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種類
フェロシアン化カリウムは、主に研究開発用試薬製品として販売されています。通常は、三水和物K4Fe(CN)6 · 3H2Oとして、或いは、1%などの溶液として販売されている物質です。
三水和物の場合は、5g、25g、100g、500gなどの容量で販売されています。実験室で取り扱いやすい容量を中心とした提供です。室温で保管可能な試薬製品として販売されています。
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性質
フェロシアン化カリウムの無水物は、分子量368.4であり、CAS登録番号は、13943-58-3です。常温では吸湿性無色粉末の状態で存在します。密度は1.88g/mLです。
空気中の水分を吸湿して生成する三水和物は、分子式K4[Fe(CN)6]・3H2Oで表される物質です。分子量422.39、融点70℃であり、常温では黄色の結晶または粉末の状態で存在します。
結晶構造は単斜晶系であり、密度は1.85g/mL、CAS登録番号は、14459-95-1です。水に溶けやすく、エタノールにはほとんど溶けません。水溶液は淡黄色です。
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解説
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム化学式 K4[Fe(CN)6] 。フェロシアン化カリウム,黄血カリ,黄血塩ともいう。 1710年に初めてつくられた。古くは動物の血液,羽毛,角などを鉄屑と混ぜて炭酸カリウムと融解し,融成物を水で抽出してつくったが,現在では石炭ガス精製の際,青酸洗浄装置などに捕集されるシアン化水素から合成される。ふつう水和物で黄色の結晶。 100℃で水を失い,白色吸湿性の無水物を生じる。さらに熱すると窒素を放出して分解する。水に易溶。毒性はない。水溶液に Fe3+ 塩を加えると濃青色のベルリン青の沈殿が生じる。
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用途
安定(化)剤
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応用
鉄,銅,銀,亜鉛など重金属の定性分析用試薬,シアン酸,シアン化カリウム製造の原料に用いられる。
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合成
図1. フェロシアン化カリウムの合成
フェロシアン化カリウムは、と (II) 、を原料として合成することが可能です。また、過剰量のシアン化カリウムと硫酸鉄 (II) の反応によっても合成することができます。
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化学的特性
Lemon-yellow crystals or powder; mild
saline taste.
Effloresces on exposure to air; soluble in water;
insoluble in alcohol.
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使用
Potassium cyanide and ferricyanide, dry colors,
tempering steel, dyeing, explosives, process engrav-
ing and lithography, laboratory reagent.
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調製方法
Potassium ferrocyanide is used as a chemical reagent, in
metallurgy, and in graphic arts.
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危険性
It evolves highly toxic fumes on heating to
red heat, but the compound itself has low toxicity.
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化学反応
[Fe(CN)6]4− (フェロシアン化物イオン) は、水溶液中で電離しても配位子のCN−が安定しているため、無機シアン化物のような毒性は示しません。ただし、熱希硫酸を加えると分解し、シアン化水素を発生します。また、フェロシアン化カリウムにヨウ素を反応させることにより、K3[Fe(CN)6]・KIを得ることが可能です。
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使用用途
フェロシアン化カリウムは、青写真の現像液、鉄イオンの検出試薬、鉄、銅、銀の安定化試薬などの用途があります。また、組織細胞化学などの分野では、電子顕微鏡用染色剤としても用いられる物質です。
これは、電子密度の高い重金属が、検体組織を構成する元素に比して電子顕微鏡で観察する際のコントラストに優れている性質があるためです。また、塩の凝固を防止する作用があるため、食塩に添加されることがあり、食品添加物として認可されています。
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安全性プロファイル
Mildly toxic by ingestion. An experimental teratogen. When heated to decomposition it emits toxic fumes of NOx.