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外観
無色~ほとんど無色透明液体
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解説
メチルプロピルエーテルとは、常温で液体のエーテル化合物です。
メトキシプロパン、メチルn-プロピルエーテル等の別名や、「Metopryl」「Neothyl」等の商品名でも呼ばれています。常温 (20℃付近) では無色透明の液体で、エーテル臭があり、水に可溶です。
沸点は38.8℃と低く、加熱によって容易に気化するため、冷暗所で保管する必要があります。引火性の高い液体で、消防法ではやと同じ「危険物第4類 特殊引火物 危険等級Ⅰ」に該当します。また、労働安全衛生法でも「危険物 4. 引火性のもの」に指定されています。
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使用
1-Methoxypropane is used in method for producing crystal aluminum trihydride by wet compound synthesis.
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一般的な説明
A colorless volatile liquid with an ether-like odor. Less dense than water and insoluble in water. Flash point below 0°F. Vapors heavier than air. May be narcotic by inhalation in high concentrations. Used as a solvent and to make other chemicals.
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空気と水の反応
Highly flammable. Oxidizes readily in air to form unstable peroxides that may explode spontaneously [Bretherick 1979. p.151-154, 164]. A mixture of liquid air and diethyl ether exploded spontaneously [MCA Case History 616. 1960]. Insoluble in water.
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反応プロフィール
Ethers, such as METHYL N-PROPYL ETHER, can act as bases. They form salts with strong acids and addition complexes with Lewis acids. The complex between diethyl ether and boron trifluoride is an example. Ethers may react violently with strong oxidizing agents. In other reactions, which typically involve the breaking of the carbon-oxygen bond, ethers are relatively inert.
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健康ハザード
Inhalation or contact with material may irritate or burn skin and eyes. Fire may produce irritating, corrosive and/or toxic gases. Vapors may cause dizziness or suffocation. Runoff from fire control may cause pollution.
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火災危険
HIGHLY FLAMMABLE: Will be easily ignited by heat, sparks or flames. Vapors may form explosive mixtures with air. Vapors may travel to source of ignition and flash back. Most vapors are heavier than air. They will spread along ground and collect in low or confined areas (sewers, basements, tanks). Vapor explosion hazard indoors, outdoors or in sewers. Runoff to sewer may create fire or explosion hazard. Containers may explode when heated. Many liquids are lighter than water.
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使用用途
1. 抽出溶媒として
メチルプロピルエーテルの主な使用用途は、有機溶媒や合成原料です。抽出や精製に用いる溶媒や、水素化アルミニウムを製造する際の原料として、工場や実験室で用いられます。
エーテル系の溶媒としてはジエチルエーテルが代表的ですが、メチルプロピルエーテルはジエチルエーテルよりも水への溶解性が低い等の違いがあります。そのため、抽出や分液操作で用いると物質がジエチルエーテルとは異なる挙動を示し、使い分けられる可能性があります。
2. 麻酔薬
蒸気を吸引すると麻酔作用があるため、かつては麻酔薬として使われていました。しかし、引火性が高く保管や使用に危険が伴うため、現在はより可燃性の低いハロゲン化エーテルが麻酔薬に使用されています。
なお、メチルプロピルエーテル以前は、さらに引火性の高いジエチルエーテルが麻酔薬に使われていました。より引火性が低く安全に扱える物質へと変遷してきた歴史があります。
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引火性
メチルプロピルエーテルは引火生の液体です。引火点 (大気圧において燃焼範囲下限の可燃性蒸気を発生させる温度) が-20℃より低く、室温でも容易に引火する恐れがあります。そのため、危険物の中でも特に危険性の高い「特殊引火物」に分類されています。
メチルプロピルエーテルの蒸気が残っているだけでも引火の恐れがあるため、ドラフトや局所排気による換気が必要です。蒸気密度が空気よりも高く、漏洩した場合は床に滞留する可能性があります。
可燃範囲の蒸気は静電気等の火花でも引火するため、保管や使用に用いる施設では照明や電気機器も防爆構造にします。さらに沸点が38.8℃であるため、夏場の高温で蒸発が進まないよう、冷暗所に保管する等の対策が必要です。
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麻酔作用
メチルプロピルエーテルには麻酔作用があるため、使用時は吸引しないよう対策が必要です。工場等で多量に用いる場合は、作業員に送気マスク等の保護具を着用させ、室内を換気します。さらに、吸引しないようにように風上で作業を行います。
誤ってメチルプロピルエーテルを吸引した場合は、直ちに空気の新鮮な場所に移動させ、呼吸しやすい体勢で休息させます。意識が無い場合や気分が悪い場合は、医療機関での処置が必要です。
吸引事故が起きた場合に処置や医療機関への連絡を直ちに行うために、必ず2人以上で作業するよう作業手順を組むことも重要です。
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安全性プロファイル
A poison by inhalation.
A flammable liquid. When heated to
decomposition it emits acrid smoke and
irritating vapors.
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特徴
メチルプロピルエーテルは、メチル基とプロピル基を持つ非対称エーテルであり、化学式はC4H100で表されます。メチルプロピルエーテルの基本的な特性 (分子量、比重、溶解性) は以下の通りです。
- 分子量:74.12
- 密度:0.73g/cm3
- 溶解性:水に可溶 (5mL/100mL、25℃) 、エーテル・アルコールと混和
代表的なエーテルであるジエチルエーテル (分子量74.12、密度0.71 g/cm3、水への溶解度9.7mL/100mL) と比べると、密度がわずかに大きく、水への溶解度がやや低いという特徴があります。
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純化方法
Dry it with CaSO4, then pass the ether through a column of alumina (to remove peroxides) and fractionally distil it. [Beilstein 1 H 354, 1 I 178, 1 II 367, 1 III 1413, 1 IV 1421.]