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外観
白色〜ほとんど白色, 結晶性粉末〜粉末又は塊
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種類
シアヌル酸は、主に研究開発用試薬製品として販売されています。メーカーによって、室温保管として扱われることも、冷蔵保管として取り扱われることもある試薬製品です。
その他、工業用に漂白剤や殺菌剤、除草剤などの原料として販売されています。荷姿にはプラスチックドラムやプラスチック製の袋などがあります。
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性質
図3. シアヌル酸の互変異性
シアヌル酸の構造は、などと同様に、ケト型とエノール型が平衡状態にあります。エノール型のものをシアヌル酸、ケト型のものをイソシアル酸と呼びます。
100℃で脱水することにより無水物となり、360℃以上では分解してシアン酸に変化する物質です。
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性質
イソシアヌル酸は尿素が3分子重合した分子です。
尿素をおよそ200℃まで加熱することで、シアヌル酸にアンメリンやアンメリドなどが混ざった混合物が得られ、やなどの無機強酸を加えることによって、他の物質をイソシアヌル酸に変換し、純度の高いイソシアヌル酸を得ることができます。
イソシアヌル酸は水、にはほとんど溶けず、エーテルやアルコールなどの有機溶媒に少量溶けます。また、や熱水に対する溶解度は高いです。
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溶解性
水に難溶 0.25g/100 mL (17℃)。 アルコール, エーテルにわずかに溶ける。熱アルコール, ピリジンに可溶。熱水及び熱エタノールに溶け、アセトンにほとんど溶けない。
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解説
2,4,6-trihydroxy-1,3,5-triazine.C3H3N3O3(129.07).シアヌル酸は,三臭化シアヌルC3N3Br3の加水分解により生成する."二水和物C3H3N3O3·2H2Oは風解性の無色の柱状結晶.固体状態でも溶液中でもケト-エノール平衡状態にあり,通常,ケト形が優先的に存在する.100 ℃ で脱水して無水物となる.無水和物は融点360 ℃ 以上で分解してシアン酸HOCNを生成する.熱水,熱エタノール,ピリジン,濃塩酸,硫酸に可溶,エーテル,アセトン,ベンゼンに難溶.シアン酸の発生源および選択的除草剤として用いられる.[CAS 108-80-5][別用語参照]三塩化シアヌル,シアヌル酸トリメチル
森北出版「化学辞典(第2版)
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用途
シアヌル酸はそのままで使用されることはほとんどなく、大半が塩素と反応させて塩素化シアヌル(トリクロロイソシアヌル酸)として使用される。塩素化シアヌルはプールなどの殺菌剤として使用される。 他の用途としては量は少ないが、各種中間体の原料、メラミンと反応させて、メラミンシアヌレートの原料などとして使用されている。
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用途
有機合成原料。消毒剤。シアンガス発生原料。
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合成
シアヌル酸の合成原料は尿素です。尿素を無触媒で約200℃に加熱すると、アンメリン、アンメリドなどを含む粗製シアヌル酸が合成されます。
この際、副生成物としてが発生します。この粗生成物を、、などの無機強酸で処理することにより、アンメリン、アンメリドがシアヌル酸に変換され、高純度のシアヌル酸を製造することが可能です。
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化学的特性
white powder
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使用
Cyanuric acid is used in chemical synthesis (see Section
31.0), as an intermediate for chlorinated bleaches, as a
selective herbicide, and as a whitening agent. The parent
compound and salts, chlorinated salts, and chlorinated acids
are used to disinfect swimming pools, restaurants, and barns.
Chlorinated salts hydrolyze in water to form cyanurate and
hypochlorous acid. Other monomeric isocyanurates (e.g.,
triallyl cyanurate) are used as cross-linking components for
producing polyurethanes, polyesters, and alkyd resins. Tris
(2-hydroxyethyl)isocyanurate is used in wire lacquers.
Cyanuric acid is produced in the United States.
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定義
ChEBI: The keto tautomer of cyanuric acid.
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調製方法
Cyanuric acid is an odorless, crystalline powder. Chlorinated
isocyanuratesareusuallypreparedbycontrolledchlorinationof
the sodium or potassium salts of cyanuric acid. Other monomeric
isocyanurates made from the parent compound include
tris(2-hydroxyethyl)isocyanurate and triallyl cyanurate.
