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種類
グアニジンの純物質は、主に研究開発用試薬製品として販売されています。5g、10gなどの容量で販売され、潮解性があることから冷蔵保管されることもある化合物です。
グアニジンは、グアニジンそのものよりも、塩として販売されることが一般的です。研究開発用試薬製品や、工業用薬品などの製品があります。
塩酸塩やチオシアン酸塩など生化学用途のある化合物には、分子生物学用/生化学用などのグレードが用意されていることが多いため、自分の用途にあった製品グレードを選択することが必要です。
工業用薬品としても同様にグアニジン塩酸塩、グアニジン硝酸塩、グアニジンりん酸塩、グアニジン炭酸塩、グアニジンスルファミン酸塩、などが入手可能です。有機合成原料、繊維処理剤原料、バイオプロセス原料、臨床検査薬用原料などで利用されている製品です。
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化学的性質
図2. グアニジンの共鳴構造
グアニジンは、共鳴により共役酸の正電荷が3つの窒素上に非局在化して安定化されており、強い塩基性を示します。このため、生理的条件においては、プロトン化された+1価の陽イオン (グアニジニウムイオン) として存在します。
また、潮解性を有し、空気中では二酸化炭素を吸収しやすい物質です。160度に加熱すると、を放出し(C3H6N6)に変化します。
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解説
carbamidine,iminourea.CH5N3(59.07).HN=C(NH2)2.グアニジンは,チューリップ,キノコ,トウモロコシの胚,貝類などに含まれる.チオシアン酸アンモニウムを180 ℃ に加熱するか,クロロピクリンまたはオルト炭酸エチルにアンモニアを作用させるか,またはシアナミドにアンモニアを付加すると得られる.無色,吸湿性の結晶状粉末.融点約50 ℃.d 1.25.pKa1 13.65.pKa2 -11.0(25 ℃).水,エタノールに易溶.塩基性が強く,空気中では二酸化炭素を吸収する.炭素塩は融点197 ℃.160 ℃ でアンモニアを放出してメラミンになる.密栓して貯蔵する.一種の筋肉毒で,神経末端を興奮させ,またカルシウムのきっ抗剤として作用する.LD50 500 mg/kg(ウサギ,経口).森北出版「化学辞典(第2版)
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用途
有機合成原料、ポリマー樹脂、難燃性、医薬品の開始剤、中間原料
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製造法
ジシアンジアミドと硝酸アンモニウムとを加熱することにより硝酸塩として得られる。チオシアン酸アンモニウムから合成する方法もある。空気中から二酸化炭素を吸収しやすい。グアニジン,160℃に加熱すると、アンモニアを放ちメラミンC3H6N6になる。硝酸塩は火薬の原料として、また塩酸塩は医薬品や染料の合成原料として用いられる。なお、人尿の中にも微量含まれており、尿毒症のときには量が増大するので、尿毒症の一因とも考えられている。
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化学的特性
Colorless crystals. Soluble inwater and alcohol. Combustible. Guanidine is a strong monobasic Bronsted
base, which absorbs water and carbon dioxide
from the air and forms strongly alkaline solutions
with water and alcohols; the pH of a 20 wt %
aqueous solution is ca. 13.5 (25 ℃). In aqueous
solution at elevated temperature guanidine is
hydrolyzed to urea; airtight alcohol solutions are
stable. Guanidine is infinitely soluble in water,
ethanol, methanol, and dimethylformamide.
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使用
Guanidine is an intermediate in synthesizing N-Formylguanidine (F700505), which is used in the preparation of Amiloride (A578700), a sodium channel blocker used as a diuretic drug.
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調製方法
Guanidine is formed (1) by heating ammonium thiocyanate to 180 °C, (2) by ammonolysis of orthocarbonates, C(OC2H5)4 + 3NH3 → (NH2)2C=NH + 4C2H5OH, (3) by ammonolysis of chloropicrin, Cl3CNO2 + 7NH3 → NH2)2 C=NH + 3NH4Cl + N2 + 3H2O, (4) by ammonolysis of cyanogen chloride, ClCN + NH3 → ClC(NH2)=NH → HN=C=NH → (NH2)2 C=NH.
Guanidine forms salts with acids, e.g., guanidine nitrate, HNC(NH2)2 · HNO3. By heating at 120 °C for several hours, a mixture of ammonium thiocyanate and dicyanodiamide, guanidine thiocyanate solution is obtained by extracting with water. Treating guanidine with a mixture of nitric and sulfuric acids forms nitroguanidine which is reduced by zinc and acetic acid to aminoguanidine.
By treating aminoguanidine (1) with dilute acid or alkali, there is obtained, first, semicarbazide, finally hydrazine; (2) with nitrous acid, diazoguanidine which is decomposed by alkali into alkali azide (e.g., NaN3) plus cyanamide (H2N·CN) plus water.
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使用用途
図1. グアニジンの塩
グアニジンは、プラスチックや爆薬の原料として用いられている物質です。
また、水素結合を作りやすい性質から、グアニジンの塩は様々な分野で活用されています。例えば、生化学分野においてはタンパク質の変性剤として塩酸塩 (塩化グアニジニウム) やチオシアン酸塩 (グアニジンチオシアン酸塩) がよく用いられます。
合成的には、硝酸グアニジンは火薬の原料として、塩酸グアニジンは医薬品や染料の合成原料として用いられます。また、リン酸グアニジンは紙、木材に対する優れた防炎剤として使用される物質です。
近年では、グアニジンを化石燃料に代わる燃料とする研究も進められています。また、グアニジン及びグアニジノ基は強塩基性を示すため、グアニジンの誘導体は、有機合成において強塩基として用いられる物質が多く存在します。その他、写真材料、消毒剤等を合成するための原料など様々な分野での用途があります。
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农业用途
Carbamidine is another name for guanidine. It is a
crystalline basic compound related to urea. It forms a
number of salts which are used as fertilizers. Guanidine
phosphate is an example.
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純化方法
Crystallise it from water/EtOH under nitrogen. It is very deliquescent and absorbs CO2 from the air readily. [Jones Trans Faraday Soc 55 524 1959, Beilstein 3 H 82, 3 I 39, 3 II 69, 3 III 154, 3 IV 148.]