モツヤクジュ油

危険有害性情報のコード(GHS)

• 絵表示(GHS)

  

• 注意喚起語

  Danger

• 危険有害性情報

  H226：引火性の液体および蒸気

  H302：飲み込むと有害

  H304：飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそ れ

• 注意書き

  P264：取扱い後は皮膚をよく洗うこと。

  P264：取扱い後は手や顔をよく洗うこと。

  P270：この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこ と。

  P301+P312：飲み込んだ場合：気分が悪い時は医師に連絡する こと。

  P330：口をすすぐこと。

  P501：内容物/容器を．．．に廃棄すること。

モツヤクジュ油 化学特性,用途語,生産方法

• 成分

  没薬は，精油3～10％、樹脂25～45％、ゴム質50～60％、水分5％、その他3～4％からなり、収斂(しゅうれん)、鎮痛作用があるので、腫(は)れ物、外傷、打撲傷、痔漏(じろう)、筋肉痛の治療に外用し、歯齦(しぎん)炎、咽頭(いんとう)炎の含嗽(がんそう)料とし、歯みがき粉にも加えることがある。

• 定義

  本品は、モツヤクジュ Commiphora myrrha を水蒸気蒸留して得られる精油である。

• 分布

  カンラン科（APG分類：カンラン科）Burseraceaeコミフォラ属Commiphoraの木本植物からとれるゴム樹脂を集めたもの。没薬は，古代エジプトで薫香料、ミイラ製造時の防腐剤に用いられ、聖書にも貴重な品物として記述されている。この植物はアフリカ北東部、アラビア半島、インドの岩石の多い乾燥地帯に分布し、約100種を含む。高さ3～10メートル、樹皮は灰白色、短い枝はのちに長刺になり、小さな3小葉からなる複葉をもち、雌雄異株。幹の皮部と髄の離生分泌腔(こう)に黄白色の油性ゴム樹脂を形成し、風害などにより皮部に損傷を生ずると外部に滲出(しんしゅつ)し、乾燥して黄褐色ないし赤褐色の堅い塊となる。

  品質のもっともよいヘラボール・ミルラ（ソマリ・ミルラ）は、ソマリア、アラビア半島南部に分布するC. myrrha (Ness) Engl.（C. molmol Engl.）から得られる。アラビア・ミルラはエチオピア、ソマリア、イエメンの高地に分布するC. habessinica (O.Berg) Engl.（C. abyssinica 〈Berg.〉 Engl.）、C. schimperi (Berg.) Engl.から、ビサボール・ミルラはソマリア、エチオピア東部に分布するC. erythraea (Ehrenb.) Engl. var glabrescens Engl.から得る。なお花(はな)没薬と称するものは、東南アジアで各種植物の枝に寄生したラックカイガラムシの分泌物であり別物である。［長沢元夫　2020年9月17日］

• 解説

  薬名。アラビア南西部山岳地帯の数ヵ所と対岸の東アフリカのソマリアの一定地域に限定されて生育するカンラン科Commiphora属植物の樹皮の樹汁を自然乾固した赤褐色の植物性ゴム樹脂。基原植物によって品質に差があり，アラビア没薬，ソマリア没薬は良質，同じソマリア産でもビサボール没薬は劣る。偽没薬としてはインド産のブデリアムが古くから知られた。外国の生薬名はミルラmyrrha,myrrhで，これについては，キプロス王キニュラスの娘で父親に対する邪恋の罪で木に姿をかえられたミュラMyrrhaにちなむという言い伝えがある。
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• 薬理学

  ミイラ製造など古くから薫香料としたほか、健胃剤・通経剤にも用いる。また、この植物自体をさすこともある。ミイラ。特異の臭気と苦味をもつ。中医学では血行を促し，腫れを消す作用があるとされ，打撲症，切り傷などに内用・外用とする。

• 化粧品の成分用途

  皮膚コンディショニング剤、香料

• 説明

  Refer to MYRRH, GUM.

• 化学的特性

  Myrrh oil is obtained from the gum by steam distillation; it is a light brown or green liquid with the characteristic odor of the gum.
  d²⁵₂₅ 0.995–1.014; n²⁰_D 1.5190–1.5275; α²⁰_D ?83 ° to ?60 °; acid number: 2–13; saponification number: 9–35; solubility: 1 vol in 7–10 vol of 90% ethanol; solutions are occasionally opalescent or turbid.
  Typical aroma-determining compounds of themyrrh plant are furanosesquiterpenoids such as (?)-lindestrene. Myrrh oil and myrrh resinoids are used in perfume compositions to create oriental notes.Myrrh extract and Myrrh tincture are also utilized in oral care and corresponding preparations.

• 物理的性質

  The oil is a light-brown to green liquid. It is soluble in most fixed oils, but is only slightly soluble in mineral oil. It is insoluble in glycerin and in propylene glycol. Under the influence of air and light, the oil becomes darker in color and more viscous

• 天然物の起源

  Found in several species of gum-resin Commiphora (fam. Burseraceae), mainly C. myrrha, C. abyssinica and C. schiniperi.

• 使用

  Myrrh traditionally has been used internally to treat upper respiratory congestion, pharyngitis, gingivitis, mouth ulcers, stomatitis, leprosy, syphilis, and leg ulcers. Topically, it is used to treat wounds, decubitus ulcers, and hemorrhoids. Contemporary use is mostly limited to fl avoring in foods and fragrance in cosmetic products.

• 製造方法

  By steam distillation of the gum.

• 精油の成分

  Main constituents include d-pinene, dipentene, limonene, cinnamaldehyde, cuminaldehyde, eugenol, m-cresol, sesquiterpenes and formic and acetic acids.

モツヤクジュ油 上流と下流の製品情報

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