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種類
硫酸カルシウムは結晶水の割合によって、以下の種類に分けられます。
1. 硫酸カルシウム無水物
無水石膏、硬石膏とも呼ばれます。硫酸カルシウム無水物には結晶構造が異なる、Ⅲ型、Ⅱ型、I型が存在します。加熱温度により、異なる結晶構造が得られます。Ⅲ型はさらにα型とβ型に分類することができます。
2. 硫酸カルシウム半水和物
半水石膏、または焼き石膏とも呼ばれます。硫酸カルシウム半水和物には結晶構造が異なるα型とβ型が存在し、結晶系はいずれも三方晶であるものの、比重や硬化時間などが異なります。α型は緻密な構造で硬化強度が大きいことから、医療用等に用いられます。β型はポーラス状の空隙があり、α型と比べて粒子密度が小さく、石膏ボード等の建築資材として利用されます。半水石膏を180度以上に加熱すると、硫酸カルシウム無水物が生成します。
3. 硫酸カルシウム二水和物
二水石膏や軟石膏とも呼ばれます。通常の石膏は硫酸カルシウム二水和物を指すことが多いです。150〜180 ℃で加熱することで、硫酸カルシウム半水和物に変化します。
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性質
硫酸カルシウムの分子量は136.136、比重は2.96、融点1450 ℃、CAS番号は7778-18-9です。濃硫酸には、硫酸水素カルシウム (Ca2(HSO4)2) として溶解します。また、チオ硫酸ナトリウムやアンモニウム塩にも、錯体を生成することで溶解します。
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定義
本品は、硫酸(*)のカルシウム塩であり、次の化学式で表される。
参照表示名称:硫酸
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解説
硫酸カルシウム化学式 CaSO4 白色の結晶。水に溶けにくい。天然には二水和物の石膏、または無水物の硬石膏として産出する。加熱すると〇・五水和物の焼き石膏に変わる。
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用途
建築物の壁塗料,セメント,陶磁器,塑像の製造,鋳型,歯科用,医療用(ギブス材料),医薬品,食品添加物,豆腐凝固剤,乾燥剤,製紙,土壌の中和などに用いられる。
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製法
天然に二水和物(石膏(せっこう))および無水和物(硬(こう)石膏)の鉱床となって大量に産出するほか、岩塩鉱床、海水および硬水に含まれる。工業的には天然物の採取のほか、種々の化学工業で副産物として製造される。
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化粧品の成分用途
不透明化剤、研磨.スクラブ剤、増量剤
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使用
Calcium Sulfate is a general additive available as both calcium sul-
fate anhydrous, made by the high-temperature calcining of gypsum
which is then ground and separated, and calcium sulfate dihydrate,
which is made by grinding and separating gypsum containing about
20% water of crystallization. calcium sulfate anhydrous contains
approximately 29% calcium, and calcium sulfate dihydrate contains
approximately 23% calcium. it is used, among other things, as a
filler and baking powder for standardization purposes; a firming
agent in canned potatoes, tomatoes, carrots, lima beans, and pep-
pers; in dough as a source of calcium ions (because the absence of
calcium ions causes bread dough to be soft and sticky and to pro-
duce bread of poor quality); in soft-serve ice cream to produce dry-
ness and stiffness; as a calcium ion source for reaction with alginates
to form dessert gels; and as a calcium source for food enrichment.
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製造方法
Calcium Sulfate may be
prepared by the addition of a soluble calcium salt to
a solution of sodium sulfate:
CaCl2+ Na2SO4→CaSO4+ 2NaCl
The product is generally a dihydrate although other
hydrates are also known. The CAS numbers of these
materials are: 7778-18-9 (anhydrite); 10034-76-1 (hemihydrate); 10101-41-4 (dihydrate).
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化学性质
二水和物、半水セッコウ、水セッコウが存在する。二水和物は空気中で風解する。
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使用用途
1. 食品添加物
豆腐製造時の凝固剤や、ビールの食品添加物として、硫酸カルシウムが使用されます。
2. 肥料
硫酸カルシウムは難水溶性ではあるものの、よりは溶解度が大きいです。そのため、カルシウム分と硫黄を補給するための肥料として用いられます。土壌酸度に対する影響は小さいです。
3. 石膏
硫酸カルシウムは水と混ぜて硬化することから、陶磁器の型材や建築材、医療用としては歯科模型や骨折した患部を支えるギブスとして利用されます。建築材としては、石膏を紙で挟んだ石膏ボードがよく使用されます。石膏ボードはリサイクル性が高い材料です。
また、硫酸カルシウム無水物 (無水石膏) を微粉砕し、石灰、ミョウバン、ポルトランドセメントといったを加えたものは、硬石膏プラスターと呼ばれます。これは主に壁材料に使用され、特に緻密なものは装飾用に使用されます。また、先述の焼セッコウ (硫酸カルシウム・五水和物) に、フノリ、ゼラチン、デンプン、ホウ砂といった硬化遅延剤を混合したものも、同様に石膏プラスターとして使用されます。
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工業用途
Calcium sulfate (CaSO4?2H2O) is the common blackboard chalk.
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概要
硫酸カルシウムとは、石膏の主成分として知られている、の硫酸塩です。
化学式はCaSO4で表され、別称としては硫酸石灰があります。水に溶けにくい無色~白色の結晶であり、天然には二水和物が石膏、無水和物が硬石膏として産出されます。加熱すると水和物の焼き石膏を生じます。
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製造方法
硫酸カルシウムは天然の鉱石から採掘する方法と、化学的に合成する方法があります。化学的には硫酸分とカルシウム分の反応によって硫酸カルシウムが得られます。
湿法リン酸の生産工程でも硫酸カルシウムが得られます。具体的には、りん鉱石 (Ca5(PO4)3・F) とリン酸 (H3PO4) を反応させて水溶性のリン酸一カルシウム (Ca(H2PO4)2) とフッ化水素 (HF) を得ます。そして、硫酸 (H2SO4) を加えて、リン酸と硫酸カルシウムを生成します。この生産工程で得られるリン酸カルシウムはリン酸石膏とも呼ばれます。リン酸の製造工程以外にも、排煙脱硫工程や、チタン、フッ酸の製造工程でも副次的に硫酸カルシウムが得られます。
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合成方法
リン酸製造時の副生物として得るか、排煙脱硫の副生物として得る