確かめる.