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一般的な説明
Crystals.
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空気と水の反応
Soluble in hot water [Hawley].
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反応プロフィール
An amide and amine. Organic amides/imides react with azo and diazo compounds to generate toxic gases. Flammable gases are formed by the reaction of organic amides/imides with strong reducing agents. Amides are very weak bases (weaker than water). Imides are less basic yet and in fact react with strong bases to form salts. That is, they can react as acids. Mixing amides with dehydrating agents such as P2O5 or SOCl2 generates the corresponding nitrile. The combustion of these compounds generate mixed oxides of nitrogen (NOx)
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使用用途
イソシアヌル酸はそのままで使用されることはほとんどなく、誘導体に変換されたのちに利用されています。イソシアヌル酸の誘導体のうち、工業的に利用されているものにはトリクロロイソシアヌル酸(塩素化イソシアヌル酸)やメラミンシアヌレートがあります。
1. 塩素化イソシアヌル酸
塩素化イソシアヌル酸は、イソシアヌル酸の水素原子をいくつか塩素原子で置換することで得られる物質で、3つ置換されたものはトリクロロイソシアヌル酸、2つ置換されたものはジクロロイソシアヌル酸という名称です。
塩素化イソシアヌル酸は白色の結晶性固体で、強い塩素臭を持っています。水溶性を高めるために、ナトリウム塩やカリウム塩の形で使用されることも多いです。
人間の体内の組織への蓄積性は低く、すぐ排泄されるため毒性は低いとされていますが、分解して塩化水素、次亜塩素酸、酸化窒素などの有害な気体を発生させる可能性があるため、保管には注意が必要です。殺菌剤以外の用途としては、有機化学実験における塩素化剤や、ウールの縮毛防止剤などがあります。
2. メラミンシアヌレート
メラミンシアヌレートは、イソシアヌル酸とを反応させることで得られる物質です。メラニンとシアヌル酸が水素結合のみを介して塩を形成しており、両者の間に共有結合は形成されていません。水は溶けませんが、有機溶媒に分散しやすい性質を持っています。常温、常圧では結晶性の白色固体で、白色系の固体潤滑剤として使用されています。
また、熱による分解過程においてカーボンフォーム層が形成され、この層は熱と酸素を遮断する働きが見られます。ハロゲンを含んでおらず、分解の際にも煙がほとんど出ず、窒素や、アンモニアといった毒性の低い気体のみを発生させるため、環境にやさしい難燃剤として注目されています。常温の乾燥した環境で保存する必要があります。
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化学反応
シアヌル酸はと反応すると、メラミンシアヌレートを生成します。メラミンシアヌレートとは、メラミンとシアヌル酸からなる有機塩であり、メラミンとシアヌル酸が水素結合した構造と考えられている物質です。非ハロゲン系の難燃助剤として主に用いられますが、白色系の潤滑油添加剤としても用いられます。
また、シアヌル酸は、メラミン生産の副生成物としても生成する物質です。メラミン自体の急性毒性は比較的低いものの、シアヌル酸と一緒に摂取すると不溶性のメラミンシアヌレートを生じて有害であることが知られています。メラミンの食品混入による毒性発現はしばしば問題になりますが、腎毒性の発現にはメラミンに加えてシアヌル酸の関与が疑われています。
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保管上の情報
シアヌル酸の取り扱いについて法令上の規制は特にありません。保管においては、高温と直射日光を避けた保管が必要です。また、強酸化剤との混触も避けるべきとされます。有害な分解生成物としては、、、窒素酸化物が挙げられます。
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使用用途
殺菌・漂白剤に使用される塩素化イソシアヌル酸
シアヌル酸は、主に塩素化イソシアヌル酸の原料として使用されています。塩素化イソシアヌル酸は、殺菌漂白効果に優れているため消毒・殺菌剤として幅広く使用されています。特に、生活用水および排水や、プールなどの消毒に用いられている物質です。
その他、シアン酸・シアンガスの発生源および選択的除草剤としての用途もあります。また、メラミンシアヌレートの原料として使用されたり、各種中間体の原料として使用されたりすることもあります。
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純化方法
It crystallises from water. Dry it at room temperature in a desiccator in a vacuum. [Beilstein 26 III/IV 632.]