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種類
シリカは二酸化ケイ素の総称で、以下のような様々な種類があります。
1. シリカ微粒子
球状や鱗片状などの形状や、粒子径、空隙率などの違いにより、異なる特性を示します。コロイダルシリカはシリカ微粒子が水などの溶媒に分散された状態のものです。
2. フュームドシリカ
乾式シリカ、高分散シリカと呼ばれる非常に嵩密度の小さい白色粉体です。
3. シリカエアロゲル
シリカの微粒子が3次元ネットワーク骨格を形成した構造で、空隙間隔がおよそ50nm前後の多孔材料です。
4. シリカガラス
シリカガラスは、金属不純物が少ない、熱に強い、幅広い波長領域の光をよく通す、酸やアルカリに侵されにくいなどの特徴を持っています。
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種類
二酸化ケイ素には、いくつかの結晶形態があります。結晶は、SiO4四面体の隣り合うSi原子間でO原子が共有されていて、巨大な三次元分子構造を持っています。SiO4の配列の違いによって結晶の形態が異なり、温度や圧力などの条件によっても安定な形態は異なります。以下に一部の結晶の種類を示します。
1. クリストバイト
立方晶、八面体の結晶です。Si原子のみに着目すると、ダイヤモンドと同じ結晶構造です。
2. トリディマイト
六方晶系、六角板状の結晶です。高温型と低温型の2種類の結晶構造があり、低温型は高温型と比べてやや結晶格子が押しつぶされた格好となります。
3. 石英
高温型と低温型の結晶構造があり、高温型は六方晶系、六角錐形、低温型は三方晶系、六角柱状の結晶です。低温型石英のうち、結晶がよく成長したものは水晶と呼ばれます。
4. コーサイト
単斜晶系の結晶です。濃フッ化水素酸にも浸食されません。
5. スティショバイト
正方晶系の結晶で、ルチル型の結晶構造です。
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性質
二酸化ケイ素は化学式SiO2で表され、モル質量は60.08です。高い耐熱性や対腐食性を示し、ガラスやセラミックスの材料として用いられています。フッ化水素酸と反応し、ヘキサフルオロケイ酸 (H2SiF6) が生成します。
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性質
シリカには結晶質と非晶質のものがあり、特にそれらをまとめて呼ぶ場合にシリカという名称を使用します。結晶性シリカとして、石英、クリストバライト、トリディマイトなどの結晶多形が知られています。一方、非晶質シリカは結晶性を持たない二酸化ケイ素を含有する物質の総称です。
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解説
SiO2.クリストバル石ともいう.ケイ酸鉱物の一種.低温型α-クリストバライトと高温型β-クリストバライトとがある.SiO2は1723 ℃ 以上で液体であり,β-クリストバライトは1723~1470 ℃ で安定であり,1470 ℃ 以下ではトリジマイトになるが,1470~265 ℃ でも準安定相として存在する.265 ℃ 以下ではα-クリストバライトに転移する.α-クリストバライトは正方晶系,格子定数 a0 = 0.497,c0 = 0.692 nm.硬度6~7.密度2.33 g cm-3.β-クリストバライトは立方晶系,格子定数 a0 = 0.709 nm.
森北出版「化学辞典(第2版)
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用途
食品添加物、医薬部外品添加物 (化粧品等) (NITE総合検索 (2015))
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存在
主に安山岩,流紋岩,粗面岩,黒曜岩などの火山岩中に産出する。以前は非晶質とされていたオパールは非常に細粒なクリストバライトの集合体。
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主な用途/役割
エマルション系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シーリング材に使用される。
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化学的特性
Silicon dioxide/crystalline silica is a component of many mineral dusts and materials which melts to a glass at very high temperature.
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使用
Because of its unique physical and chemical properties, crystalline silica has many uses. Commercially produced silica products include quartzite, tripoli, ganister, chert, and novaculite. Crystalline silica also occurs in nature as agate, amethyst, chalcedony, cristobalite, flint, quartz, tridymite, and, in its most common form, sand (IARC 1997). Naturally occurring silica materials are classified by end use or industry. Sand and gravel are produced almost exclusively for road building and concrete construction, depending on particle size and shape, surface texture, and porosity (IARC 1987).
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定義
A hygroscopic substance such as activated alumina, calcium chloride, silica gel, or zinc chloride. Such substances adsorb water vapor from the air and are used to maintain a dry atmosphere in containers for food packaging, chemical reagents, etc.
