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外観
無色~わずかにうすい黄色, 澄明の液体
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性質
化学式はC5H8O4で表され、分子量は132.11です。CAS番号は108-59-8で登録されています。融点は-62 °C、沸点は181 °Cで、常温で液体です。密度は、1.152〜1.158 g/ml (20℃) です。
弱い芳香を持つ化合物で、アルコールやエーテルに溶けやすく、水にあまり溶けません。酸解離定数 (pKa) は13です。酸解離定数とは、酸の強さを定量的に表すための指標の1つで、pKa が小さいほど強い酸であることを示します。
求電子性基であるエステルが2つ結合しているため、カルボニルα位の酸性度は低くなります。比較的弱い塩基でカルボアニオンが発生するため、様々な反応に適用可能です。
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溶解性
水に微溶, エタノールなど有機溶媒に易溶。エタノールに溶け、水に溶けにくい。
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用途
医薬品添加剤
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用途
農薬中間体、医薬品原料
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製造法
ジメトキシメタンとから合成されます。また、とを共沸条件下で直接エステル化することによっても合成可能です。
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用途
有機合成原料。
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説明
Dimethyl malonate is a diester derivative of malonic acid. It is a common reagent for organic synthesis used, for example, as a precursor for barbituric acid. It is also used in the malonic ester synthesis. It can be synthesized from dimethoxymethane and carbon monoxide.
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化学的特性
Dimethyl malonate is soluble in alcohol and ether and very
slightly soluble in water. It may slowly decompose.
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使用
Dimethyl malonate is a reagent used in organic synthesis. It acts as a precursor for the synthesis of mono-substituted and di-substituted acetic acid, barbiturates, vitamin B1 and vitamin B6. It is used in the pharmaceutical industry to prepare pharmaceuticals like chloroquine and butazolidin. It is involved in the synthesis of diastereomeric pure thienylpyridines by reacting with 1,3-diphenylprop-2-enyl acetate.
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主な応用
Dimethyl malonate undergoes enantioselective palladium-catalyzed allylic substitution reaction with 1,3-diphenylprop-2-enyl acetate to yield diastereomeric pure thienylpyridines.
Dimethyl malonate was used in gold catalyzed oxidative esterification of glycerol, 1,2-propanediol and 1,3-propanediol.
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調製方法
Dimethyl malonate is produced via direct esterification of
methanol with malonic acid under azeotropic conditions.
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一般的な説明
Dimethyl malonate undergoes enantioselective palladium-catalyzed allylic substitution reaction with 1,3-diphenylprop-2-enyl acetate to yield diastereomeric pure thienylpyridines.
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使用用途
1. 香料
マロン酸ジメチルは特有の芳香を持つため、それ自体がフレグランスや食品添加物として用いられてきました。また、マロン酸ジメチルから合成されるジャスモン酸類も、香料業界で広く使用されています。
ジャスモン酸類であるジヒドロジャスモン酸メチルは、高級フレグランスの内容物として広く用いられています。
2. バルビツール酸前駆体
マロン酸ジメチルに酸性条件下でを作用させると、が合成できます。バルビツール酸は、抗てんかん薬や鎮静薬、静脈麻酔などの中枢神経系抑制作用を持つ向精神薬の中間体です。
バルビツール酸自体には、中枢神経系抑制作用はありません。
3. マロン酸エステル合成
マロン酸エステル合成とは、マロン酸エステルのカルボニルα位に発生させたカルボアニオンを利用した、α位置換酢酸エステルの合成法です。
マロン酸ジメチルに塩基を作用させ、α位にカルボアニオンを発生させ、ハロゲン化アルキルを反応させると、α置換体が合成できます。必要に応じ、酸を作用させ加水分解と脱炭酸を行うと、α位がアルキル置換した酢酸が得られます。
4. クネベナーゲル縮合
クネベナーゲル縮合とは、電子吸引基が2つついた活性メチレン部位に、ケトンまたはアルデヒドを縮合させアルケンを合成する手法です。マロン酸ジメチルを基質として用いた場合、まず、塩基を作用させて活性メチレン部位であるカルボニルα位に、カルボアニオンを発生させます。
発生したカルボアニオンが、ケトンまたはアルデヒドのカルボニル炭素に求核攻撃し、続いて脱水縮合が起こることでアルケンが生成します。
5. その他
マロン酸ジメチルは、農薬や医薬品の原料としても利用されています。
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使用と保管
取り扱う場合の対策
強酸化剤との接触は避けてください。ドラフトチャンバー内で個人用保護具を着用し、使用します。
マロン酸ジメチルは引火点83 ℃の可燃性物質です。高温物や熱、裸火、熱、スパークなどの火気には近づけないようにしてください。熱分解により、有毒なガスを放出する恐れがあります。
保管する場合
ガラス製容器に入れて、直射日光を避け、換気がよく、なるべく涼しい場所に施錠して保管してください。
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概要
マロン酸ジメチル (英: Dimethyl malonate) とは、無色〜淡黄色液体の有機化合物です。
IUPAC名はDimethyl propanedioate、別名としてジメチルマロネート、マロン酸ジメチルエステルとも呼ばれます。