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種類
グルコサミンはサプリメント・機能性表示食品として市場で広く一般に販売されています。様々なメーカーから販売されており、カプセル・錠剤やドリンクなど、形状も様々です。
グルコサミン単体で商品化されているもののほか、コンドロイチンと混合されているものや、コラーゲンやプロテオグリカンと混合されているものなど、多様な製品があります。また、これらの健康食品の製造用に工業用原料としても製造販売が行われています。
化学・生化学などの学術的分野においては、研究開発用試薬としても販売されています。試薬製品の場合は、通常D-グルコサミン塩酸塩として提供されています。
常温で取り扱いが可能な試薬製品です。容量の種類は、10mg , 25 g , 100g , 500g , 1kgなどがあり、実験室で取り扱いやすくなっています。
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定義
本品は、次の化学式で表される有機化合物である。
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解説
2-amino-2-deoxy-D-glucose.C6H13NO5(179.17).D-グルコサミンは,略称GleN.キトサミンともいう.もっとも広く天然に分布する代表的なアミノ糖である.N-アセチル-D-グルコサミンや硫酸エステルとして,昆虫,甲殻類の外骨格を形成するキチンをはじめ,ヘパリン,ヒアルロン酸など,動物,植物,微生物の多糖,とくにムコ多糖,糖タンパク質,糖脂質の構成成分である.普通は,キチン質を塩酸で加水分解し,塩酸塩として得るが,合成でも得られる."遊離のものは塩基性を示し,分解しやすい.α形は融点88 ℃.[α]D+100→+47.5°(水).β形は分解点110~111 ℃.[α]D+28→+47.5°(水).塩酸塩は結晶しやすくきわめて安定であり,α形は分解点190~210°.[α]D+100→+72°(水).β形は分解点185 ℃.[α]D+25→+72.6°(水).還元糖としての一般的性質を示す.フェニルヒドラジンと反応してD-グルコース,D-マンノース,D-フルクトースと同一のオサゾンを与える.モルガン-エルソン反応(エルソン-モルガン法)やニンヒドリン反応で検出,定量される.N-メチル-L-グルコサミンがストレプトマイシンに構成成分として含まれており,そのほか多数のグルコサミン同族体が,天然物や合成品として知られている.森北出版「化学辞典(第2版)
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化粧品の成分用途
保湿.湿潤剤
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合成
図. グルコサミンの生合成
D-グルコサミンは生化学的には、全ての窒素含有糖の生化学的前駆体です。代謝経路ではグルコサミン-6-リン酸の形で合成されます。
具体的には、グルコサミン-6-リン酸は、グルコサミン-6-リン酸デアミナーゼによってフルクトース-6-リン酸とグルタミンから合成されます。ヘキソサミン生合成経路の第一段階です。
この生合成経路の最終産物はウリジン二リン酸-N-アセチルグルコサミン (UDP-GlcNAc) であり、グリコサミノグリカンやプロテオグリカン、糖脂質の合成に使われます。ヒアルロン酸やコンドロイチンをはじめ様々な成分をつくる原料となっています。
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効能
栄養補助食品
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化学的特性
(β form.) Colorless needles. Mp 110C
(decomposes). Very soluble in water; slightly soluble
in methanol and ethanol; insoluble in ether and
chloroform.
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天然物の起源
Glucosamine is found in mucopolysaccharides, chitin, and mucoproteins. Glucosamine is a naturally occurring substance; glucosamine sulfate is manufactured synthetically.
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使用
Glucosamine is an amino sugar that can regulate growth factor gene transcription. It is also widely touted as remedy for osteoarthritis (OA).
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定義
ChEBI: The open-chain form of D-glucosamine.
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世界保健機関(WHO)
Glucosamine is found in chitin, mucoproteins and
mucopolysaccharides. It is used as a pharmaceutical aid. Glucosamine sulfate has
been used in the treatment of rheumatic disorders though it is not widely marketed for this purpose.
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臨床的効果
関節の軟骨が破壊される変形性関節症において、グルコサミンを含むサプリメントを単体でまたは他剤と併用して利用した際の効果を調査する研究が行われています。変形性膝関節症に対するグルコサミンの主な研究では、改善のエビデンスが見られるものと、有意な改善が見られなかったものとがあり、相反する結果となっています。
グルコサミンが変形性膝関節症の痛みに有効かどうか、他関節の変形性関節症の痛みを軽減するかどうかは議論の余地があり、決定的な結論は未だ得られていません。
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使用用途
グルコサミンは、関節軟骨の主要成分の一つです。加齢によって生成量が減少することが知られているため、近年ではサプリメントなどに多く使用されています。
自然界ではカニやエビなどのキチン質の主要成分として多量に存在していることが知られている物質です。サプリメントや食品から摂取する場合は、軟骨の主成分ともなるコンドロイチンとともに摂取することで、より膝軟骨の摩耗などを予防できるといわれています。
このため、コンドロイチンとグルコサミンを両方含有する製品も多いです。なお、研究開発用試薬製品は、生理作用の研究用に利用されることがしばしばあります。
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概要
糖脂質の成分.N-アセチル体として,ミルクオリゴ糖,抗生物質,ムコ多糖,バクテリア多糖,糖タンパク,糖脂質の成分
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特徴
図. キチンの構造
グルコサミンは、キチン (多糖高分子の一つ) の加水分解によって得られます。工業生産の場合、エビやカニの殻よりキチンが抽出されます。
グルコサミンはこれらのキチンを塩酸で加水分解した後、結晶化させるために塩酸塩の形で製品化されている物質です。
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純化方法
Crystallise the amines from MeOH. The free base has been obtained from the hydrochloride (21.5g, see below) in a mixture of Et3N (15mL) and EtOH (125mL) by shaking for 2days at room temperature, and the solid Et3N.HCl is filtered off and the process repeated with more Et3N (3-4 times) until the D-glucosamine (15g) is free from Cl ions. It has m 88o , [] D20 +100o mutarotating to +47.5o (c 1, H2O). When Et2NH is used as base, the to conversion is complete giving D-glucosamine. The pentaacetate is purified by dissolving in CHCl3, treating with charcoal, drying (MgSO4), evaporating the solvent, and adding a little dry Et2O to induce crystallisation. It has m 124-126o, [] D +113o (c 1, CHCl3) after 16hours in a desiccator. [Leaback Biochemical Preparations 10 118 1963.] The N-acetyl derivative, m 203-205o from MeOH/Et2O (dry in vacuum P2O5) has [] D +75o to +41o (c 2, H2O); this derivative can also be purified by dissolving in the minimum volume of H2O to which is added 7-8volumes of EtOH followed by Et2O until turbid and keeping at ~20o to crystallise. Wash the crystals with MeOH then Et2O and dry in vacuo over P2O5. [Horton Biochemical Preparations 11 1 1966.]