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安全性
シリカの微粒子は不純物を吸着できるので、食品製造時の濾過助剤として使用されます。例えば、ビールなどの酒類や清涼飲料水などの濾過です。
シリカを経口摂取しても、人体への重篤な影響はほとんどありませんが、空気中に舞ったシリカ微粒子を鼻や口から吸入すると重篤な症状が現れることがあります。特に石英などの結晶性シリカを吸入すると珪肺と呼ばれるじん肺症の一種を発症すると報告されています。
じん肺症の症状の傾向としては、最初は自覚症状がありませんが、時間経過とともに咳や痰、さらには息切れや呼吸困難の症状が現れます。実際の発症例としては、高純度の結晶性のシリカ微粒子を取り扱う工場で、シリカ微粒子を吸入したことによる急性のじん肺が発症例が報告されています。このような事故を防ぐために、防塵マスクなどの保護具を使用して取り扱う必要があります。
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一般的な説明
Rounded silica sand is the naturally occurring sand usually mined from glacial deposits, sometimes called Ottawa sands. Silica sand is essentially made of quartz (SiO2 ) grains.
Pressure range: 28 < σc < 35 MPa (4 < σc < 5 ksi)
Advantages: Low cost, low density, wide availability, and excellent chemical resistance in acidic media except those containing free HF
Drawbacks: Low permeability, low crushing strength, and poor resistance to flow back
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使用用途
シリカは無色透明の固体で、融点が非常に高いことが特徴です。また、耐薬品性にも優れており、一部の酸やアルカリとしか反応しません。
耐熱性や耐薬品性があることから、化学の実験器具やに使用されています。また、乾燥剤であるシリカゲルの原料にも使用されています。透明が高いものは、レンズやプリズムなどの光学部品に加工されます。
電子工業や半導体産業でも重要な役割を果たしています。シリカは絶縁体としての特性があり、電子部品や半導体デバイスの製造に欠かせません。さらに、ガラスや光ファイバーなどの材料としても広く使用されています。
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使用用途
二酸化ケイ素の使用用途は下記の通りです。
1. シリカガラス
シリカガラスは、分析用のセル材料、半導体素子の製造、光ファイバー材料など、広く用いられています。シリカガラスは、金属不純物が少ない、熱に強い、幅広い波長領域の光をよく通す、酸やアルカリに侵されにくいなどの特徴を持っています。
2. シリカゲル
そのため、特に食品乾燥用の吸着剤・乾燥剤として、広く利用されています。
3. シリカ微粒子
化粧品やHPLCカラム、コーティング剤など様々な用途に用いられます。コロイダルシリカはシリカ微粒子が水などの溶媒に分散された状態のもので、研磨剤として使用されます。
4. フュームドシリカ
レオロジー調整剤として使用されます。
5. シリカエアロゲル
通常は、テトラエトキシシラン (TEOS) などのアルコキシシランをエタノールなどの溶媒に溶かし、酸や塩基を加えて加水分解し、ゲル化、熟成を行い、超臨界乾燥することで、作製できます。
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安全性プロファイル
Confirmed carcinogen with experimental carcinogenic and tumorigenic data. Poison by intratracheal route. An inhalation hazard. Human systemic effects by inhalation: cough, dyspnea, fibrosis. About twice as toxic as silica in causing sihcosis. See also other sdica entries
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職業ばく露
Cristobalite is used in the manufacture of water glass, refractories, abrasives, ceramics and enamels. Quartz is used as a mineral, natural or synthetic fiber. Tridymite is used as a filtering and insulating media and as a refractory material for furnace linings. Workers are potentially exposed to crystalline silica in such industries as granite quarrying and cutting, foundry operations; metal, coal, dentistry, painting, and nonmetallic mining; and manufacture of clay and glass products.
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発がん性
Respirable crystalline silica, primarily quartz dusts occurring in industrial and occupational settings, is known to be a human carcinogen based on sufficient evidence of carcinogenicity from studies in humans. Respirable crystalline silica was first listed in the Sixth Annual Report on Carcinogens in 1991 as reasonably anticipated to be a human carcinogen based on sufficient evidence of carcinogenicity from studies in experimental animals; the listing was revised to known to be a human carcinogen in the Ninth Report on Carcinogens in 2000.
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不和合性
Violent reactions with powerful oxidizers: fluorine, chlorine trifluoride; manganese trioxide; oxygen difluoride, hydrogen peroxide, etc.; acetylene; ammonia.
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廃棄物の処理
Sanitary landfill
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参考文献
W. Nieuwenkamp, Z. Krist., 92, 82 (1935), DOI: 10.1524/zkri.1935.92.1.82.