-
外観
白色~ほとんど白色、結晶性粉末~粉末
-
種類
セライトは、ろ過性能によっていくつかの種類に分かれます。一般的にケイソウ土といわれるグレードの製品も、セライトという名称で発売されており、ろ過がスムーズな液に使用されています。
-
種類
フッ化マグネシウムは、主に研究開発用試薬製品や、工業用材料として一般に販売されています。室温で保管可能な試薬製品として販売されており、真空蒸着などに適しているとされています。
工業用材料としては、光学薄膜材料や透明な低屈折率コーティング素材として提供されており、希少金属材料にも分類されます。材料としてのフッ化マグネシウムの外観は白色~透明・顆粒状・タブレット状などとされます。
-
性質
フッ化マグネシウムは、式量62.30、融点1,248°C、沸点2,260°Cであり、常温常圧での外観は白色の粉末状固体です。密度は3.15g/mLです。水には溶けにくく (溶解度8.7mg/100g (18°C) ) にも溶けません。希塩酸にも溶けにくい物質ですが、硝酸には溶解します。
0.11~7.5μmの波長を持つ電磁波を透過し、紫外域での偏向素子として用いることができる物質です。また、熱や衝撃に対する耐久性にも比較的優れています。通常の保管条件では安定とされていますが、分解生成物としてハロゲン化物 (フッ化水素) 、金属酸化物などが生成する可能性があるため、強酸化剤との混触や、高温と直射日光などを避けて保管することが必要です。
-
溶解性
水, エタノールに不溶。水及びエタノールにほとんど溶けない。
-
解説
フッ化マグネシウムMgF2(62.30).マグネシウム塩にフッ化水素酸を作用させると得られる.無色の正方晶系結晶.密度3.14 g cm-3.融点1260 ℃,沸点2260 ℃.水に難溶,硝酸に可溶,希酸に難溶,エタノールに不溶.レンズ,干渉フィルターのコーティング(反射防止と透過率向上),レーザー用結晶,陶磁器,ガラスなどに用いられる.
-
用途
レンズ及びフィルターのコーティング剤。
-
原理
ろ過は、小さな穴の開いたろ剤を通して異物を取り除く作業です。ろ紙の場合、セルロースに物質が吸着しやすく、引っかかって、次第に詰まってしまいます。セライトの主成分であるは、物質を吸着しにくい性質を持っています。
セライトをろ紙の上に敷き詰めると、ろ紙に物質が吸着して詰まるを防ぎ、ろ紙を詰まらせる原因になる微細な粒子は、セライトが捕捉してくれるので、スムーズなろ過ができ、時間が節約できます。また、セライトを使っている場合、表面を削れば再度ろ過スピードを上げることが可能です。
-
用途
高純度金属化合物。
-
合成
図2. フッ化マグネシウムの合成
フッ化マグネシウムは、酸化マグネシウムにフッ化水素アンモニウムのようなフッ化水素源となる化合物を加えることで合成が可能です。
-
使用上の注意
純度は金属ベースで差数法によって算出したもので、重量又は容量分析等の化学的方法によるものではありません。使用目的により、正確な含量が必要な場合は、それらの方法によって測定する必要があります。
-
説明
Magnesium fluoride (MgF2) is a white crystalline salt.
It is used in the electrolysis of aluminum ore to produce
metallic aluminum and also as a reflective coating on
various types of optical components. It is a tetragonal,
birefringent crystal with the TiO2 type of structure.
-
化学的特性
Magnesium Fluoride is a fine white crystalline powder with low chemical reactivity. This relative inertness makes possible some of its uses, eg, stable permanent films to alter light transmission properties of optical and electronic materials.
-
結晶構造
フッ化マグネシウムの結晶構造 (灰色: Mg、黄緑: F)
フッ化マグネシウムの結晶構造はルチル型です。ルチル型とは、典型的にはTiO2に見られる結晶構造であり、正方晶系に属します。
単位格子中には2化学単位が含まれており、具体的な構造は、1つのMg原子を中として見たときには6つのF原子が八面体を形成して配位しており、1つのF原子を中心として見たときには3つのMg原子が配位しているような構造です。なお、気相中では1分子のMgF2が直線構造を取っています。
-
使用
Suitable for vacuum deposition. Magnesium fluoride occurs in nature as the mineral, sellaite. It is used in
glass and ceramics. Single crystals are used for polarizing prisms and lenses.
-
製造方法
Magnesium fluoride is a colorless salt with the rutile structure. It is formed by reaction of magnesium oxide and HF or magnesium carbonate and NH4F·HF. It is also a by product from the manufacture of elements such as beryllium by reduction of the corresponding fluoride by magnesium metal.
-
危険性
Strong irritant. TLV: 2.5 mg(F)/m3.
-
化学性质
融点1248℃,沸点2260℃,水に難溶
-
使用用途
フッ化マグネシウムは、代表的な低屈折率材料として幅広く利用されている物質です。レンズやプリズムなどの表面に蒸着させてフッ化マグネシウムの膜を張ることにより、を作ることができます。
この性質を応用した具体的な工業用途には、反射防止膜、多層膜、ビームスプリッター、液晶ディスプレイ用の偏光フィルム、ガラスコーティングなどがあります。
-
使用用途
セライトの原料であるケイソウ土は、植物性プラントンの1つであるケイソウの化石です。植物プランクトンの化石には、微細な穴が開いており、セライトは、それを利用してろ過に使用します。
1. 工業的用途
果汁や医薬品・ゼラチン・排水・オイルなど、粘度が高いものでも、比較的安定に長時間のろ過が可能です。工業的には、ろ過速度を維持するために、セライト水に混濁させて、ろ紙の間に約2mm厚でプレコートして使用する方法が多く用いられています。
2. 実験室的用途
実験室でも、ろ紙では目詰まりがひどい検体のろ過に用いられます。また、物質によってろ過される速度が違うので、実験室的には液体クロマトグラフィーのカラムや薄層クロマトグラフの薄層成分、カラムクロマトグラフィーの担体にも使われます。
-
安全性プロファイル
Moderately toxic by
ingestion. When heated to decomposition it
emits toxic fumes of F-. See also
MAGNESIUM and FLUORIDES.
-
概要
セライトとは、ケイソウ土をとともに焼成した多孔質固体です。
ケイソウ土の一種という位置づけであり、セライトという商標名で、ケイソウ土そのものとして販売されてている商品もあります。成分は主に酸化ケイ素で、、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどを含みます。
-
特徴
セライトの原料となるけいそう土は、数万年~数千万年前に地球上に繁殖していたけいそうと呼ばれる藻 (植物プランクトン) の化石です。ケイソウは現在も世界中の海や川や湖に生育しています。
海藻とおなじく一般に藻類の仲間です。特に細胞の周りに質の殻をもつものを、ケイソウと呼びます。ケイソウは、地球上いたるところに生育する単細胞の光合成生物です。数十マイクロメートルの大きさで、水中のを取り込んで、内部と外部に通じる0.1~1.0μmの無数の細孔を作ります。
そして、ケイソウが大量に死滅、沈積し、化石となると、シリカ質の遺骸のみを残してケイソウ土となるのです。このケイソウに炭酸ナトリウムを加え焼成すると、セライトとなります。
-
合成方法
炭酸マグネシウムをフッ化水素酸と加熱し,液を蒸発させる
-
参考文献
G. Vidal-Valat, et al., Acta Crystallogr., Sect. B, 35, 1584 (1979), DOI: 10.1107/S0567740879007184.