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外観
白色の結晶又は結晶性の粉末
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種類
ケイ皮酸は、研究開発用試薬製品や工業用化成品などとして一般的に販売されています。研究開発用製品としては、trans-ケイ皮酸などの表記で販売されています。容量の種類は25g、500gなどです。室温で保存可能な試薬製品として取り扱われます。
化成品としては、ファインケミカル、医薬品中間体などの用途が一般的です。100g、1kg、25kgなどの単位で販売されており、工場需要に対応した供給となっています。
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性質
図2. ケイ皮酸の基本情報
ケイ皮酸の化学式はC9H8O2であり、分子量は148.16です。E体の融点は133 ℃、沸点は300 ℃で、常温では特異臭を呈す無色の固体です。
密度は0.91g/mLであり、エタノールに溶けやすく水には溶けにくい性質があります。光により変質するおそれがあるとされています。自然界においては、天然油類などにエステルとして存在している物質です。
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解説
ケイ皮酸シス形とトランス形が考えられるが,シス形はアロケイ皮酸(allocinnamic acid)といわれ,不安定で,普通,トランス形として存在する.天然には,ソゴウ香油中に遊離またはエステルの形で,またトルーバルサムやペルーバルサム中にベンジルエステルとして含まれる.
無色の針状晶.融点133 ℃,沸点304 ℃.エタノール,エーテルに可溶.アロケイ皮酸は,コカの葉にあり,融点の異なる(32,42,58,68 ℃)四つの多形が知られている.おもにエステルの形で香料や化粧品に用いられる.[CAS 140-10-3]
森北出版「化学辞典(第2版)
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溶解性
メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない
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用途
食品用着香料、医薬品原料
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合成
ケイ皮酸の合成
図3. ケイ皮酸の合成 (パーキン反応)
ケイ皮酸は、工業的にはベンズアルデヒドと無水酢酸に酢酸カリウムを作用させるパーキン反応によって合成されます。その他の方法では、シンナムアルデヒドの酸化によって合成可能です。
自然界において、ケイ皮酸はフェニルプロパノイドの一種です。天然に存在するケイ皮酸は、フェニルアラニンがフェニルアラニンアンモニアリアーゼによる脱アミノ化を受けることで生成します。
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化粧品の成分用途
皮膚コンディショニング剤
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準備
ベンズアルデヒド,無水酢酸,および酢酸ナトリウムの混合物を加熱するパーキン反応によって合成される.
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使用上の注意
安定性本品は空気中で次第に着色する。
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化学的特性
White to almost white crystalline powder. Insoluble in water, slightly soluble in hot water, easily soluble in benzene, acetone, ether, glacial acetic acid and other organic solvents.
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使用
trans-Cinnamic acid is used in flavors, synthetic indigo and pharmaceuticals. It is involved in the production of methyl, ethyl and benzyl esters, which is used in the perfume industry. It serves as a precursor to the sweetener aspartame through enzyme-catalyzed amination to phenylalanine. It is a self-inhibitor produced by fungal spores to prevent germination. In addition, it is used to establish phenolic compounds by liquid chromatography, ultraviolet and mass spectrometry. It is utilized as a potential agent, thereby preventing lung tumor cells from metastasizing. Further, it induces intracellular release of calcium ions from the vacuole to the cytoplasm in order to trigger phytotoxicity in cucumber.
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定義
ChEBI: Cinnamic acid is a monocarboxylic acid that consists of acrylic acid bearing a phenyl substituent at the 3-position. It is found in Cinnamomum cassia. It has a role as a plant metabolite. It is a member of styrenes and a member of cinnamic acids. It is a conjugate acid of a cinnamate.
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一般的な説明
trans-Cinnamic acid is an α,β-unsaturated aromatic acid that can be used as a flavoring agent. It is mainly used to prepare ester derivatives that are used in perfume industry. trans-Cinnamic acid is the key volatile components of cinnamon essential oil.
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使用用途
ケイ皮酸の使用用途は、除草剤、植物成長阻害剤、殺菌持続剤、防腐剤などです。また、ケイ皮酸のエステル誘導体は、香料や食品添加物、化粧品、農業用薬品の原料として使用されています。
例えば、ケイ皮酸メチルとケイ皮酸エチルは、主にフレーバーとして食品添加物に使用されている物質です。医薬品としては、局部麻酔剤、殺菌剤や止血薬の製造や発赤剤などとして使用されています。
さらに、その他の誘導体としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルやジイソプロピルケイヒ酸メチルなどの物質は高い紫外線吸収能力があることから、褪色防止剤、紫外線吸収剤・散乱剤などの化粧品として利用されています。
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純化方法
Crystallise the acid from *benzene, CCl4, hot water, water/EtOH (3:1), or 20% aqueous EtOH. Dry it at 60o in vacuo. It is steam volatile. [Beilstein 9 IV 2002.]