リンネ鉱

リンネ鉱 化学特性,用途語,生産方法

• 解説

  いわゆる硫スピネル系鉱物の一つ。四三コバルト鉱という和名もある。理想式Co2+Co3+2S4を(Co,Ni,Fe,Cu)3S4と拡張した場合、括弧(かっこ)のなかでCo（コバルト）がもっとも多量になっていればこの名前でよばれる。理想式に近いものはまれである。多量に産する場合はとくに端成分から大きく外れている傾向があることもある。自形は正八面体がもっとも普通である。

  ［加藤　昭　2018年12月13日］[参照項目] | 自形 | スピネル | 端成分 | リンネ[補完資料] | リンネ鉱（データノート）
  小学館　日本大百科全書(ニッポニカ) ）

• 主要産地

  リンネ鉱主要産地はアフリカのコンゴ民主共和国からザンビアにまたがるコッパー･ベルトである。北のコンゴ民主共和国では銅の1/30，南のザンビアでは1/300程度のコバルトをリンネ鉱linnaeite Co3S4，カロライトcarrollite (Co,Cu)3S4などのチオスピネルとして含んでいる。コバルトはヒ素と結合して，輝コバルト鉱(Co,Fe)AsS，スクテルード鉱skutterudite(方コバルト鉱ともいう)(Co,Ni)As3として銀‐コバルト鉱脈中に産出する(ノルウェー，スウェーデン，ドイツ，カナダなど)。

• 物理的性質

  Habit: octahedral crystals crystalline, fine, encrustations, granular.
  Color: white or pinkish white.
  Luster: metallic.
  Diaphaneity: opaque.
  Streak: grayish black.
  Cleavage: {001} imperfect.
  Fracture: uneven to subconchoidal.
  Other: fuse on the charcoal giving a magnetic globule of Co3O4. Soluble in hot concentrated HNO3 giving sulfur.
  Occurrence: hydrothermal veins and with other sulfidic Co and Ni ores.