タングステン酸

反応性

加熱すると，2WO3･H2Oを経て，高温ではWO3になる．生成直後のWO3･2H2Oは，水，ことに熱水にはかなり溶けるが，不安定で，放置すると水を失い，WO3･H2Oとなる．タングステン酸塩に，冷時，希酸を作用させると得られる白い沈殿は，WO3･2H2O(H2WO4･H2O)に相当する．これを放置するか，タングステン酸塩に熱時強酸を作用させると，黄色のWO3･H2Oが得られる．

溶解性

水にほとんど不溶 (黄色形)。 (約3.75mg/l)フッ化水素酸に可溶。濃塩酸にやや可溶。水酸化ナトリウム溶液に溶ける。

性質

H2WO4(249.87)．IUPAC水素方式命名法によれば，テトラオキシドタングステン酸二水素．組成から，オルトタングステン酸塩に対応したオキソ酸形式の式が与えられているが，実質はWO3の一水和物WO3･H2Oである．二水和物もある．正八面体型のWO6が，頂点共有でつながった層状構造と考えられている．WO3･H2Oは黄色の斜方晶系結晶．密度5.5 g cm－3．冷水や希酸に難溶，ただし，HFには可溶，また，NaOHの濃い溶液には徐々に溶ける．熱水に微溶．森北出版「化学辞典（第2版）

用途

水，酸に不溶であるが，フッ化水素酸には可溶。アルカリ溶液には徐々に溶ける。タングステン酸塩の製造原料，媒染剤などとして用いられる。また，イソポリ酸のパラタングステン酸またはメタタングステン酸のことをタングステン酸ということもある。

化学的特性

light yellow powder

物理的性質

Yellow amorphous powder; density 5.59 g/cm³; decomposes at 100°C; insoluble in water and most acids; soluble in hydrofluoric acid, caustic alkalies and ammonia solution. Freshly prepared tungstic acid containing a molecule of water of crystallization is moderately soluble in water.

使用

Tungstic Acid is used as a starting material in the synthesis of polynanocomposite material and polycrystalline ceramics.

一般的な説明

Tungstic acid may be prepared by either digesting tungstate of lime or by treating tungsten with hydrochloric acid. 1