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外観
銀灰色~黒灰色、結晶性粉末
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性質
炭化タングステンの融点は2,870°Cで、沸点は6,000°Cです。灰色または黒色の固体で、光沢があります。
炭化タングステンのヤング率はおよそ550GPaで、鋼の2倍ほどの剛性を持っています。コランダム、ルビー、サファイアなどのα-酸化アルミニウムに匹敵する硬さです。
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反応
炭化タングステンは酸に耐性があり、水、、に溶けません。フッ硝酸 (とフッ化水素酸の混合溶液) や王水には溶解します。炭化タングステンは500~600°Cで酸化し始めます。室温でフッ素ガスと反応し、400°C以上で塩素と反応しますが、乾燥した水素とは反応しません。
微粉末状の炭化タングステンは、過酸化水素水溶液中で容易に酸化します。高温高圧下で炭酸ナトリウム水溶液と反応して、タングステン酸ナトリウムが生じます。
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溶解性
無機酸、水及びエタノールにほとんど溶けない、王水に分解する。
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解説
炭化タングステン(tungsten carbide):WC(195.85).H2 中で粉末状のCとWの混合物を加熱してつくる.室温で安定なα型と,高温で安定なβ型があるが,後者はC不足の不定比化合物になることもある.α型は三方晶系.β型は立方晶系の岩塩型構造.融点約2800 ℃.モース硬さ9.密度15.63 g cm-3.HF,HNO3に室温では難溶,加温すると可溶.F2 とは室温で,Cl2 とは400 ℃ 以上で反応する.薄膜は9.0 K で超伝導に転移する.超硬質なため,削岩機用ドリルの刃先,金属切断用,針金製造のダイス,ボールペンのボール,徹甲弾・弾頭被覆などに用いられる.
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用途
非酸化物系ニューセラミック材料、硬質材料、赤外線放射材料。
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構造
炭化タングステンは等モル量の炭素原子とタングステン原子から構成されている無機化合物です。化学式はWCで表され、モル質量は195.851g/molです。
六方晶のα-炭化タングステンと立方体のβ-炭化タングステンの2種類が存在します。六方晶系型のタングステン原子間の距離は291pmで、隣接層のタングステン原子間の最短距離は284pmであり、タングステン-炭素結合長は220pmです。α-炭化タングステンの密度は15.63g/cm3です。
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合成法
1,400〜2,000°Cで炭素とタングステンが反応すると、炭化タングステンが得られます。タングステンまたは酸化タングステン(VI)を用いた一酸化炭素と二酸化炭素の混合ガスと水素ガスによる流動層法では、900〜1,200°Cでも合成可能です。
グラファイトと酸化タングステン(VI)を、900°Cで加熱しても炭化タングステンが生成します。670°Cの水素に晒した後に、1,000°Cのアルゴン雰囲気下で浸炭しても合成可能です。
還元剤として水素を用いて、炭素源としてメタンと670°Cで六塩化タングステンを反応させると、炭化タングステンは得られます。還元剤の水素と炭素源のメタノールを、350°Cで六フッ化タングステンと反応させても生成可能です。
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化学的特性
Gray powder. Mohs hardness of 9+ in solid form. Insoluble
in water but readily attacked by a nitric acid–
hydrofluoric acidmixture. Stable to 400C with chlorine,
burns in fluorine at room temperature, oxidizes
on heating in air.
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物理的性質
Gray powder, dissolved by HF=HNO3 mixture. Cutting tools, wear-resistant semiconductor
film. Corroded by molten metals
Mg, Al, V, Cr, Mn, Ni, Cu, Zn,
Nb, and Mo. Corrosion resistant
to molten Sn and Ta.
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使用
Tungsten carbide is extremely hard and are excellent cutting materials. It is used extensivly in the tool and die industry for drilling and cutting tools, sand blasting nozzels, armor-piercing bullets, and studs to increase traction of tires.
Besides, it is used in dental burs, surgical instruments, wear-resistant coatings; in manufacture of cemented carbide; Substitute for noble metals in catalysis.
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定義
A ditungsten carbide, W2C, with similar physical
properties is also known. WC is said to be the
strongest of all structural materials.
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危険性
Toxic by inhalation.
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化学性质
高融点,高硬度,耐摩耗性
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使用用途
炭化タングステンは、主にの原料に用いられています。とくに炭化タングステン (WC) とコバルト (Co) を混合して焼結結合させると機械的性質に優れており、超硬合金と言えばWC-Co系合金を指すことが多いです。ほかにも炭化タングステン (WC) と (Ni) で組成されたWC-Ni系合金などがあります。
別の物質を添加して、耐酸化性や耐食性などを向上でき、WC-Co系合金に (TiC) や (TaC) などを加えた超硬合金もあります。いずれの超硬合金も剛性や硬度、強度が高くて、熱膨張率が低く、旋削チップ、ドリル、エンドミルなどのに使用可能です。また、耐摩耗性にも優れているため、伸線用ダイスや圧延ロール、金型などに広く利用されています。
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工業用途
Tungsten carbide with a 3 to 20% matrix ofcobalt is the most common structural RHM. Thelow-cobalt grades are used for applicationsrequiring wear resistance; the high-cobalt gradesserve where impact resistance is required.
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安全性プロファイル
Chronic inhalation
causes lung damage in humans. Ignites at
600°C in nitrogen oxide atmospheres.
Violent reaction with F2, ClF3, NOx, IF5,
PbO2, NO2, N20. See also TUNGSTEN
COMPOUNDS.
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合成方法
タングステン粉末と炭素粉末を混合して加熱