-
外観
白色~褐色粉末~結晶
-
性質
チラミンは白色〜薄褐色の結晶性粉末です。や水に溶け、にほとんど溶けません。チラミンの融点は164.5°C、沸点は325.2°Cです。
チラミンを多く含む食べ物と抗結核薬のイソニアジドを同時に摂取すると、発汗、頭痛、腹痛、血圧上昇などの副作用を起こす場合があります。鼻炎治療薬の塩酸フェノールプロパノールも、同様の副作用が起こる可能性があります。
-
解説
チラミンは,ヤドリギ、熟成したチーズ、麦角(ばっかく)(バッカクキンの菌核)などに存在する。生理的にはアドレナリンと類似の作用を示し、子宮収縮作用、末梢(まっしょう)神経収縮作用、血圧上昇作用などをもつ。分子量137.18。水に溶け、水溶液はアルカリ性である。無色の板状結晶で融点164~165℃。塩酸塩は水に溶け、水溶液は中性である。
-
解説
2-(p-hydroxyphenyl)ethylamine.C8H11NO(137.18).チロシンの脱炭酸による生成物で,動物,植物界に広く見いだされる.チロシンの熱分解によって得られる.白色の結晶.融点164~165 ℃.チラミン,エタノールに易溶,水に微溶.弱い血圧上昇作用をもち,アドレナリン類似作用がある.ある種の動物では神経伝達物質としての作用が推定されている.森北出版「化学辞典(第2版)
-
構造
チラミンはフェネチルアミン誘導体の一つで、フェネチルアミンのフェニル基の4位にヒドロキシ基を有します。そのため4-ヒドロキシフェネチルアミン (英: 4-Hydroxyphenethylamine) やp-ヒドロキシフェネチルアミン (英: p-Hydroxyphenethylamine) とも呼ばれます。
チラミンの化学式はC8H11NO、モル質量は137.179であり、密度は1.103g/cm3です。
-
説明
A decarboxylation product of tyrosine found in various fermentation products, including cheeses and some wines.
It causes sympathomimetic effects by acting as an indirect agonist, causing the release of endogenous catecholamines.
Because it is metabolized principally by monoamine oxidase,
patients taking monoamine oxidase inhibitors may have a
hypertensive crisis if they ingest foods containing significant
amounts of tyramine.
-
化学的特性
white to light beige solid
-
天然物の起源
Reported found in sauerkraut and soy sauce.
-
使用
tyramine is uses as pharmaceutical intermediates.
-
定義
ChEBI: A primary amino compound obtained by formal decarboxylation of the amino acid tyrosine.
-
作用
チラミンは血管収縮作用のあるノルアドレナリンの遊離を促進し、血圧を上昇させるため、片頭痛発作や心拍数上昇の要因になる可能性があります。ただし短時間でチラミンを反復投与した場合には、ノルアドレナリンの生合成が間に合わないため、ノルアドレナリンが枯渇して作用が弱まります。
チラミンを多く含む食べ物は、ココアやチョコレートのようなカカオ製品です。チラミンが多量に含まれているココアを飲むと、チラミンによる血管収縮作用が消える数時間後に、血管が拡張する反動によって頭痛を起こすときもあります。
-
関連化合物
図3. チラミンの関連化合物
チラミンはメチル化すると、N-メチルチラミン、N,N-ジメチルチラミン、N,N,N-トリメチルチラミンなどのアルカロイドを生成します。アルカロイド (英: alkaloid) とは、窒素原子を有する天然由来の有機化合物の総称のことです。N,N-ジメチルチラミンはホルデニン (英: Hordenine) 、N,N,N-トリメチルチラミンはカンディシン (英: Candicine) とも呼ばれます。
チラミンはモノアミン神経伝達物質と構造が類似した化合物です。モノアミン神経伝達物質の具体例として、、ノルアドレナリン、、ドーパミン、セロトニン、アセチルコリンなどが挙げられます。生理的にはアドレナリンと類似の作用を示し、子宮収縮作用、血圧上昇作用、末梢神経収縮作用を有します。
-
生合成
図2. チラミンの生合成
チラミンは動植物に広く分布します。チラミンなどのカテコールアミン類は、ヒトではL-フェニルアラニン (Phe) から生合成されます。生体内でフェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼと補酵素のテトラヒドロビオプテリンによって、フェニルアラニンからチロシン (Tyr) を合成可能です。芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼの作用によってチロシンが脱炭酸して、チラミンが生じます。食物中のタンパク質が微生物により分解すると、腐敗アミンとして産生されます。
-
使用用途
チラミンはモノアミン類の一種として、血圧上昇を代表とするさまざまな生理作用があります。例えば、血管収縮作用などです。
蛍光色素で標識され、免疫蛍光分析でペルオキシダーゼの基質として使用されます。
-
純化方法
Crystallise tyramine from *benzene or EtOH. [Beilstein 13 IV 1788.]