種類
原子力エネルギーの利用に伴い、核燃料サイクル(核燃料の流れ)のあらゆる部分から発生するさまざまな放射性の不要物をいう。これらを人間あるいは生物環境から安全に隔離する手段・方法の総体を処理・処分とよんでいる。また、管理managementという用語も用いられる。
海外、たとえば国際原子力機関(IAEA)などで一般に採用されている区分では、放射性廃棄物はその含有する放射性核種の特性と量に注目して、高レベル放射性廃棄物、中レベル放射性廃棄物、低レベル放射性廃棄物、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(超ウランtrans uraniumはウランよりも原子番号の大きい元素の総称。TRU廃棄物ともいう)とに大きく分類される。一方、日本では、発生原因に基づいて分類し、再処理施設から取り出される「高レベル放射性廃棄物」と、その他の原子力施設などから発生する「低レベル放射性廃棄物」の2種類にのみ区分されている。したがって、日本の区分(以下「 」として引用)を用いた場合、「低レベル放射性廃棄物」のなかに放射能レベルの高い、廃炉の炉内構造物なども含まれる。またきわめて長い半減期をもちα(アルファ)線を発生するTRU廃棄物なども含まれる場合があることに注意しなければならない。[舘野 淳 2015年9月15日]